
この半年、まだ乗ってなかったトヨタ車の試乗を色々とさせてもらい、現行車種でまだ運転したことないラスト1台にたどりついた。
※兄弟車種・センチュリー・MIRAI・JPNTAXI・軽軍団は除く
※エンジンだと、2.5直4NA(アルファード)・2.8DT(プラド)・3.5V6ハイブリッド(クラウン)がまだ
※近年の過去車種だと、210クラウン・50カムリ・120オーリス・30プリウスPHV・WiLL Viがまだ
ラストといっても、一昨日カローラ/ツーリングが発売されたし また増えていくけどね。
「スタンプラリーじゃねーんだぞ!」とトヨタからお叱りを受けそうでもあるが、自分はいつも真剣(何の真剣だよ)なんで 堪忍してつかぁさい。
ラストの1台は…
(って、タイトルとサムネイル画像でバレてるか…)
Porte G (1.5直4 CVT FF)
(G・F・Y・Xとあるうちのトップグレード)
1,977,480円
全長3995×全幅1695×全高1690mm WB:2600mm 1170kg 最小回転半径:5.0m
175/65R15タイヤ&15×5Jスチールホイール(樹脂フルキャップ付)
※試乗車は オプションのアルミホイールを装着
・ポルテについて・
全長が4mに収まる 背が高めの5人乗りコンパクトカー。
2004年7月 初代誕生(8年間販売された)
2007年6月 マイナーチェンジ
2012年7月 2代目にモデルチェンジ※今回試乗 兄弟車「スペイド」誕生
2015年7月 1.3Lが廃止され、1.5Lのみに(初代じゃ1.5Lは贅沢グレードだった)
この2代目も モデルチェンジしてから7年経つから、初代並みに長く販売されていることになる。
2代目は、一部改良は2015年以降毎年されているが、マイナーチェンジはまだない。
7年以上ないって、ちょっと珍しいかも。
・ポルテの特徴
運転席側はヒンジ式・助手席側はスライド式という 左右非対称のドアになっている。
助手席側。後席スライドドアはミニバンでお馴染みだが、前席がっていうのは珍しい。
(国産車で他で思いつくのはスズキ3代目アルトぐらいだけど、まだあったかな?
あ、頻繁な乗降に対応したごみ収集トラックでそういうのがあった!^^;)
助手席を前に動かせば、1枚ドアながら 広い開口部で後席へのアクセスも楽々。
このGグレードのシートは、前席セパレートのブラック色。
グレードによっては ベンチシートや ベージュ系・茶系のシート色も選べる。
個人的には、ポルテといったらベージュ系なんだよなぁ。
さて、ここでクイズです。
外装で左右非対称な部分が ドア以外にもあります。
わかった貴方はポルテマニア。
(答えはレビューの最後で^^ )
ポップなデザイン&色合いの運転席まわり
2本スポークのステアリングホイールがかわいらしい
(2代目パッソも 丸っこさ&色がこんなかんじだったな)
エアコンパネルの操作性は、位置も スイッチも 初代のほうが良かったなぁ。
試乗車に搭載されていたナビは「NSZT-W66T」(ワイド2DIN・DOP 2016年モデル)
着座視点からはボンネットは見渡せなかったんだったかな、よく見てなかった。
それが気にならないぐらいだったので、運転はしやすいほう。
一寸似てる? 2代目パッソの内装
(2010.4撮影)
初代に比べると、シンプルになったメーター
トップグレードにしては、ちとさびしいなぁ。。
試乗時燃費:9.0km/l
・ポルテ、初代と2代目の違い
プラットフォームの変更 NBCプラットフォーム→Bプラットフォームへ
トランスミッションの変更 4AT→CVTへ
パワーステアリングの方式変更 油圧→電動へ
運転席側ドア 1枚ドア→後席用が加えられ2枚ドアへ
・運転してみて・
Bプラットフォームの車種の何が好きじゃないかっていうと、ガサガサ スカスカした乗り味。
(数値で計測すれば向上してたとしても、どこか楽しくねーな…)的な、バランスの問題。
骨格の剛性を高めて 脚回りもブッシュのグニャ感に頼らない、この方向性だとすれば進化だと思う。
ただ、ごまかしも効かなくなるわけで、動きが渋いサスだと逃げ場がなくなる。(←素人考えの想像)
この時期、CVT・電動パワステと まだ熟成されてない技術が続々導入されたのも拍車をかけた。
遮音性も、音が盛大に入ってくるもんで 巡航を繰り返してると消音対策に欠けたバン並みに疲れる。
全てを全てプラットフォームに結び付けるのは間違いかもしれないけども、まぁ 正しく言えば
Bプラットフォームが採用され始めた時期のクルマの乗り味が好きじゃないってこと。
(先日乗ったカローラアクシオは 同じBでも好印象だったのだが、あとで調べてみたら
カッチリ感を得る為に補強やスポット打ち増しをしたらしい…剛性不足だったってこと!?)
ポルテも、この2代目でBプラットフォームに変わったということで、
2代目以降のヴィッツや ラクティスのような乗り味を予想していたのだが…
驚くことに、これがいくらか違ったんだよね。しっとりしてるし どっしりもしてる。
(ルーミーと比べたら… いくらかどころじゃない。あれはダイハツ系だからシャーシは違うけど。)
自分の好きなNBCプラットフォーム車群の一台でもある 初代ポルテ、
あれに少し似た乗り味があったのよ。ここらへん、トヨタのすごさだと思った。
何が言いたいかというと、初代に乗っていた人が新型に乗りかえても
(いい意味で)同じ車に乗ってると感じさせるように仕上げられてるってこと。
もちろん 全ての車種がそういうわけではないけど、
先日の新型RAV4試乗でも 今日のポルテと同じ事を感じた。
いろんな部分が刷新されていても、運転してみると “その車種らしさ”が伝わってくる。
内装パネルのスイッチ位置の踏襲だとか そういうデザイン面だけじゃなくて、
動的な部分でも 味付けを調整して合わせてきてるように思えるんだよなぁ。
(開発した人がこの文を読んだら、味付けなんてしてないのに…って笑われたりして)
ステアフィール:電動らしいフィール。ちょい重め。
CVTフィール:ギクシャク感がけっこうある。ここは前世代的。
サスペンション:意外にも脚がよく動いてる。ブッシュでごまかしてるかんじがあまりない。
ハンドリング:無難な安定指向。
乗り心地:この種の車としては引き締まってるほうかな。突き上げは少なめで、不快感はない。
エンジン:アクシオやシエンタにも搭載される2NR-FKE。パワーはそれなりにある。遅くはない。
静粛性:CVTのうなり音がガンガン入ってくるような壁の薄さはあまり感じず。悪くない。
・室内スペース・
自分のドラポジに合わせた状態でも、後席のスペースは広々。
ラゲッジスペースも、思っていたより広かった。
上の写真での後席位置は、バックドアのガラスに引っつくまで下がってるわけじゃないから、
安心できるぐらいのクラッシャブルゾーンがちゃんとあった。そのぶんのスペースってわけ。
初代同様、グローブボックス容量が少なくて 下部の収納も無いのは マイナス点かな。
助手席を前へスライドさせるスペースをかせぐために絶壁になっているのかもね。
この絶壁、ポルテの他にもある。忘れられつつある?「iQ」がそう。
「iQ」
(2009.2撮影)
バックドアを上へ開いた写真(ドア左側)
コンビランプの張り出しを避ける縁の突起がぁ~!
パッソのレビューでも書いたけど、初代オーリス/ブレイド・2/3代目パッソ・そしてこのポルテ…
先端恐怖症の人には向かなそう?なシリーズ。
・さいごに・
初代を気に入っていただけに、モデルチェンジした時には軟弱にみえて正直ガッカリしたけど、
乗ったら 想像していたよりはずっと良くて 嬉しかった。
機能面では初代譲り。奇をてらった異端児ではなく、使い勝手を練られた実用車なのだ。
こういうクルマがもっと売れてくれたらいいのになぁ。
次はカローラに乗りたいな~!
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★クイズの答え★
「左右のドアミラーの位置」…でした。
右側と左側を比べると、左側は窓枠の先端にあるでしょう?
初代・2代目ともに、位置が左右非対称なのだ。
運転席側を 窓枠先端にしてしまうと、
先端からちょっと後ろにあるヒンジドア枠が邪魔して 死角をつくってしまう。
一方、助手席側を 運転席のように若干後ろにずらすと、
スライドドア枠が邪魔して 同様に死角をつくってしまう。
運転席視点からの死角をつくらないようにした結果が、このオフセット配置というわけ。
(ハイエースの黒素地ミラーも左右非対称で 左側だけニョキッと前に出てるけど、
あれは アンダーミラーも付いてるから その関係かも)
これの副産物として、左側のミラーの安全確認がしやすい!
わずかの視線移動量の違いが、運転中の確認しやすさに
思いのほか影響することを体感できる。(フェンダーミラー車の利点の一つはココ)
逆に 視線移動量が多くて 初めて乗ると面食らうレベルの車種は、
かなり後ろにあるユーノス ロードスターや、
かなり下にあるベンツ初代AクラスやVクラス。