
~マイフェイバリットなクルマたち Vol.7~
第7回は、VW『
ゴルフ』5代目のもっとも高性能なグレード「
R32」(2006.2~2009.4)です。
駆動方式:4WD
搭載エンジン:V6 3200 DOHC
6MT/6DSG
<型式>1KBUBF
ちょ~気持ちいい!
水泳選手でなくとも思わず言葉がそんな出てしまいそうな、R32を紹介します。
高性能なR32といっても、スカイラインGT-Rのことではありません。
<ゴルフについて>
ゴルフの高性能グレードといえば、GTIが挙げられます。
自分が経験したGTIは ゴルフ3/4/5/6ですが、当時のメモを見ますと…
ゴルフⅢ…1.8Lにしては力強いと思ったものの、エンジンを見るまでターボとは気付かず。
ターボというより 排気量をアップしたようなフィーリング。
アクセル戻す時、AZ-1のようなシュルル音。(ウェストゲート?バックタービン音?)(5MT)
2003.5
ゴルフⅣ…1.8Lターボ。まんべんなくトルクが増えたような自然な加速フィールで気持ちいい。
乗り心地は、不快にならない程度に締まっている。シートはレカロ。(5MT)
2004.2
と、適度なスポーティなかんじでありました。

ゴルフ4 GTI
ゴルフⅤ…今までの(3や4の)GTIよりスポーティで本格的。アシはかなり固められている。
2Lターボは力強い。6速DSG(2ペダルMT)は、以前乗ったアルファロメオ156の
セレスピードほどのギクシャクさがなく 洗練されている。発進ではクリープもあった。
2006.11
と、ゴルフ5以降はスポーツ度が増しています。(ゴルフⅦはまだ未経験)
文中でアルファロメオの名を挙げていますが、当時(1990年代後半~2000年代前半あたり)
スタイル・エンジン・走り…官能度の高いクルマとして アルファロメオの
156や145・147といったモデルがメディアによく採りあげられていました。
対して、VWのGTIは質実剛健一直線なイメージ。しかし、実際に両者に乗ってみると、
自分の中での印象は 想像とは逆転しました。
アルファロメオは、スタイリッシュなエクステリアだけでも 国産車にはない満足感が得られそう。
2L 直4エンジンは力強く、上まで回すとビート感のある良い音がします。V6ですと、GTVの3Lは マニュアルミッションのフィールも併せて良かったです。
質感云々は デザインの巧みさで許せてしまうし、何物にも代えがたい魅力はあるものの、
剛性や 脚の動き等 クルマとしての総合的なつくりでは気になってしまう箇所がありました。
そこにきて VWのGTIは… エクステリアデザインの趣向は伊と独で違いますが、
エンジンや走りは 質実剛健=艶がなくてつまらない ではなかったのです。
“VWのGTI”という書き方をしたのは、ゴルフより下のクラス ポロやルポにも
GTIグレードがあるからです。3代目ポロGTIのエンジン音などは、
レッドゾーン近くまで回すと レーシングカーのよう。
アルファをスポーティというならば、ポロのGTIはレーシー。
3代目ポロGTIは、官能度でも上をいっていたのです。(シフトフィールはフニャ◯ンでしたが…)
そしてさらに下のクラス、軽自動車に近い全長のルポでさえ、
(ここまで小さくなってもまだちゃんと走るか!)と思わせる出来。これにはもう脱帽でした。

3代目ポロGTI
2002.4

4代目ポロGTI

音のレーシーさは3代目に譲るかも

昨今のトヨタ車照明は薄青色“スカイ色”、青系照明の先鞭をつけたのはVW?

ステアリングホイールのGTIロゴプレート

先代同様、シフトフィールにはもっとカチカチとした節度感がほしい
クラッチつなぎにくくて疲れた。。(ミートくんがヘタなんです)
2009.12
いつの間にか、話がポロやルポにまでいってしまいました。失礼…。
GTIの話で前置きがかなり長くなりましたが、さらなる驚きを与えてくれたモデル、
それがゴルフⅤのR32なのです。
R32は、ゴルフⅣで初めて設定された V6エンジン搭載のグレードです。
排気量は、数字が表す通り 3.2リッター。
ゴルフⅣでは日本900台の限定(触れる機会も得られず)でしたが、
ゴルフⅤでカタログモデルになりました。
ゴルフの6気筒エンジンは、ゴルフⅢ「VR6」にて 2.8リッターのV6で初登場。
ほぼ5ナンバーサイズのコンパクトさでありながら、重厚感が伝わってくるモデルでした。2006.5
大排気量のゆとりを感じさせたVR6に対して、R32は明確にレーシー。
そう、ゴルフⅤでは、GTIの上にさらにホットなグレードが存在したのです。

ゴルフⅤ R32 (6DSG・RHD)
2007.5
控えめながら存在感のあるエアロパーツ。
18インチ大径アルミホイールと 225/40R18タイヤ。
リアバンパー中央に若干の間隔をあけて独立2本出しされたマフラー。
そこに漂う佇まいは、GTIとは違う別物感を醸し出しています。
驚きは、エンジンをかけた時の音です。(←アイドリング音のことを言いたいのか?)
めったに感じることのないほどの興奮。そして感動。
何なんでしょう、このパリパリ乾いたブリッピング音のカッコ良さは…。
周りにいた人たちに「これ聴いて!これ聴いて!」と叫ぶわたくし。(←バカ)
信号待ちでわざわざ「P」にシフト入れて、パン!パン!パン!パン!パン!と5連発。
…したくなるほどでしたが、そのあたりは昔の事なので記憶にございません。
いざ走り始めると、回転を上げないと そのいい音は出てきません。
メーカーのモデルなので、常に音を響かせて疲れさせるような物はつくらないのででしょうな。
この時の走行は渋滞気味だったので 音もパワーも持て余してしまいましたが、
これはぜひ高速でアクセルを踏み込んでみたい と思ったものでした。
自分は 国産車に比べると外国車の運転の経験は少ないですし、
音の良さなら きっと他にいくつも車種はあると思います。
身近なところでいえば、BMWミニクーパーのパンパンいうアフターファイヤー音や、
レコードモンツァマフラーを装着したアバルトのバラバラいう音。たまりませんなぁ。
知らないだらけではありますが、これだけは言えます。「ゴルフⅤ R32は音がいい!」

ゴルフⅤ R32には、6MT(3ドア・LHD)と6DSG(5ドア・RHD)が設定されていました
私が走らせたのは後者でしたが、この頃のDSG(湿式6速)は
ATの滑らかな変速に比べるとギクシャク感がありました
現在のDSGは、乾式のものも混在しますが、滑らかさは向上したようです

音が良すぎて舞い上がっていたので、
クルマそのものの挙動についてはあまり憶えていません^^;

ステアリングホイールに隠れて見えていませんが、スピードメーターは300km/hまで刻まれています
2008.9
<“あの音”との再会>
約1年後、同社のEos(イオス・日本販売期間は2006.10~2009)というオープンカーに乗りました。
V6モデルはカタログ落ちしていたのですが、日本30台限定の特別仕様車として復活。
走行中 シフトダウンした時に、普通のATなら減速Gがくるところを
「ウォン!」とブリッピングして ショック皆無で回転を合わせてくれました。
イオスが、おっ!?というような快音を発したのです。
この音、ゴルフⅤのR32ほどではないが、通ずるものがあるぜよ…
帰宅後に調べてみて納得しました。企画・開発したのが、ゴルフⅤ R32も手掛けた
VWのスペシャル車部門「VW individual/VWインディビジュアル社」だったから。
(トヨタならTRD、ベンツならAMG…みたいなもんか?)
いや待てよ? エンジンは特に手を入れたとかは書いてなかったかな…
まぁいいか、そう思っておいたほうが夢があるってもんだ。わはは。

Eos V6 Individual (6DSG)

メタルトップを備えたオープン

235/40ZR18タイヤ

ツートンカラーの本革シートがオシャレ。
ヘッドレストにはインディビジュアルのマーク入り。
2009.7
<じゃあ、パサートのR36はどうなのよ>
こちらも R32と同じく、VWインディビジュアルが手掛けたスペシャル。
R32でそんなに萌えるのなら、R36(2005~2009)はもっと…
期待しつつワクワクして乗りましたが、官能度ではR32が上でした。
動かしてみても、大人しく扱っているぶんには大人しい振る舞い。(変な文章…)
シートは 左右がけっこう締まったバケットなタイプで キツかったですが。
ホットハッチのR32に対して、クラスが上 しかもワゴンということで、
オーナー層に合わせた高速ツアラー的なタイプなのかな、と思いました。

パサートヴァリアント R36 (6DSG)
※ヴァリアントとは、フォルクスワーゲンにおけるワゴンの呼び名です

235/40ZR18タイヤ
2008.10
<ゴルフⅥ以降のゴルフのスポーツグレード>
ゴルフⅥと その後のゴルフⅦでも、GTIグレードは継続設定。
時代の趨勢か 大排気量6気筒エンジンのR32は無くなり、
実質の後継は GTIと同じく2LターボのRに代わりました。
ダウンサイジングしても、R32同等もしくは上回る性能を メーカーは与えているはず。
ですが、マルチシリンダー好きな自分からすると ショボーンです。
(ゴルフⅥのRや ゴルフⅦにはまだ乗っていないので、どっちがどうとは 何とも言えませんが…)
コンパクトなボディに大きなエンジン、これが好きなんです。
トヨタ ブレイドマスター(2007.8~2012.4)も 3.5L V6を積んだホットハッチなんですが、
丸目テールの後期型ほしいねつったって タマがまず無いからねあれは。
<乗ってみたいVW車>
VWのクルマは、1990年~2010年あたりのだいたいのモデルに乗りました。
が、まだ未経験のスペシャルなモデルがあります。
体験してみたいのは、W8気筒エンジン搭載車。
パサートW8は 静止状態でレーシングかましての音は聴いたことあって、
これがまたええ音させてたんですわ。100mでもいいから動かしてみたかった…。
(一時期 中古車をWebで少し見てみたけど、故障が多いとも聞いたので行動には移せなかった)
そして、極め付きというか なんちゅうかほんちゅうか、W12気筒エンジン搭載車。
フェートン(セダン)だと日本未発売で 見る事さえ無理めなので、
トゥアレグの限定車(日本限定100+150台)ででも体験してみたいです。
稚拙ですが、VW/フォルクスワーゲンの 他のクルマについても浅く触れさせていただきました。
次回は、同じくVWの ボーラについて書いてみたいと思っています。
ではまたー。
~マイフェイバリットなクルマたち~
Vol.1
トヨタ・ウィンダム2代目
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トヨタ・エスティマ初代
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日産・ティアナ2代目
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トヨタ・ビスタ/アルデオ5代目
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トヨタ・センチュリー2代目
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