
坂本龍一→クラシック音楽記事からの続きです。
【FM音源について】
FM合成音色/音源
1967年 アメリカ・スタンフォード大学のJohn Chowning教授が開発
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1973年 ヤマハが独占ライセンス契約を結ぶ
特許使用権保有・研究・実用化
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デジタルシンセサイザーの発売
1980年 YAMAHA GS1(260万円) / GS2(100万円) Polyphony:16 プリセット音色のみ
1983年 YAMAHA DX7 248,000円 Polyphony:16 音色作成も可能
(1983~1989の間で20万台以上販売・音色づくりは難しく、プリセットのまま使う人も多いらしい)
https://mag.mysound.jp/post/46
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1980年代~
様々な電子機器へのLSI供給・搭載
業務用ゲーム機、家庭用ゲーム機、パソコン、携帯電話(着メロ)、パチンコ・パチスロなど
FM音源のチップはヤマハが独占供給していた ということは、
もしヤマハ自身が発展させていなかったら、世に残された名曲も
存在しなかったか 有っても違う物になっていたのだろうか?
トヨタ2000GTのヤマハ JZエンジンのヤマハ アスリートVXのヤマハ LF-Aのヤマハ FM音源のヤマハ ソーファミソファミレのヤマハ すごいぞヤマハ。
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1980年代後半 PCM音源シンセサイザーの登場などにより衰退
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1995年 スタンフォード大学の持つ特許が切れ、ヤマハ以外のメーカーからも発売が可能に
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近年 FM音源ならではの良さがまた見直されてもいるとのこと
FM音源から生み出される音は、エレクトリックピアノ音色の評価が高く、
特にDX7搭載のプリセット音は プロ・アマ問わず世界的な支持を得ている。
別メーカーの機種に “DX7のエレクトリックピアノ”音色が入っていたり
サンプリングで取り込まれたりして 未だに使われるらしい。よっぽど良いんだね。
【ビデオゲームにおける音源の変遷】
・ゲーム目線でのコンピューターサウンド・
(あとから付け足す予定のワード)
AC:ヘクシオン、クォース、アフターバーナーAC版とアルバムの違い、SDI
X68000:W.F.イース、スペースハリアーED曲
家庭用機:スーパーアレスタ・ザナック(コンパイル)、カエルの為に鐘は鳴る
・ゲーム機音源の大まかな流れ・
~PSG音源・波形メモリ音源の時代~
この時代の全ての音源をPSGとまとめるのは強引なようだ。
PSG音源:ファミコンなど
ゲーム機の象徴、いわゆるピコピコ音と呼ばれるもの。
初期の初期のテレビゲームには BGMは無くて、
有っても効果音(SE=サウンドエフェクト)だけだった。
ビープ音は音源ではないらしいから、となると PSGが電子音源の始まりか?
PSG音源搭載機でも、効果音だけのゲームはあったと思う。
波形メモリ音源:アーケード機、ファミコン用ディスクシステム(拡張)、PCエンジンなど
後述のFM音源やPCM音源に似た要素もあるらしく、PSGよりリッチな音という印象。
コナミのグラディウスやツインビーも波形メモリかな?
高クオリティな物の提供は、
コストの掛かった業務ゲーム機から始まることが多い。
アーケードゲームから “聴かせる”メロディーが生まれ出したのがこの頃。
1984年、元YMO細野晴臣氏の監修により ナムコのゲーム音楽がアルバム化。
ゲームミュージックジャンルの誕生だ。
「ドルアーガの塔」「パックランド」などなど、懐かしサウンドがいっぱい。
マッピー(1983) 大野木宣幸氏作曲
リブルラブル(1983) 大野木宣幸氏作曲
スーパーマリオブラザーズの発売によって大ブームを巻き起こした
ファミコンも、PSG系音源。同時発音数は実質3声。
こちらも大ブームとなった「ドラゴンクエスト」シリーズは、
たった3声しかない音源の性能を駆使して 見事なまでの音を奏でていた。
ジャレコ「シティコネクション」(1985)は、クラシックをうまくアレンジしてBGMにしていたね。
そのファミコン、追加発売されたディスクシステムを接続すると、
ディスクシステム内に搭載された波形メモリ音源1音が追加され、
ファミコン本体のPSG3声と合わせて 4声に拡張される。
夢が広がる 音も広がる、ディスクシステム。
初代「ゼルダの伝説」の リバーブの効いたBGMを思い出す。
サードパーティーでは コナミががんばっていた。
スポーツもの「エキサイティング」シリーズもGOOD。
サンソフト「メルヘンヴェール」はバロック調BGMが印象的だった。
ディスクシステムはさほど売れずにあまり広まらなかったけど、名曲はたくさんあるよ。
晩年の任天堂昔話シリーズ三部作(日本の昔話/遊遊記/タイムツイスト)なんか、
ゲームで遊んでるっつーのに泣けてくる。
音楽のみならず、内容全体があたたかさで満ちあふれていたよ。
任天堂初期タイトルだと、「パルテナの鏡」なんてどうかな?
https://www.nicovideo.jp/watch/sm7115068
7:45~ 天空界 一つだけ選ぶならこの曲かな〜。
任天堂「メトロイド」(1986)のエンディングらしいエンディングもとてもいいね。
ゲーム自体も、他とは次元が違う秀逸な内容であった。
PSG音源の原理は広くとらえるとPCMらしいから、
サンソフト「デッド・ゾーン」(1986)で
ロボットが「キャリーでぇ~す」って喋ったのも
その要素を活用したものだったのかな。
〜FM音源の時代〜
アーケードゲーム、パソコン、携帯電話など
FM音源については、音楽(楽器や演奏)に接点がなくても、
1980年代後半から90年代にかけて
コンピューターゲームを楽しんでいた人ならご存知かと思う。
アーケードゲーム機でFM音源といえば、まず思い浮かぶのはこのタイトル。
ナムコ「ドラゴンスピリット」(1986) 細江慎治氏作曲
FM音源 YAMAHA YM2151 8声
ゲームミュージック黎明期にはエンターテインメント機としても粒揃いだったナムコだが、
1980年代後半以降は セガやコナミの後塵を拝した印象がある。
もっとも、一要素に過ぎないBGMがインパクトに欠けたからといって、
ゲームとしての良し悪しにダイレクトに反映されるものでは勿論ないのだが。
セガ「ファンタジーゾーン」(1986)
FM音源 YAMAHA YM2151 8声
メロディーがヨキヨキ。
タイトー「レインボーアイランド」(1987)
ベルみたいなキレイな音色なんだよね〜!
オズの魔法使い「OVER THE RAINBOW」…のアレンジだよね? )^o^(
そして、FM音源は家庭用パソコンにも。
Windows機が席巻する前の、長らくNECパソコンが天下だった時代。
坂本龍一「黄土高原」の曲づくりには、NEC PC-9801のソフトも使われたそうだ。
〜FM音源+PCM音源 ハイブリッドの時代〜
FM音源の後に出てきたのが、PCM音源。
サンプリング音源なので、生に近い音が出せる。
アーケードゲームのBGMにも積極的に採用され、
ドラム(パーカッション)・ベース・オーケストラヒットなど、
サンプリング音色がふんだんに使われるようになった。
今で言うところのハイブリッドですな。
検便採取が個々の事情により困難だからと 代わりに飼い犬のを出したら、結果が出た時に大騒ぎになる。
ならば足して混ぜて提出、それもハイブリッドと言えましょう。
家庭用ゲーム機では、メガドライブ(セガ)が
6音中1音をPCMとして使えるFM音源を搭載。
セガは コンポーザーの技術力が高く、AC版「SDI」「ダンクショット」など
FM音源時代からドラム音の表現には既にこだわりを感じていたが、
メガドライブの「ファンタシースター2」は 念願?のPCMドラム。
音の歯切れも良くて、コンシューマー機としては感心させられるサウンドだった。
セガのフリークによれば、このドラムはうるさくて仕方ない音のようだ。
しかし 自分は任天堂派で、友人にハードごと借りて
唯一最後まで遊んだセガのRPGタイトルがこれなので、
ファミコンからは聴こえてこない音の心地良さにひたったのだった。
セガ「ファンタシースター2」(1989) 上保徳彦氏作曲
FM音源6声 YM2612(MD初期型のみ) or YM3438(CMOS) ※FM6声のうちPCM1声
06:22~ Pressure (セントラルタワー)
12:04〜 StepUp (データメモリー)
が、自分のお気に入り曲。
たしかに これでもか!な破裂音ドラムはうるさいっちゃーうるさいかもね^^;
・アーケードゲーム・
褒め言葉だが、この頃のアーケードゲームのBGMは無駄に贅沢。力の入れ方が豪華すぎ。
だって、ゲームセンターに行くと あちこちのゲームの音だらけだから、聴こえない。
友達と行くと、会話も「あのさ!◯◯がさー!」「え?なにー!?」みたいになる。
でもって、プレイの最中にはBGMに効果音が混じるから、ますます聴こえない。
あと 当時のゲーセンは、「何見てんだオラ!」と
いつ絡まれるかわからない緊張感もありましたね、ええ。
だから、BGMをじっくり味わえるような環境ではない^^;
そして一番大きな問題は…
レベルを上げれば強くなれる家庭用機のロールプレイングゲームと違って、
上手じゃないと 先のステージの曲は永遠に聴けないのだ。
難易度低かったら ワンコインでずーっと遊ばれちゃって 商売にならないもんね。
ゲームミュージックのアルバムを購入して家で聴くというスタイルが確立した背景には、
そんな事情も多少はあったのではないかな?
SEGA
セガ「ギャラクシーフォース2」(1988)
FM音源 YAMAHA YM2151 8声 + PCM音源 12声
スペースハリアー、アウトラン、アフターバーナー…
体感ゲームと呼ばれて当時流行った、可動式筐体で遊ぶゲーム。
BGMの方も、どれも外せないほどの名曲揃い。
体感ゲームは、フジテレビの深夜番組JOCXTV2でも紹介された。
ゲーム好き落語家の林家なんとか平が 興奮してはしゃぎすぎて、
プレイ中にミスしたらゲームに向かってバカヤローコノヤローとキレて、
セガのスタッフ二人は引きつった顔で立ち尽くしていた。
うち一人は竹中直人に少し似ていた記憶がある。
さて、このギャラクシーフォースは、アフターバーナーが流行った後。
1プレイ300円もしたらしいから、たぶんやったことない。
それ以前に このゲーム自体の記憶が残ってない。
筐体が高価で、どこにでも置いてなかったからかもしれない。
筐体にヘッドホンをつないでプレイ中にBGMを聴けたらしいが、
そこまでするのがわかるぐらいのハイクオリティさだ。
シーンセレクトからの…
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プレイ本編へつながる流れがスゲーかっこいい。(アルバムだとつながってるのよ)
BEYOND THE GALAXY 並木晃一氏作曲
FM音源のメロディーと、PCM音源のベース&ドラム。
PCMが12声もあるから、つちーつちーちっちっちっ(ハイハット?) とか
いろんな音を取り込んでいるんだろう。
オレの持ってたパソコンX68000のPCM1声じゃ足りない。
ユーザーの要望に応えて移植してくれたとしても、ショボくなる。仕方ないっす。
ギャラクシーフォース2のBGMは フジテレビのプロ野球中継の予告CMで使われた。
ほんの数秒程度の使用だっただけに、(セガには許可とってあるのかな?)と気になった記憶がある。
セガ「サンダーブレード」 (1987)
FM音源 YAMAHA YM2151 8声 + PCM音源 12声
これも可動型筐体のゲームだったかな。
ギャラクシーフォースと並ぶ、2大ベース曲。
TYPE2 並木晃一氏作曲
1:50〜と4:40〜あたりでベースソロ。これもきっとPCMだね。
よく聴くと FM音源ちゃんがベースを担当している部分もあるような。
そうだとしたら、PCM音との違いが比較できる。
KONAMI
当時、セガと並ぶゲームミュージックの雄だった コナミ。
ノリと勢いでスカしてたセガ、音が濃くてメロディアスなコナミ、
どちらにもファンは多かったはず。
「A-JAX」は、従来型固定筐体で遊ぶゲーム。
これや セガ「アフターバーナー」で操るF-14トムキャットとおぼしき機体は、
前年公開映画「トップガン」人気の反映かな。
コナミ「A-JAX」(1987)
FM音源 YAMAHA YM2151 8声 + PCM音源
07:43〜 GRAND BATTLE 2D STAGE4
https://www.youtube.com/watch?v=o0xIYmz4nKM&t=463s
PCMサンプリングによるオケヒットが入っている。
17:44〜 RANKING
https://www.youtube.com/watch?v=o0xIYmz4nKM&t=1064s
スコア上位ランキングに入りイニシャル3文字を打ち込む時に流れる曲。
説明しなくてもわかるって? ごめんよ、世話焼きとおせっかいって紙一重なんだ。
A-JAXは、難易度の高かったゲーム。
ゆえに、ゲームセンターに行っても 一番好きだったこの曲は聴けないTT
コナミの曲は、ふぅぅ~ さぁぁ~ みたいなボイス音色が
コーラスとしてよく使われている。
A-JAXのそれは女性系高音、グラディウス3なんかは男性系中音に聴こえるなぁ(^。^)
「グラディウス3」では、そのコーラスが大活躍。
コナミ「グラディウス3」
FM音源 YAMAHA YM2151 8声 + PCM音源
前作グラディウス2に比べて 飛躍的に音楽らしい音楽になった。
https://www.youtube.com/watch?v=VS8AlVYUqlc&t=140s
イイね その1
https://www.youtube.com/watch?v=VS8AlVYUqlc&t=287s
イイね その2
https://www.youtube.com/watch?v=VS8AlVYUqlc&t=483s
イイね その3
作曲者が複数のようなので 担当曲がどれかはわからないんだけど、
その一人である東野美紀さんは ため息が出そうなぐらい美しい女性コンポーザーさん。
コナミ「出たな!!ツインビー」
FM音源 YAMAHA YM2151 8声 + PCM音源
どれと選べないぐらい、全曲に渡って素晴らしい。
07:28~ St.4「ワールド・オブ・ザ・モールド」なんかは特にいいねぇ。
コナミのシューティングゲーム「パロディウスだ!」のサンプリングヴォイスは、
クイズ番組とかで今でもよく使われている。「わぁ~ぉ」
曲自体の完成度と 音源に合わせてプログラムに落とし込む技巧、
コアなファンはその両方にシビれてたわけだが、
セガやコナミのミュージックアルバムには
ゲームの世界から飛び出した 全曲オリジナルの物もある。
フュージョンジャンルの一アーティストとして曲を聴いても完成度は高い。
セガ:S.S.T.BAND(1988〜)「ブラインドスポット」
コナミ:矩形波倶楽部 (古川もとあき氏)
・その他・
タイトー「サイバリオン」(1988)
サンプリングボイスがタイトル名を喋るところと、
メロディーの合間の チコだかツカだか(言葉でうまく表現できない^^;)
パーカッション系の音が、なかなかスカしてたねぇ。
【すごいパソコン、SHARP X68000】
アーケードゲームのタイトルがコンシューマー機へ移殖されると、
表現の難しいドラムの音などは どうしてもショボくなってしまう。
FM音源だけだと、メロディーはいけてもパンチに欠けるんだよ。
1987年、シャープから 革新的なパソコン「X68000」が登場。
X1シリーズから大きくスペックアップして発売されたX68000は、
サウンドにも抜かりはなく FM8声+ADPCM1声の音源を引っさげていた。
当時から判官びいきだった自分は、ビジネス用途では鉄板だったNECを選ばずに、
X68000のブラックの初代機を購入した。
X68000の名は、業務用ゲームにも使われていた68000系CPUに端を発する。
似た制御ならばゲームタイトルが移植されやすいかも、という期待もあった。
(ゲームは ソフト会社側が機種に対応して発売するかどうかが命で、
判官びいきもほどほどにしないと 悔しい思いをすることが多い。
百均に置いてあるスマホケースがiPhone用しかないのと一緒。
スマホは統一OSで互換性があるから 裸族でもゲームはできるけどね。
パソコンはゲーム専用機ではないので、発売される保証など無いのだ。)
FM音源のみだったところにPCM音源が加わることで、
“らしい”ドラムの音も出せるようになり、表現の幅が広がった。
「X68000のテーマ」
これは、購入時から入っているデモ音楽。
本体にだったか、フロッピーにだったかは 忘れた。
この曲にはPCM音源は使われてない。
これを聴くために40万円近いマシンを手に入れる贅沢。
持ち歩く物ではないから、クルマほどは自慢できないがね。
BGMにPCM音源を使わないゲームの中では、
リバーヒルソフトのアドベンチャーゲーム(推理・探偵系)をまず挙げたい。
「J.B.ハロルド」シリーズ、はけっこう有名。アルバムも発売された。
同社の和物系「琥珀色の遺言」と「黄金の羅針盤」は、知名度は高くないが、
音楽のみならず 卓越したゲームデザインのセンスを評価されて然るべき名作だ。
他には、
「スタークルーザー」(アルシスソフト) ポリゴン表現のアクションゲーム
「38万キロの虚空」(システムサコム) アルバムにはプレミアがついた
など。
X68000のテーマを、ファミコン音源の音で再現してる人がいた!
・X68000のFM+PCMサウンド・
FM8声+PCM1声の音源搭載を誇るX68000であっても、
性能をフルに引き出したゲームサウンドはそう多くはない。
ゲームミュージックを語るうえで外せないのが、X68000版ボスコニアン。
当時既に“懐かしの”と表現される部類のクラシックなアーケードゲーム、
ナムコ「ボスコニアン」の移植版だ。
移植を手掛けたのは、みんな知ってたみんな買ってた?マイコンBASICマガジン(ベーマガ)の電波新聞社。
オリジナル版は、SEのみで BGMは無い。
そう、このゲームで流れるサウンドは、
X68000版のために書き下ろされた完全オリジナルなのだ!
X68k+古代祐三、最強タッグが生む驚愕のサウンドを体感せよ!
(当時のゲーム誌風に言ってみたつもり)
『ボスコニアン』ナムコ/電波新聞社 古代祐三作曲
FM音源 YAMAHA YM2151 8声 + ADPCM音源 1声
貴重なPCM1声は このゲームではドラム音に割り当てられ、ベース音などはFM音源が担当。
自分が好きなのは、3:58〜の曲。
ベース音までPCMサンプリングで表現する(先に紹介した)ギャラクシーフォース2のようにはいかないが、
カッコ良さでは 勝るとも劣らないぞ。
X68000初代の登場からはけっこう経ってからだったかなぁ、
コナミ直々の移植作「悪魔城ドラキュラ」では
オリジナル要素が加えられ(BGMはほとんどオリジナルだっけ?)、
KONAMIならではの高次元サウンドがX68000上に炸裂。
アルバムでは、X68000音源版とMIDI音源版を聴き比べることができた。
あとコナミはね、「生中継68」っていうオリジナルの野球ゲームもつくってくれたんだ。
野球ゲームはコンシューマー機(ゲーム専用機)で既に熟成の域にあったから
内容自体には触れずにおくが、最初の読み込み(ロード)中に流れるBGMが
録音しちまったぐらい 無駄にイイんだよ^^; さすが、コナ〜ミだよ。
PCM音源の話に戻ります。
パーカッションやベース以外の音色だと、アコースティックピアノの音。
これもPCM音源の得意分野なのでは?
X68000のPCMだったら、同時にドラムが鳴ってたら
違うって判別できるんだよ、PCMあるといっても 1声だけだから。
「ポリスノーツ」でも相変わらずの質の高さを感じさせた、コナミ。
「GIRLS」「INOSSENT WHITE」…。
そして、「LAVENDER」という ピアノの音色とメロディがとても美しい曲がある。ビューティフル。
いや待てよ? これは 3DOREAL(Panasonic)という
CD-ROMゲーム機で遊んだものだったから… CDからの音だったかも。
https://www.nicovideo.jp/watch/nm10331952
上のリンクのは、一巡目がピアノじゃなくてギターだから、
別アルバムに収録されていたアレンジバージョンかなあ。
本物のアコースティックピアノの音…に近いけど、PCMかな。
どちらにしても、X68000からはこの音は出てこない。
音源の種類とは別に、容量制限などの差もあると思うが、
コンシューマー機と業務機とでは
同じ音源チップ搭載であっても 音の厚みがかなり違ったように思う。
性能の壁・コストの壁があったんじゃないかな。
PCMの音色ひとつとっても、サンプリングレートを高くすれば
音質は良くなるけど メモリを食ってしまう。
CDの曲を圧縮変換する時に、MP3ファイル128Mbpsにするのと WAVEファイルにするのと、
ビットレートとかの違いで 音質に比例してファイルも肥大化すると似たようなもんかね。
MyパソコンX68000のメインメモリーは たしか1メガだった。ギガじゃなくて。
で、1メガ増やそうとすると 拡張メモリボードが何万円もしたんよ。ギガじゃなくて。
高かったけど 買ってきてボード挿した記憶がある。
何のためって、そりゃ 2メガないと動かない仕様のゲームを遊ぶためよ^^;
サンプリングレート、ビットレート、圧縮率、メモリ容量。
CDとMP3、AMラジオとFMラジオ。
説明するの難しくなってくるとワードの羅列で逃げるわたくし。
ん? X68000を売ってくれ? できたらタダで?
にーちゃん、タダで遊べるうまい話なんてねーぜ。
夜の街でぼったくられた時にそう言われた経験はないのか、君は。
会計で既にガックリきているところに浴びせられるあのセリフ、
KOくらって倒れてるのにさらに殴られるようなもんだよな。ぴえん。
で、ロクハチの話だが、中途半端に古い物ってポンコツ扱いしちゃうんだ。
その我慢期を乗り越えると一気にコレクターズアイテムに変身するんだがな。
リサイクル業者の無料回収の対象に ブラウン管モニターやパソコン本体が
まだ入っていた時代だったかな、出しちまったんだよ。
怒ってもいいぞ。叩いてもいいぞ。痛っ! ぶって!もっと強く!
X68000本体か モニターか どちらかだけのドナドナだったと記憶しているが、
本体の方を出しちゃってる可能性が高い。
なぜかといえば、ロクハチのモニターはTVチューナー内蔵だったからだよ。
PCで観られるベタッとした画質のテレビじゃなくて、テレビそのものな。15型。
我が家の倉庫から消えているのはどちらか、怖くて見に行けない。
まぁ 今はエミュレーターで擬似体験できる時代だから、
どちらが消えていても そうガッカリすることもないか。
その後、コンセプトとしては近い ソニー VAIO PCV-R62TV7を
まーた40万近く出して買ったのが2000年。インターネットの世界へ。
10年以上先をいってたな、X68000は。
あ ごめん、購入特典のツタンカーメンのカード電卓も処分してたわ。
断捨離ってやつは、時にマイナスをもたらすんだ。
〜PCM音源の時代〜
スーパーファミコンは、FM音源を飛び越えちゃった。8声のフルPCM音源。
びっくりしたなぁもう!ってぐらい、一気に進化。狂喜乱舞。
前述のアーケードゲーム「A-JAX」に用いられたようなボイスサプリング音色や
画面の拡大縮小回転機能が コンシューマー機にまで下りてきたわけだ。
「パイロットウイングス」では そのどちらもが早速活用されていたね。
(拡大縮小回転機能をハードに持たないX68000の「A-JAX」移殖版は、ソフトで表現していた)
PCM8声からリッチサウンドを期待したが、性能やメモリ容量の壁か、
豪華さを感じることは少なかったな。
タケカワユキヒデ氏が作曲を手掛けた「ソウルブレイダー」など、
記憶に残っているサウンドはたくさんある。
アーケードゲームにおいては、
ボイスやコーラスからさらに進化して、ボーカルを前面に押し出したBGMも登場。
セガ「デイトナUSA」(1994) 光吉猛修氏作曲
YMF292 PCM32声?
(FMとPCM両方の音を出せるモジュールなので、正確なデータは未確認)
声の主は、この曲を作った セガのプログラマー光吉猛修氏自身。
歌がとても上手な人なので、このゲームの曲に関しては
アルバムのアレンジバージョンのほうが(さらに)良かった気がする。
サンプリング音色から飛び出した光吉氏が生で歌い上げてるんだもの^^;
制作現場では相変わらずメモリ容量とのたたかいだったようだけど、
このあたり1990年代前半には もう、来るところまで来た感があったなー。
音が煌びやかというか、「ギャラクシーフォース2」の頃と比べると
全体的な音の厚みが増しているよねぇ。だからといって、
前世代のゲームサウンドが色褪せるわけじゃないのがまた面白いところ。
・PCM 余談・
PCMについちゃ、ちょっとオレはうるさいよ。(常にうるさい? そうですね…。)
昔ね、どこかのこましゃくれたガキが セイコーのメモリレコーダー腕時計を買ったんです。
ジウジアーロデザインのスピードマスターの購入資金を
直前になってそちらに回して浮気したぐらいだから、
少なくとも カシオの占い電卓よりは高価だった。
浮気相手だから長くは続かず、どっかに置き忘れて紛失。ひでぇガキだな。
オリンパスとかの 現代のICレコーダーって、
内蔵メモリーだけで何時間も録音できるでしょう?
そのセイコーのはねぇ、2種類の録音モードがあってねぇ、
高音質モードだと4時間。長時間モードだと8時間。すごいよねぇ。
んなわけねーだろ。秒だよ、秒。4秒と8秒。
関係ないけど、ラジコンの送信機にも松竹梅があって、
入門はAM方式、上級者はFM方式を使い、PCM方式も存在した。
電波混信しにくい点で有利だったんだったかな、
正確な送受信は 全日本選手権で優勝するには必須条件だから、
オレはFMかPCMオンリーよ。多忙で予選にも出たことないんだけどね。
倒置法の乱用もほどほどにしとけよ。
そんなことから、PCMという言葉にはリッチな響きがあった。
パルスコードモジュレーション?の言葉の略、までは知ってる。
原理や仕組みは理解できていない。理解しようとする努力もしていない。
いいじゃないか、人間だもの。
〜生音の時代〜
その後、家庭用ゲーム機のROMカートリッジや
パソコンのフロッピーディスクよりも、
桁違いに大容量な記憶媒体CD-ROMが登場。
その時期のファミコンROMカートリッジソフトは、
◯メガROM搭載!みたいに 大容量=内容も濃いかのように宣伝していた。
実際には それが相関関係になり得ないのは周知の事実で、
1万円を超えるまでになっていた異常な価格設定の言い逃れにしか聞こえなかった。
カートリッジタイプを1メガ、CD-ROMを500メガとすれば、
単純計算で容量は500倍。製造はプレスするだけでコストもそうかからず、
半導体不足にもならないから、安価に供給できるという触れ込みだった。
ゲーム機では PCエンジンの拡張機器ロムロム、パソコンでは 富士通FM-TOWNSに搭載。
しかし、混沌とするゲーム業界を皮肉ったラップ曲も生まれた。
「円盤ラプソディ」DJうぶちゃ(2020)
開発費かさむし 理由付けするし むしろ上がる元になるだろし
せーぶできねっし コピーできねっし(コラコラ) ふなっし最近出演なっし
そんな世界は子供にきびし 冷ややかなまなざし送るわたくし
作詞はわたくしです。無断転載・二次利用をかたく禁じます。
冷ややかなまなざし送るわたくし、ここけっこうよくね?
値段の話は別にして、実物に触れる前から 期待とともに嫌な予感があった。
有り余るキャパシティーを使いきれないことからくる、やっつけ・もてあまし。
制約から解き放たれたゆえの苦難。クリエイターの技量がより問われる。
ハイブリッドでの音源利用も、チープな従来音源と調和させるのは難しい作業かと。
ハイスペックな音源が併せて搭載されるハードもあったにせよ、
売る側は 演奏した曲そのまま入れて流す、
遊ぶ側は 本物の音楽みたいにリアルととらえる、
そんな風潮を一時期感じて、白けてしまった。
ゲームソフトは、選りすぐられた良作ばかりではない。
儲けに目が眩んだ三流サードパーティーから乱発される
くそまみれ もとい くそげーまみれの中の宝石探しみたいなもの。
楽しめる内容かどうかじっくり比べて試せる類の物ではなく、
しかも お小遣いで子供が買えるのは 間隔を空けても1本2本がやっと。
ハズレを引こうものなら 大金が消えてくそだけが残り、目も当てられない。
汚物生産メーカーに恨みを抱く少年も少なからず居たことだろう。
クーソー(空想)は頭の肥やしです、と糸井重里氏が言葉をかけても
作り笑いも返せないほどのダメージをその子は受けている。
PCエンジン+CDロムロムのローンチタイトル「天外魔境」(1989)には、
坂本龍一氏が提供した曲がまるっとおさめられていたようだけど…
ゲーム内容は憶えていないので 曲がうまく活かされていたかは知らない。
ツウな人が批評する際に、“ゲームバランス"という表現がよく使われた。
ゲームソフトにディスクメディアが使用されると、
瞬時にプログラムの読み込みがされるカートリッジに比べて
アクセス速度で劣るため、どうしても“待たされる時間”が生まれてしまう。
その時間を うまく間として利用できればまだ良いが、
多くは ゲームへの没入感を阻害する存在としてとらえられた。
・“いい音”と“合う音”の違い・
ドラクエのBGMが楽団の生演奏ならより楽しめるのかというと、それは違う。
また、MIDI対応だからといっても 必ずしも元の音源より良い訳ではなく、
むしろのっぺりした音色で ゲームの雰囲気からは浮いてしまうこともある。
プリセット音色は、そのゲームのためにチューニングされた音色じゃないから。
ゲームミュージックアルバムのアレンジバージョンは、
有名アーティストが手掛けても逆に低評価だったりするのは珍しいことではなかった。
世界観に合わせて練られた原曲の、チープ しかし繊細なテイストをぶち壊してしまうから。
ドラクエのオーケストラアルバム、MOTHERのボーカル入りアレンジ、
あそこまで昇華させれば ゲームを思い浮かべながらもまた別の物として楽しめる。
元メーカー自身による移植タイトルのMIDI対応BGMや、
コンポーザー自身によるアレンジ曲であれば、ガッカリせずに済むかもしれない。
先に紹介したギャラクシーフォース2の曲のアレンジバージョンなんかはそれ。
何らかの縛りがあった方が、立ち向かうパワーが生まれて
良い結果に至ることは往々にしてある。
資源は潤沢になくとも 環境が整っていなくとも
与えられた素材の持ち味を最大限に活かして料理するという。これよ。
君作る人、僕食べる人。(←批判を受けた昔のCMのセリフ)
〜あとは知らない時代〜
インターネットに触れる以前の1990年代後半に、
スーパーファミコンの「XBAND」でオンライン対戦を楽しんだ。
XBANDは 通信に電話回線を利用するシステムで、
対応ソフトは ストリートファイター2(格闘)、スーパーファミスタ(野球)、ぷよぷよ(パズル)、オセロワールドなど。
(自分はファミスタをやり込んだ。ファミスタオンライン対戦は、
のちにインターネット上でもハンゲームにより一時期復した。)
渋谷ClubAsiaを会場にしたメーカー主催オフ会にも参加した。
そんなこんなで一人ゲーへの関心が薄れ、任天堂機の勢いが弱まり
ソニー プレイステーションがメインストリームになって さらに気持ちが離れた。
なので、それ以降の家庭用ゲーム機の音源や曲はあまり知らないのだ。
近年の電子音楽には、ソフトウェア音源というものが出てきているらしい。
音源専用のチップが無くても ソフトで操れば同等の音を出せるということか?
そういや、iPhoneなんか 着信音選びしてるとどんな音でも出てくる印象だけど、
音源はどんな構成になってるんだろうなぁ。
続きます、次が最後。