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2021年04月04日

試乗 トヨタ MIRAIミライG“Aパッケージ” (JPD20) ☆クラウン3.5ハイブリッドと乗り比べ

試乗 トヨタ MIRAIミライG“Aパッケージ” (JPD20) ☆クラウン3.5ハイブリッドと乗り比べ ☆2代目MIRAIvsクラウンハイブリッド3.5V6乗り比べ☆
その1 MIRAI


MIRAI。
自分にとっては、ある意味 最高のクルマだった。
ミライに未来を見た。(長くなるのでその話は最後で…)

そういや、ミライトワとソメイティはどこ行った?
東京オリンピックより、そっちが心配。

その2 クラウン:https://minkara.carview.co.jp/userid/1680537/blog/45052051/


【MIRAIについて】
量産型としてはトヨタ初の燃料電池電気自動車。
初代 JPD10 (2014.11~2020.11):新MCプラットフォームの前輪駆動車
2代目 JPD20 (2020.12~):GA-Lプラットフォームの後輪駆動車

~燃料電池自動車とは~
FCV…FuelCellVehicle 燃料電池自動車

FCスタック 水素 と 空気(酸素) を化学反応させる

電気と水を生成

電気はモーターへ → 後輪を駆動
水は捨てちゃう

・MIRAIのエネルギー源・
[FCスタック]…エンジンルームに搭載される
[駆動用バッテリー]…リアオーバーハング部に搭載される
2種類の電池がタッグを組むから…これも一種のハイブリッド?

・MIRAIのパワーソース・
発進時:駆動用バッテリー
巡航時:FCスタック
加速時:FCスタック+駆動バッテリーのタッグ
減速時:回生エネルギーで駆動用バッテリーを充電


MIRAI G “A Package” 7350000円
ZBA-JPD20
全長4975mm×全幅1885mm×全高1470mm ホイールベース2920mm
最小回転半径5.8m
車重1920kg
2WD FR
外装色:プレシャスブラックパール<219> (opt. 55,000円)
アストンのグリルっぽい?

GA-Lプラットフォーム
サスペンション F/R:マルチリンク
ブレーキ F/R:ベンチレーテッドディスク
発売日:2020年12月9日

【グレードと価格】
Z “ExclusivePackage”  8,050,000円
Z            7,900,000円
G “ExclusivePackage”  7,550,000円
G “A Package”      7,350,000円
G            7,100,000円

【グレード別装備など】
<Z “ExclusivePackage”、Zのみ>
・アクティブサウンドコントロール
・パノラマルーフ(オプション)
・アダプティブハイビーム(Gはオートマチックハイビーム)
・2眼タイプLEDヘッドランプ(Gは1眼LED)
・カラーヘッドアップディスプレイ
・カードキー
・本革シート(Gは合成皮革)

<G>(最廉価) ※装備の無いもの
・パーキングサポート(後方歩行者)
・トヨタチームメイト/アドバンストパーク(自動駐車)
・パノラミックビューモニター
・デジタルインナーミラー
・カメラ洗浄機能
・快適温熱シート 前席あり後席左右席なし(G“A”も同様)
・シートベンチレーション(G“A”は前席あり後席左右席なし)

<Z “ExclusivePackage”、G “ExclusivePackage”のみ>
・イージークローザー…リヤドア、ラゲージドア
 (Z標準グレードはラゲージドアのみ)
・電動式リヤサンシェード&手動式リヤドアサンシェード
・助手席肩口パワーシート



1眼タイプのバイビームLEDヘッドランプ (Zグレードは2眼)
LED車幅灯とDRLは全グレード標準。
薄いおめめのチェロキーっぽい?


“流れない”フロントウインカー


スープラのテールっぽい?


“流れない”リアウインカー

この猫背ファストバックスタイルは嫌いじゃない。
あの美しい AUDI 初代A7スポーツバックに通じるものが(少し)ある。
後ろ顔が怒ってないところがまたいいのよ。
どちらかというと2代目A7似かな。


逆スラントしているコンビネーションランプ



ランボルギーニ・ミウラがモチーフだと後でしり 深く納得した、初代A7/S7のおしり(だじゃれではない)

↓ミウラP400S




あ?


あぁあ!?



あああ~~!
さては、オレが 2018年に投稿した
赤のA7の写真をきっかけにしたな〜!?
2018.11.10のクルマネタ:https://minkara.carview.co.jp/userid/1680537/blog/42167908/
めちゃ写真多いです、A7/S7は後半。


東京都大田区羽田から神奈川県川崎市へ向かう「大師橋」。
カタログの方は、CGでかなり加工してるねー。

すぐにピンと来て、(まさかなぁ)と思って
ストリートビューで確認したら、全く同じ場所だった。
同じなのは場所だけで、構図や見映えは似ても似つかない。
だから たまたまかもしれないけど、
似てる事を書いて この場所で撮った写真を再掲して
その後にカタログめくったら、
A7がMIRAIに変わって載ってるんだもの、驚いたよ。


リアが丸ごと開く みつばちハッチなA7とは違い、
こう見えても MIRAIはトランクが独立した「セダン」。
(開いた写真は あとのほうで掲載)

<トヨタ E~Fセグメント 諸元比較> (グレードは抜粋)
全長全幅全高 / 最小回転半径 / ホイールベース / 車重
MIRAI初代 JPD10:4890×1815×1535mm 2780mm 5.7m 1850kg
MIRAI JPD20:4975×1885×1470mm 2920mm 5.8m 1920kg ※今回試乗
クラウン GWS224:4910×1800×1455mm 2910mm 5.3m 1870kg ※同日試乗
セルシオ UCF30:5015×1830×1490mm 2925mm 5.3m 1830kg
LEXUS LS先代 UVF45:5090×1875×1465mm 2970mm 5.8m 2280kg
LEXUS LS現行 GVF50:5235×1900×1450mm 2925mm 5.6m 2260kg
センチュリー先代 GZG50:5270×1890×1475mm 3025mm 5.7m 2070kg
センチュリー現行 UWG60:5335×1930×1505mm 3090mm 5.9m 2370kg

2代目MIRAIは、
全幅は 先代センチュリーや現行レクサスLSに迫る1885mm。
最小回転半径は 先代センチュリー超えの5.8m、
FR車としては大きめ。
逆に言えば、センチュリーや50LSの数値が優秀。

初代MIRAIは Dセグメントあたりの車格と思ってたけど、
外寸は意外に大きかったんだなぁ。




上:MIRAI
下:CROWN
出典:トヨタ自動車(株)
シックスライトのウィンドウグラフィックが似ている。
両車ともに、後席ドア窓にはディビジョンバー(仕切り)がある。
6ライトでこれをやると、縦線だらけでゴチャゴチャしてカッコ悪い。
でも 変にカッコつけると、後席窓を全開まで下げられなくなる。
全開にできるMIRAIをオレは支持するね。(クラウンも全開いけそう)

MIRAIとクラウン、窓だけじゃなくて フォルム全体もそっくりに見えたので、
この写真を目にした時から 実車に触れるまで
“MIRAIのボディはクラウン流用”と勝手に思い込んでいた。
あとで内装紹介で書くが、今回 後席に座った時にけっこうな違いを感じて「?」となった。
あらためてじっくり見ると、MIRAIのほうが Aピラー/Cピラーの傾斜が強く
トランクの平坦部分が少ない。運転席位置も後退気味。(ボンネットはクラウンより平坦)
現行50系プリウスにも少し感じる、低重心のスポーツカー的パッケージングかな。
対するクラウンは、居住空間が大きくとられ、正統派FRセダンらしさが伝わるパッケージング。
MIRAI専用のパワートレーン + あらたにおこしたボディ…
生産台数は多くないだろうから、700~800万なら安いんじゃないか?
少なくとも、そこらへんのクルマから感じる割高感はない。簡単には買えないけど^^;

【内装 インパネまわり・スイッチ類】

本革ステアリングホイール と メーターまわり
メーター真ん中の 燃費表示部分は、AVソース表示などにも切替できる。
右レバーのディマースイッチ(前照灯SW)は、もはや基準となりつつある AUTO位置デフォルト。

トリップメーター(いちおう気を遣って AじゃなくてB)をリセットして、
燃費計測をさせてもらった。
MIRAIの燃費表示は、“リッターあたり”じゃない。“キログラムあたり”だ。


メーター表示燃費:55km/kg
MIRAI JPD20 水素有効搭載量:5.6kg
推定航続距離:5.6×55=308km

電池だから、暖機とかは関係ない…よな?
アクセル踏み込んで楽しんじゃったからな、これじゃ東京~名古屋間もあやしいな…。
将来 愛車にしたあかつきには、“リッター100”…
じゃなかった、“キログラム100”を目指そうっと。


12.3インチワイドTFTモニター
ディスプレイオーディオになってからの地図画面解像度は、
MIRAIやクラウンのクラスであっても高くない。一寸残念。
レクサスLSも12.3インチなんだよなぁ、同じなのかなぁ…。
モニター下部に、ナビオーディオ操作の物理スイッチあり。合格っ!


ナビ画面とエアコン操作画面の表示位置は、左右入れ替え可能


シフトチェンジレバーは、プリウスなどと同じ スイッチ式


エアコン操作スイッチを液晶モニター部に集約させず、
独立した物理スイッチも配置しているのは大歓迎。(初代はタッチパネル)
各ボタンのサイズがほぼ同一で 凹凸もないあたりは デザイン優先と見受けるが、
手動調整も併用する自分にとって 物理スイッチがあるとないとでは雲泥の差。


扱いやすそうな、運転席ドア部のスイッチ類
アウターミラー調整・ドアロック/アンロック・パワーウィンドウ


★インプレッション★
現行220系クラウンのディテールをいじったような外観から
同車の派生車種的な印象を持っていたが、
試乗を終えても それは変わらなかった。
昨年の一部改良で存在感を高めた 現行クラウン。
堂々たる体躯となった 2代目MIRAI。
両車は、クラスに見合った上質感を 静的にも動的にも備えている。

クラウンと異なるのは、言うまでもなく パワートレーン。
FCスタック(燃料電池スタック)で発電し、
そこに 駆動用バッテリーのアシストも加わって、
両者からのエネルギーを受けたモーターが 後輪の駆動を担う。
日産e-powerや ホンダi-MMDに近い構成…と言ったら強引かな?

以前に試乗した日産セレナe-powerを例に取ると、
搭載するガソリンエンジンを 駆動用ではなく発電用に使う点が新しい。
発電機は 従来の駆動用エンジンからの流用。
駆動用であれ発電用であれ、セレナから
マーチの1.2L3気筒の音がきこえてくることには変わりがない。
違うとすれば、アクセルの踏み込みに 抑揚がリンクしない事ぐらいだ。
そんなわけで、モーター駆動ではあっても、
ガソリンエンジン“駆動”車に乗っているような感覚がある。
一方、MIRAIは発電機も静かだから、他の電気自動車と同じような感覚だ。

私が運転を経験した電気自動車は、今までに2台。
仕事で走らせた、1996年(平成8年)9月1日発売の トヨタ「RAV4L EV」。
レンタカーで川崎⇔宮ヶ瀬ダム間を走った、日産「e-NV200」(バン)。
どちらも、コンベンショナルな従来車のみならず
ハイブリッド車にもない、EVならではの持ち味を体感できた。

MIRAIは、それら2車よりも 遮音性に優れていた。
自らが出す音も小さければ、外から入り込んでくる音も少ない。
遮音性が低いと、走行時にも静止時にも 外音はダイレクトに侵入してくる。

クルマは、エンジン音がしなければ静かになるわけではなく、
しなければしないで、インバータ制御音、メカ音、タイヤ音、風切り音…
別のいろんな音が オレがオレがと主張し始める。
信号待ちでアイドリングストップすれば、街の喧騒が耳につき出す。
自然豊かな土地であれば、虫の音がよく聴こえることだろう。

人間の身体で言えば、
すごい頭痛に苦しんでいる時に 少しの腹痛もあるような状況。
頭痛が無ければどれだけ楽になることかと思いそうなものだが、
実際は 頭痛がすっきり消えたとたん
脇役だった少しの腹痛が主役になって 少しに思えなくなる。

MIRAIは 全てをひっくるめて静かなので、とても快適だ。

静かさ静けさのベンチマークたる、先代50系センチュリー。
12気筒エンジンが目の前で動いていることが信じられないような
凄いクルマだが、MIRAIには それを彷彿とさせる静けさがある。

■各種フィーリング■
・取り回し
これだけの大柄で 最小回転半径も5.8mだ、
ターニングサークルの大きさを感じないと言ったら嘘になる。
それ以外は、外寸を意識させられずに運転ができた。
グラスエリアが広くとられているおかげで、全体的な視界も良好。

・ステアリングフィール
電動パワステのフィールは、
据え切り・交差点右左折等の低速域で いくらか人工的な感触があるものの、
不快に感じるシーンは殆どない。

よくできた油圧パワステには未だかなわない印象だが、
低燃費に寄与しているのだから トレードオフと考えれば気も収まる。
ゼロクラウン(180系・2003年)の時代から考えたら、良くなったものだと思う。
電動パワステ黎明期だった当時にも、
小型車には 120系カローラ(2000年)など好感触のものも存在したから、
高級車に相応しいフィーリングをつくり出すのが難しかったのかな。
( “走り込めば良くなる”という開発陣の主張はやや苦しかった…
“走り込まないうちは良くない”と同義に近いし、
実際のところは 走り込んだ個体は更にルーズになっていたし…。)

・乗り心地
四輪マルチリンクの脚は、適度に引き締まっている。
高品質なダンパーを使用しているのだろうか、
19インチタイヤのコツコツ感を巧みに抑えていた。
TNGAとなってからの脚の上質さは、MIRAIにも確実に在る。

・パワーフィール
発進加速や中間加速のピックアップの良さは、
トルクがすぐに起ち上がる特性を持つモーターならでは。
静粛性のみならず、力強さも十二分。
“胸のすく” という表現がぴったりくる、爽快な加速感だ。
ただし、アクセルペダルを床まで踏みつけての全開加速では、
それまで頼もしく感じていたパワーが 意外にも早く頭打ちになる。
ガソリン車でいえば、かなりローギヤードに振ったような特性を示す。
約2トンある車重も関係しているかもしれない。
加速力がどこまでも持続するようなタイプではないから、
高速域でCoCo壱番のパワーを求める向きには物足りないかも。

5リッターV12エンジンの先代50系センチュリーが
電子制御スロットルによってしつけられて
じゃじゃ馬的挙動を示さないのと同じように、
物足りない全開加速=MIRAIの持つ潜在パワーとは限らない。
多かれ少なかれマージンはとっているのだろうから、
これからの進化が楽しみだ。

【内装 後席居住性】
シートカラーは、ブラックが基本。注文設定色のホワイトも選択できる。

クラウン同等の居住性に見えたのだが…

現行220系クラウンとの違いを感じたのは、
フルサイズなディメンションのわりに タイトな後席。


Zグレードにパノラマルーフがオプション設定される関係かな、
段付きになった天井を目立たせないような模様がデザインされている。

ヘッドスペースは、クラウンよりも微妙に少ない印象。
身長180cm超の人がヘアカラーしてすぐの乗車だと 多分天井が変色する。


ニールームは クラウンと同程度だが、
シートバックのサイドサポートの張り出しが大きく ルーズな体勢は取りにくい。
そういう意味でのタイト。絶対的な狭さではないから、閉塞感はないよ。

何かしらの理由から、座面を高くする(頭上狭まる)、背もたれを立たせる、
結果 ホールドする必要性が増してサポートを強める…
背後にあるモーターユニット等の影響を受けてるのかな?
クラウンとの違いを 後席で一番感じるとは、予想していなかった。

MIRAI20:室内長1805 幅1595 高1135(mm)
CROWN:室内長1980 幅1500 高1185(mm)
幅は、外寸で85mmある全幅の差がそのまま出ている。クラウンはナローだからね。
しかし、長さと高さは、
ホイールベースを含めて外寸数値が大きいMIRAIのほうが 逆に狭い。

乗員5名になったのは有難い。
初代は前2後2の4人乗り、後席左右席は シートバック下につま先が入らなかったからね。


センターアームレストとカップホルダー


後席乗員用エアコン吹出口
USBポート(2.1A×2) と AC100Vコンセント(1500W)

【ラゲージルーム】

ここにも、クラウンとの違いが。
ファストバックフォルムのMIRAIは、
トランク開口部の 天面の前後方向がすごく短い。
ホンダのインサイトもこんなんだったかな。
大きな荷物だと、押して突っ込むような入れ方になりそう。

【エンジンルーム】

多くの面積がカバーで覆われた、エンジンルーム。
真ん中にあるのが燃料電池ユニット。

【タイヤ&ホイール】

235/55R19タイヤ&19×8Jアルミホイール(スーパークロームメタリック塗装)
DUNLOP SP SPORT MAXX050

台湾のMAXXISタイヤかと思ったわい。
19インチタイヤ&アルミホイールは全車標準。グレードによって塗装が異なる。
Zグレードには、細かいフィン形状の20インチが オプションで用意される。
見た目なら断然20インチだなぁ^_^

Z “Exclusive Package” (オプション)
245/45ZR20タイヤ&20×8.5Jアルミ
(ブラックスパッタリング塗装・ブラックナット付)

Z “Exclusive Package”、Z、G “A Package”
235/55R19タイヤ&19×8Jアルミ
(スーパークロームメタリック塗装) ※今回の試乗車

G “ExclusivePackage”、G
235/55R19タイヤ&19×8Jアルミ
(シルバーメタリック塗装)


【あっさりな総評】
一見 奇をてらっているようで、その正体は実直。
クルマづくりへの情熱は、オーナーひとりひとりへ しっかりと伝わるはず。



【インフラ整備の展望】
燃料電池車が普及するための必須条件は、水素補充施設の充実。
「水素ステーション」の数は、現時点で 100をやっと超える程度。
全国47都道府県合わせて100。ひとつの県に2つずつあるのなら良いが、そうじゃない。
しかも その配置は都市圏に偏っている。(トヨタお膝元の愛知県は多い)

ガソリンスタンドよりずっと少ないイメージのある
LPガススタンド(タクシー等が利用)で約1500~2000だそうだから、
水素ステーションがいかに少ないか想像できようというもの。



[東京杉並水素ステーション] (株)ENEOS水素サプライ&サービス
東京都杉並区宮前1-17-10
営業時間:9:30~17:00
営業日:月~土・祝日
定休日:日曜日
充填圧力:82MPa
https://eneos-ss.com/search/suiso/sp/detail.php?SCODE=995070
2021.7.14撮影

“東京都区内在住 かつ 行動範囲は首都圏”、
そんなシチュエーションであれば、特に問題ないように思える。
なんだったら、有明あたりのイワタニのステーションひとつだけでも事足りる。
だが、地方都市へ目を向けると、事情は全く異なる。
多い少ない以前に、施設が一つも無い県が複数あるのだ。
(水素ステーションが存在しない県ではMIRAIも販売されないってホント? )
まるで 整備されていなかった頃の携帯電話通信網のよう。


出典:FCCJ 燃料電池実用化推進協議会
(FCCJの会長は、200系クラウンの開発も手掛けたトヨタ副社長寺師茂樹氏が務めている)

懸念されるのは、
水素ステーションには厳重な安全管理が求められるためか
立地条件に制約が多く、ひとつ増やすのも簡単ではないという点。
スマホでいえば、5G基地局を増やすのは 4Gよりも難易度が高いと聞くが、
こちらは需要もケタ違いに多いだろうから 単純に比較できるものではない。
スマホが売れるようにMIRAIが売れたら、インフラ整備にも力が入るかも… これは望み薄。
大本命であろうEV(電気自動車)の将来とて 自分は絶対とは思っていないし、
水素ステーション整備を含めた燃料電池自動車の将来は 予想もできない。
VHS対ベータのビデオ戦争ではないが、MIRAIの未来はまだ読めないのだ。

FCCJのサイトマップ、パッと見は日本語なのに ブラウザではなぜか中国語扱い。



(え、日本語じゃないの?)と、翻訳ボタンを押すと…



「会長は苦しんでいます」って…
「挨拶」=中国語だと「苦しんでる」なのか? 何だか意味深^^;


【補助金】
三桁万円を余裕で出してくれそうなイメージを持っていた、燃料電池車購入への補助金。
初代MIRAIは、自分が知る限りでは 販売店への試乗車配備は無かった。
(申し込んで出向けば乗れるトヨタの施設はあったが、一寸気が引けたので…)
対して、2代目は (自分が乗れるぐらいだから)幾分身近になった。
普及に反比例して国の補助が削られていくのは、道理な話。
「いまはRAV4PHVなんかと同程度」とセールス氏は言っていたんだったかな…。
ドーンとお助け金が出るなら、見積りぐらいはお願いしたかもしれない。残念。


【初代MIRAI】

MIRAI JPD10 (2014~2020)
2018.6


初代も運転してみたかったなぁ。。


50系プリウスと同形状のステアリングスイッチ
うちのクラちゃんにくっつけたプリウス前期型のは白色加飾で、ちと浮いている。
中古で出てきたらGETしたいが、前期オーナーも狙ってるだろうな。


2代目にも面影が残っているように見えたインパネまわり。
あらためて見ると、だいぶ違う。
エアコン操作はタッチパネル。


後席は、あまり広くなかった。
中央には座れない4人乗りなのです。。


前席シート下に、つま先が入りまてん…。
いつも白のアスレジャー。ほっといてくれ。


今回試乗した2代目と、ほぼ同価格。


2016年撮影




東北道にて
2017.3.21撮影

【MIRAIのご先祖様】

トヨタの燃料電池車は、初代MIRAI登場の12年前から存在していた。
初代ハリアーの兄弟車 クルーガーがベースにした「FCHV」(2002.12~)。
バックドアに貼られている呼称、FCVでなく FC“HV”なのは、
燃料電池以外の電池も使う点を ハイブリッドとして表したようだ。
(であれば、MIRAIもやはりハイブリッドなのかな?)
メーカー自身の実験走行か 官庁へのリース車か、都心を走っているのをよく見かけた。
同時期、ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」(2008.11~)も目撃したのも 都心でだった。
2010.6.24撮影


【ガソリン車が消えても…】※話が脱線します※
6気筒以上のガソリンエンジンでしか得られないフィーリングに拘る自分だが、
電気自動車(広義でのMIRAIも含む)が無味乾燥とは 露程も思っていない。
それは、1980〜90年代にやり込んだ 1/10電動ラジコンカーの経験にもある。
おもちゃっぽくない呼び方だと、1/10 EP OFFROAD RC CAR。

サーキットでの走行時に 1/10エンジンカーがユル~く乱入してきたことがあったのだが、
ジワジワとスピードにのっていくその姿は
ゼロ発進から力強い電動カーとは明らかに違う特性のものだった。
(ユルくない一線級のGPカーだったら印象も違ったかもしれない)

RCカーでは むしろ “EVひとすじ”だった自分。(乗り物じゃないからEPだが)
EVは音が静か というイメージ、そこは実車とは異なる。
ミィ~~ンッ!と虫が叫ぶような音を発するエンジンカーに対し、
電動カーは 音の種類は違うが こちらも静かとは言い難い。
モーターの動力を車輪に伝える間にピニオンギヤが介入するため、
ギャーッ!と けたたましい音を発するのだ。(だじゃれではない)

だが、唯一 静かな伝達機構がある。
私がレースに初参戦したマシンがそれだった。
ギヤでもチェーンでもシャフトでもない、
オールベルトドライブ駆動のフルタイム4WD車。

ほぼ無音。ほんとに音がしない。
わずかに音がするとしたら、モーター音(負荷が掛かっているので空転時より静か)と、
ピンで留まったポリカーボネートのボディが シャーシとの間で擦れるカタカタ音ぐらい。

当時のレース界は、2WDのRR車が全盛で、
その後 4WDが猛威を振るうことになるとは思われていなかった時代。
若年層に支持を得ていた田宮模型が4WD車を初めて発売する、それより3年も前の話。
チェーン駆動とベルト駆動とがあった4WD車は マイナーな存在で、参加車も ごく少数。
クラス分けもされず、2WD/4WD混走だった。
ギャーギャーと必死に走る2WD車を、
エキスパートが駆るベルト4WD車が 無音で周回遅れにしていく。
さらに、そのコースは 砂を蹴るダート路面ではなく
天然の芝生だったもんだから、微小な音まで吸収されて 静かさがさらに際立つ。
すごくインパクトがある、一種異様な光景だった。
(無論オムロン、初レースだった私は エキスパートのようには走らせられず、
無音アンダーステアで壁への激突を繰り返し 精彩も恥もかいて終了)
池袋西武百貨店屋上コースでの思い出だ。
その後もめげずにベルトドライブ4WDで戦い続け、
ぽちぽちと入賞もできるようになった。

ベルト駆動は、ギヤのバックラッシュ調整や チェーンのコマ詰めの手間から解放される一方、「歯飛び」という弱点があった。
初期車のコックドベルトは 山が浅く ピッチも細かいものだったため、
深くプーリーに食い込まないから 簡単に滑ってしまった。
無音なベルトが、滑る時だけは ガリガリッ!と 嫌な音を発する。
滑りを防ぐために、ベアリング入りのテンショナーで押さえつける。
テンションを強めると、比例してパワーロスも大きくなってしまう。

弱点は他にもあって、ギヤやチェーンよりも小石が噛みやすいため、
それが原因で ロックして動けなくなることもあった。
燃料電池車のFCスタックならぬ、RCスタック。

モーターから後輪 と 後輪から前輪… 2本のベルト。
前者は デメリットが如実に表れる悩ましい存在で、
削り出しワンオフのスプロケットでチェーン駆動化したり
モーターまわり前後逆配置 ギア駆動ミッドシップ化したり、試行錯誤。
無音マシンは、性能を求めた結果 シャーッ! ギャーッ!なマシンに変貌した。



後年の愛車 シュマッカーCATも、ベルトドライブの4WD。(再掲多くて申し訳ない)
ギャー音がするのは、モーターから後輪への駆動がギヤだから。
この頃には 一時減速側にベルトは使われなくなっていた。
それでも、チェーンドライブやシャフトドライブの4WDよりは静かだった。




先日したばかりなのに、またすっかりラジコン話になってしまった。失礼。
異様なまでに速かった、オールベルトドライブRCカー…
レース初参戦時の あの感覚が、今回のMIRAI試乗でよみがえった。
MIRAIの クルマとしての出来がトータルで良かったことも勿論あるが、
“静かなのに力強い”パワートレーンの記憶が呼び覚まされて、
楽しく そして嬉しい気持ちになった。

そう遠くない将来 ガソリン車が全廃されることになっても、
このMIRAIが傍らに居てくれたら ガッカリせずにすむんじゃないか?
そんなふうにも思えた試乗だった。

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Posted at 2021/04/22 17:13:32

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何シテル?   04/22 09:51
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試乗 トヨタ MIRAI G “Aパッケージ” JPD20 ☆クラウン3.5HVと乗り比べ 
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2021/12/22 20:33:23

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