
プログレ君NEW17インチ導入記念記事だす。
【インチアップとは】
インチアップとは、タイヤの外径を変えずに
リム/ホイールを大径化すること。
タイヤの低偏平率化。(で合ってるかしら?)
【偏平率とは】
偏平率:タイヤ厚さ(高さ) ÷ タイヤ幅 × 100
※×100は、パーセントとしての数字にするための100倍
厚さは、「 幅 × 偏平率 」で計算できる。
今回プログレに装着した205/50R17サイズの場合、
幅205mm × 偏平率50% = 厚さ102.5mm
↓
厚さ102.5mm ÷ 幅205mm × 100 = 50 → 50偏平
< FALKEN ZIEX ZE914F 205/50R17の偏平率 >
50って書いてあるんだからゴーマルタイヤなんだけど、
同サイズでも 銘柄によって外径・幅は微妙に異なるので、ぴったり50%にはならない。
試しに、プログレに装着したZE914Fの偏平率を計算してみた。
ZE914F:外径638mm・総幅214mm
(外径と総幅は、製品のサイズ一覧表などに記載されている)
ここでは偏平率を知りたいので、厚さは
「 幅 × 偏平率(%) 」ではなく 「 ( 外径 - 内径 ) ÷2 」で計算する。
※÷2で半分にするのは、外径-内径だけだと上下合計(2カ所分)になるため
※インチ表記の内径は 1inch=2.54cmで換算 → 17インチ = 43.18cm (431.8mm)
↓
( 外径638mm - 内径431.8mm ) ÷ 2 = 厚さ103.1mm
↓
偏平率:厚さ103.1mm ÷ 幅214mm × 100=
48.17偏平 ヨンハチだ!
ついでに、プログレ純正サイズ195/65R15でもやってみた。
※外径635mm・総幅195mmとした場合
15inch×センチ換算2.54cm=内径381mm
(外径635mm-内径381mm)÷2=厚さ127mm
偏平率:厚さ127÷幅195×100=
65.12偏平
【大径の自分基準】
リム径が大径かどうかのRacco基準は、ハイハイして くぐって通れる径かどうか。
赤ちゃんがではなく、現時点の自分が。余裕を持ってくぐれれば大径と認定。
< インチ別タイヤ内径(ホイールリム外径) >
12インチ…30.48cm
13インチ…33.02cm
14インチ…35.56cm
15インチ…38.10cm
16インチ…40.64cm
17インチ…43.18cm
18インチ…45.72cm
19インチ…48.26cm
20インチ…50.80cm
【自転車タイヤの○○インチは、自動車のそれとは異なる】
ここはちょっと余談。
自動車 → タイヤ内径(リム直径)をさす (=ホイールのサイズ)
自転車 → タイヤ外径(タイヤ直径)をさす → その外径もワンサイズではないからややこしい
自転車の場合、○○インチ=タイヤの大まかな外径 ぐらいに考えとけばよいかも。
RealStreamMiniタイヤ交換 TIOGA (2019.12.26):https://racco.fc2.net/blog-entry-1839.html
【インチアップのメリットとデメリット】
タイヤの外径(直径)・幅を同じとして比べた場合、
メリット…見た目・横剛性や操舵レスポンスなど運動性能向上・大径ブレーキ対応
デメリット…乗り心地悪化・路面からの衝撃(段差やキャッツアイ等)に弱い・高コスト
こんなかんじかね?
うちのクルマは…
日野 コンテッサ (1965年):未確認
日野 コンテッサ (1966/1969年):未確認
マツダ サバンナ (1972年):偏平率80%ぐらい?
マツダ カペラ (1984年):195/70R13
マツダ ランティス (2000年):195/60R15
トヨタ プログレ (2007年):195/65R15→215/45R17→215/40R18→205/55R16→205/50R17
トヨタ GXS12クラウン (2015年):195/65R15→205/55R16→215/40R18

この頃のクルマは、どんなタイヤかな?
父撮影
【うちのプログレの例】
初インチアップの17インチを売却して いったん15インチに戻して
純正の良さを再認識しつつも やっぱり我慢できない我慢って何を? からの18インチ。
15インチ プログレ純正

↓
18インチ 50系エスティマ用

※インチアップ後の車体浮き気味→リフトから下ろした直後でオイルダンパーが戻りきってないため
15インチ プログレ純正

↓
18インチ 50系エスティマ用

神奈川県平塚市にて
2011.4.9撮影
【うちのクラウンの例】
な~んも弄らず つるしで乗るつもりだったんだけどねぇ。ビョーキかねぇ。
15インチ GXS12クラウン純正

2015.11.24
↓
16インチ スズキ純正 ZC31SスイフトスポーツSリミテッド用

2015.12.1
↓
18インチ ブリヂストン ECOFORME CRS101

2017.8.22
【扁平足びいきの原点】
自分が インチアップさせる理由は、ほぼほぼ見た目。
扁平足びいきになった原点は 1980年代にさかのぼる。
きっかけのひとつが、
当時の モーターショーのコンセプトカーたち、
サーキットで疾走するモンスターマシンたち、
それらの偏平タイヤ&大径ホイールが かっこよく見えたこと。
(グループCカテゴリーのレースカーでは、ホイールに
ドラッグ低減を狙ったと思われる ディスク形状カバーを付けたものを多く目にした)
また、カーデザイナーの描くイメージスケッチの車輪は 大径低偏平の最たる物で、
量産車のそれであっても 一塊となってエクステリアに融合していた。
きっかけのもうひとつは、ラジコンカー。
1985年頃、電動オフロードのジャンルにロープロファイルタイヤが登場。
(ロープロファイル/ロープロ=低偏平率)
当初は異色の新参者扱いだった4WD車が熟成を重ね、レースシーンにおいて
トラクション能力を武器に水を得た魚のように駆ける高次元さに、
かつて隆盛を極めたRWD車はいよいよ敵わなくなり、
駆動方式でクラス分けがされるようになった時期でもある。
ニューカマーがメインストリームに躍り出た事は スピード重視の流れを意味し、
男の子の玩具が 大人の真剣勝負の道具へ移りゆく ひとつの転換点だった。(故にブームも去った)
何の話してたんだっけ? あ、インチアップね はいはい。
RR車から4WD車への移行段階で、
タイヤのたわみによって接地面をかせぐ考え方から
タイヤのたわみを減らしてロスも減らす考え方へと変わっていったのかも。
速く走れる要素があれば皆こぞって導入するため、ロープロタイヤはすぐに市場を席巻。
ホイールのデザインは、実車で既に流行していた面一でフラットなタイプが多かった。
それまでのオフロードRCカーといえば、
頬っぺを膨らませたような形の低圧タイヤと
奥まった形の小径ホイールが代名詞だっただけに、ロープロの斬新さに惹かれたのだった。
ラジコンとバカにするなかれ、あんな程度の大きさ重さでも、
ポリカ製リアウイングを取り去るだけで 空力変化によってタックインの挙動が大きく変わる。
RCの世界における低偏平タイヤは、
しのぎの削り合いからの産物でもあった。

Schumacher CAT XLS
1/10 EP OFFROAD RC CAR
BELTDRIVE MIDSHIP 4WD
Designd in England
CAT:実車コスワースのエンジニアが起ち上げた英国シュマッカー社による初代オフロードモデル。
(Schumacher=当時は“シューマッハ”ではなく“シュマッカー”と呼ばれていた)
1986年 初代発売 (Racco愛車 1987.3.13~)
1987年 LWB版 XL発売
2017年 XLS発売 (XL復刻)
このCATが履いてるような ロープロタイヤ&フラット形状ホイールにビビッときたんですわ。
解説無駄に長くてスマン。
シュマッカーCAT初代モデル (低画質過ぎてわからね〜)
1987撮影
神社の境内をオーバルコースに見立てて走り込む
バチ当たりなR氏の練習走行風景。(遊んでる とも言う)
砂塵を巻き上げながら延々と周回を重ねるR氏の情熱 もとい 宮司にかけた迷惑は計り知れない。

レース参戦時の写真(おじぎ姿勢=ジャンプ下手)
国産車勢に交じり、英国車で孤軍奮闘3位入賞
ところどころに自慢をちりばめる 承認欲求の高いR氏を許してタモーレ。
デイトナオフロードサーキット(立川市)にて
1987.5.24撮影を撮影
1987年8月 IFMAR世界選手権
CAT XLを駆る広坂正美選手が日本人として初の優勝。
【好みのデザイン】
個人的に好きな形は、こういうの。(実車ね)

トヨタ30系プリウス純正17インチアルミ
2009.6撮影
プリウスのホイールは 5穴だけど PCD100なので、うちのPCD114.3の2台には装着できず。残念。
似たところでは、初代ベクトラの 扇風機の羽根みたいなやつ。

オペル 初代ベクトラ(1988~1995) 後期型
キャップじゃなくてアルミです。この写真だといまいち質感が伝わらねえな。
いや~、お兄さん若いねぇ。
1993.10.26撮影を撮影
【偏平タイヤ今昔】

ポルシェ911 930型(1974~1989)
2019.1撮影
F:205/55R16
R:225/50R16 …かな?
今でこそ数字も見た目も控えめに感じるが、
ゴーゴーもゴーマルも 同時期の日本車にはまだ認可されていなかったサイズだ。
暴走を助長する物は許さないかんね!とお国がケチつけたとか、そんな理由だったかねぇ。
15インチのロクマル、ドアミラー、ゼロヨン15秒台 が憧れだったねぇ。
その頃の自分はマツダファンで、コスモロータリーターボやカペラターボなどに採用された
外周に丸穴をたくさんあけたデザインの15インチアルミがすごく好きだった。
我が家のカペラは 小皿みたいなハーフキャップが付いた13インチスチールだったけどねぇ…。
1983年~ 60タイヤ解禁 (ドアミラー認可と同じ頃)
1988年~ 55/50タイヤ解禁 (R32GT-Rが出る1年前)
1994年~ 45タイヤ解禁 (R32GT-R最後の年)

ポルシェ911 997型 (2004~2011)
https://minkara.carview.co.jp/userid/1680537/blog/37611720/
2016.3撮影
F:235/35R19
R:305/30R19

ポルシェ911 991型
2017.3撮影
ボディもホイールも大きくなったのぅ。

ポルシェ パナメーラ
2018.10撮影
ロペライオの991のと同じデザインかな?

ポルシェ マカン
2018.10撮影
SUVだからか、若干厚めのタイヤ

フィアット500
2018.3撮影
小径ホイールだと身軽なかんじ。軽快なスニーカー感覚。(褒め言葉)

フィアット500のスポーツ仕様「アバルト」(のちの呼称はアバルト595)
同じチンクェチェントでも、シューズと車高の違いで かなり印象が変わる。
2018.2撮影

スマート フォーツー エレクトリックドライブ (EV)
前:155/60R15
後:175/55R15
2018.3撮影

ボルボ S90
2018.9撮影
255/35R20 20×8.5J かな?
一寸過剰な感じがしなくもない 20インチ大径ホイール。
だが、この馬並み いや馬車並み車輪の存在感が、
クルマ全体の美しいフォルムを形造るうえで重要な役割を担っているように思える。
後ろの国産ミニバンと比べると、リム径の違いがわかりやすい。
【大きなホイール=低偏平、ではない】
偏平率は、ホイール径の大小ではなく
組み合わせるタイヤによって変化する。
偏平率を下げずにホイールを大径化するには、
タイヤを細くするか大きくするかのどちらか。
軽自動車の例だと、
三菱i(アイ)は なかなかの低偏平タイヤを採用していた。

左:プログレ 215/40R18・外径632mm
右:三菱i 前145/65R15 後175/55R15・外径570/574mm ※写真のホイールは社外品
2016.2撮影
下の写真の2台も軽。

左:スズキ ハスラー 165/60R15・外径580mm
右:スズキ ジムニー 175/80R16・外径685mm
2018.9撮影
ジムニーは、軽としては大径の16インチだが、タイヤも大きい。大きいうえに細い。
ハスラーは 15インチだけどロクマル、ジムニーは 16インチだけどハチマル。
ロープロ化が進む近年のシティユースSUVには例外もあるが、
悪路に対応させるには 薄く太いタイヤは不利なのかもしれない。
ラリー競技車のタイヤも、低偏平ではなく リム径も小さめだ。
雪上氷上用の物などは スタッド(スパイク)は付いているけどもテンパータイヤ並みに細い。
グリップしにくい低ミュー路において
トラクションをかせぐのに最適なタイヤ幅と偏平率 接地面積と接地圧、
これはまた別の話になるが 奥が深そうだ。
【低偏平=高性能、ではない】
レギュレーションに左右される面もあろうが、そうでなくとも
走りにおいて低偏平率の方が優位とは言い切れない。
フォーミュラーカーは、その多くが 分厚くて太いタイヤを履いている。
NASCARも、ファットなタイヤ&小径ホイールの組み合わせだ。

GOODYEAR EAGLEのイエローレタータイヤを履いた、NASCARのレースカー。
小径だって絵になる。インチアップが全てではない。
8本スポークやテッチンが似合う 日本の旧車もしかり。
ちなみにこれはトヨタの40系カムリ。
うん、たしかにカムリだね、テールランプだけ かろうじて。
(2007~2012年はフォードもシボレーも全車同ボディ使用レギュレーションだったから堂々と言えるぞ)
2010.11.28撮影
【インチアップ=太いタイヤ、ではない】
インチアップで 外径を変えずにホイールを大径化すると、
タイヤは必然的は薄くなり 低偏平率となる。
薄くなると同時に 太くなるイメージもあるが、これは
既存ラインナップからホイール/タイヤを選ぶと
現状 幅広にせざるを得ないからなんだよねぇ。

MINOLTA TOYOTA 90C-V
2010.11.28撮影
この頃のグループCカー(プロトタイプカー)のタイヤは極薄ではなく
むしろ厚めだけど、幅が広ければ偏平率は低くなる。
スーパーカーなんかの偏平率の低さは、その計算式じゃないかな?
【タイヤの薄さ=低偏平ではない】
珍しい例が、BMWのEV「i3」。

2019.4撮影
19インチ大径タイヤ/ホイールを履く、i3。
ショーカーが公道を走っているかのような雰囲気。
タイヤは ブリヂストンによる専用高内圧タイプで、外径700mmもある。
700mmといったら 大型高級セダン並みのサイズだ。
(前方の白のホンダ フリードのタイヤは620mm。
うちのプログレとクラウンの195/65R15は635mm。)
一見低偏平に見えるが、ナナマル。タイヤ幅は155mm、ホイール幅は5Jという細さ。
(155/70R19 5J・レンジエクステンダー仕様は後175/60R19 5.5J)
i3の場合、運動性能のためのホイール大径・車両重量増に対応させるためのタイヤ大径ではなく、
燃費向上を図るための大径化のようだ。
今後、こういうコンセプトのタイヤ/ホイールが増えるのか、
はたまた ランフラットタイヤの未来ともいえるエアレスタイヤが普及するのか。
インチアップタイヤがどう進化していくのか楽しみだ。