
金山駅から電車に乗る機会も頂戴いたします。

ホームへ降りていけば、見えるだけで4編成が行き来して、

我々が乗る電車も早々に到着です。

はじめはママと座ったものの、

私のいざないで車掌室からの眺めを一緒に楽しむこととして、こうして電車に乗るのも久しぶりであり、このときはスーツケースに乗ってそれを私が押さえる光景でしたが、抱っこしてまでとなるともうこの先はそのような機会もなくなっていく一方で、切ない癖が出てきます。

何が来るのか伺ってみれば「新型車両の関東への輸送で通過する」「もう少しで来ますよ」とのお話を聞き、その情報収集力に驚きつつ、

時を同じくして関東に向けて新車の輸送しかも業務、せっかくなので見ていこう、と音頭を取るものの、

「早くタコマ行こうよ」「ちょっとだけ待ってみよう、せっかくだから」

「もうそんなのあとでインターネットで見ればいいよ。早くタコマ乗りたい」と、そして
後日ネットで見てみれば「なーんだこんなのか」と言っていましたが、

合理的かつ溢れる説得力に負けて、お迎えくださるとのことに甘えての到着を連絡し、

電車内で丁度テーマにしていたマーチがきて初めて乗り、タコマへ向かいます。

「あーータコマだ。うぐあ~かっこいい」、と発しながらタコマが鎮座中です。

「あっタンドラ」だ、

いや、これはさすがに都内の裏道で転がすのは無理だと思っていると、登園朝なかなか年配の方が通勤用途で乗っているのを見かけました。そろそろモデルチェンジとのことですがタンドラはサイズに慄きます。

こうして横からを比べてみると、同じトヨタのピックアップでもずいぶんと雰囲気が異なります。

TRD PROとなるタコマ。ブードゥーブルーという色を纏い、実際に保有して街を乗っていると各種作業車群にシンパシーを感じないわけではありませんが、日本においてはその強烈なといってもいい個性的なジャンルとデザインに雰囲気と稀有さが「俺は作業車じゃない」という一線を引いた主張に聞こえてきます。

「このタコマがジムニーのようにぼろくなって買い替えるときは黒にしようか」との声に「黒もかっこいいね、けどジムニーのようには余計だよ」と指摘はしつつ、「これアメ車?」「トヨタが作ったアメ車と言っていいんだろうね」「Aちゃんアメ車買ったのかぁ」と感慨を聞きながら、

「ここはタンドラやタコマのような車が多いよね」と改めて言ってみると「ピックアップ専門店ってこと?」とより的確な概括した表現で確認を頂きまして、

私と家人は、新型ジムニーについて「グレー」がいいのですが、「GクラスやSクラスがあるじゃん。他の色のほうがいいよ。今は白ないんだから白がいいんじゃないの?」などと、ごもっともな意見をもらいながら、

道中会話もすることになりますが、このときはタコマ一色です。子供用の子供の車ですから、子供が昇降しやすいようにリアステップもつけてもらいましたが、老体になってきた大人も荷台へのアクセスに重宝することになります。
ハイラックス釣り仕様の動画でオプションの存在を知りました。加えて、荷台およびこのステップも原則として「土禁」と段階的規制がこの旅中に敷かれていくことになります。

初見の際に「ぜぇひ買いたい!」と申しておりましたが、納車して走り出すと「これはやばいの買っちゃったね」という表現になるほど、

乗ってみますと一瞬ハイブリッドかと思うほどアイドリングは静か、アクセルを踏めば静粛性が高い中に、遠くで太めのサウンドが奏でられ、そして乗り心地に質感、雰囲気も申し分なく、いやとても素敵どころか何かが突き抜けている感がある一台に家族一同感じる次第です。

タイヤについていたシールのごみ。早々にほれ込んだタコマの敵とみなしてなのか、取って、地面に投げて、蹴飛ばす一連の行為を可愛く見守り、

サスペンションもTRD。正確にはFOX製TRDセッティングになるのか、足回りも見ながら、エンジンに火が入ります。

登録も実質も、新車となる一台、72kmから、タコマライフのスタートです。いやあとで気づくことになるタコマカフェ開店です。貨物登録となり法規上も立派なトラックの端くれとなるのか、車検は新車2年、以後1年更新となっていきます。為替などの関係でカナダ仕入れが増えている業界らしく、米国産カナダ仕入れの一台となり、メリットととしては、km表示になることです。

キーホルダーも早速つけて、1年点検はご担当を下さったA様にまた会えることも楽しみにしてこちらにドライブへ来る約束をしながら、タコマの輸送業務開始です。

「ラッキー。ガソリン入れられるの?Aちゃんやる」と、まずは給油。どちらでも大丈夫とのご指摘でしたがご助言通り、ハイオクにしておきます。

アンダーを守るためにあるTRDの分厚いスキッドプレートも絶対に傷つけたくないパーツの一つに数えながら、サンルーフもついて、デフロックに始まり四駆周りの装置も充実した、カラーも含め極上装備の一台です。

このとき停めた瞬間じっと見るご家族や「これトヨタなの?新車だね」とお声がけを頂いた男性、幼稚園送迎でも「これはすごいですね」と先生から声をかけられたり、幼稚園警備員の方も微笑んでくれたり、また別の警備員氏から「すごい迫力だねってあのお兄さんに言われた」や「先生にすごいの買ったねって言われた」などインパクト大な一台。振り返る人、指さす子供も多く「タイヤ大きい」と発している子供もいたり、なかなかな存在感、六本木のフェラーリより目立つかもしれませんが、思い返すと5インチジムニーのほうが子供たちの受けがよかったようにも思いつつ、こちらも肉薄級です。

「オフロードに乗っていくけど、この車でオフロードはしない。オフロードのところにいくまで」というほど、このときすでに大切に想いが入った一台、

教わったとおりに、トノカバーを開けていきます。

我が家が選んだのは、自転車を乗せることも考慮してお勧めでもあった高さのある積載物向けな折り畳み式タイプ。そのほかハードタイプ、シャッター式タイプ、ロール式タイプ、あるいは何もつけないスタイルは無論、テントまたはモバイルハウスを積んだり、用途や好みによって選択肢と楽しみが広がるジャンルに思います。

移動式の部屋、または移動式の仮設更地と言ってもいいかもしれません。

この旅、この回送業務、止まるコンビニ、止まるSA、泊まった宿の夜と朝、それぞれ何度も、この作業を10回以上やることになります。

「あっわかった、こうやるんだ」「あっ分かったこうやって使うんだ」など習ってない箇所、自分で考えて使用用途、使い方、動かし方、はずし方、どれもドンピシャ的確に取り組んでいきます。

「またいいクルマに出会ってしまった、想像もしていなかったなんていいクルマに出会えたんだろう、我が子あってのことであり、子に感謝」と思いますが、全長に関しては都内の裏道な連続となる登園降園に「あと半年だ」と言い聞かせながら日々を送ることになりそうです。

この車を売って頂きしみじみ思うことは他にもいくつかありますが、私がグレーのカスタマイズスペシャルタコマがいいと思っていたところ、買う側の属性をおもえばこちらのほうがIQが高いような気もしてきて、

あまりにもパラジウムシルバーのボディにAMGの黒ホイールの組み合わせなGクラスが眩く渋く、我が子のそのような趣向でもあった武骨系なグレーに引っ張られていたように思いますが、我が子はグレーからすでに次に向かっており、

「ティーアールディー、プロ!タコマで一番いいやつなんだよ」とこのときも解説してくれていたところのTRDPROなわけであり、

子に従って、我が家にとっての新色が来たわけであり、象さんの鼻のようなのがついており、そしてTACOMAであり、

この車をセレクトし、このような車を我が家にもたらしたこの子のセンスに我が子ながら脱帽であり、

恐らくは北米マーケットを意識した車が一つ趣向なのだと思いつつ、RAV4は家人とともに疑問符が付きながらですが、FJクルーザーはじわじわ親のほうが好きになり、Gクラス、タコマとセンスが突き抜けているようにも感じる次第です。先々どのようなチョイスが生まれていくのか楽しみですが、まずはジムニー選定会議に、みんな用FJクルーザーor旧プラド等の選定会議が待っています。

「ビニール取る、次のコンビニ止めて」で、剥離作業中となる我が家の御大。

通常のマットとゴムマット、両方つけて頂いのですが、ダブルで敷くのが意外と足の置き心地が良く二枚敷で行こうと思います。

TRDがチューニングした足回りは、ハイスピードラフロードで足が伸び縮みして仕事するように多少柔らか目となっているのか、後ろは若干ばね板感は思いつつもとても乗り心地が良好に思います。

運転席もビニールを剥がすようとの指示に、今しばらく時間が欲しいと懇願しました。

「できるだけ早く剥がすように」との指示を出した上席は足早にしかし自信に満ち溢れながらも去っていき、

次の現場です。現場第一主義の申し子の片りんを見せることになります。

1現場あたり、多いときは開けて、閉めて、また開けて、閉めて、ヒッチメンバー方面も食指を伸ばす、という多現場感。

FJクルーザーにシンパシーを思いながら、

この日、我が家は箱根を目指す予定としています。

文句のつけようがない乗り心地に、遠くで唸る太いサウンドは、まるで熟成された赤身ステーキに極上のスパイスをまぶしたかのような、しかし〆は緑茶というすっきりさ。何が言いたいのかわかりません。

タコマ輸送計画。
九州FJクルーザー、クリア。
都内Gクラス、クリア。
大阪クラウン、クリア。
近所RAV4、クリア。
長野ジムニー、クリア。
神奈川エクストレイル、クリア。そして
ハワイから始まった本件名古屋タコマもクリアに向けてひた走ります。

「引き取り納車の旅」というミッション全体像については、コンプリートという概念はないかもしれませんが、九州からフェリーも使っての業務に気をよくした私は、これは最高の暇つぶしだと思い、果ては冬に北海道まで引き取り納車の旅もありではないかと思ったときもあり、旅が目的になり始めたときもありましたが、率直に長野ジムニーあたりで「引き取り納車の旅」について飽きが出始めていたところ、

今回タコマ輸送案件で分かったこととしては、車次第であるという一面です。ロングツーリングが入るときは快適性を求める己がいます。

みんなのオフロード用としてFJクルーザー、旧プラド、ナナマル、あるいはジムニー。さてどれにしよう、さてどこまで行こう、佐賀、鳥取、いや北海道。

と、遠征も行きたい気持ちはありつつも、カーセンサーで「東京」で絞って探している私がいます。年のせいかもしれません。

我が子も起き出し、「あっラブフォーだ」あるいは「あれはアドベンチャーだ」とこれはアドベンチャーではないそうですが、瞬時の判断を耳にしながら、

「サイドカメラ」と思むろな助手席からの声が音声認識で遊んで、

次の新東名静岡SAにて、タコマカフェ論争が勃発することになります。

まずはマスト事項として、荷台にてトノカバー開閉の儀で慎まやかに遊び、

「タコマの荷台で静岡おでんを食べよう企画」詳細に記すと荷台に座りトノカバーを一枚か二枚畳みテーブルにして、ここちよい風に吹かれてオープンタコマテラス案は「汁をこぼしたらどうするの?向こうのベンチで食べようよ」という心配をオーナーが発し始めます。

自転車ロードのパンフレットは「大人が行くところばっかりじゃん」と不服申し立てが、タコマテラス案を遠ざけていく様相に感じ、

「ピックアップの荷台なんて汚してなんぼで作られている」と伝えても、

「あっナナマル」「70や80とかよくわかるよね」「それぐらいわかるよ」とやり取りしながら、はぐらかされ、

「ナナマルの白いいんじゃない」とさらにタコマカフェテラス案はペンディングすら感じさせない抹消事案扱いなのか、

「あの山の上で食べよう」と私からすれば代替え案、彼からすれば本案、立場の違いはもろもろ根本からの認識の齟齬を生み、と思いつつ取って変わられていきます。

パパは一人でタコマで食べようかな、と言ってみても、

とにかくタコマは汚したくない、という気持ちも伝わってきて、大好きで運転も信頼できるHちゃんすら運転させてたくないと、今までで一番愛着が、しかも即時に湧いてきた様子を感じます。

予定を変更して「タコマが見える小山のオープンカフェ」でおでんを頂くことに着地です。

食後はトノカバー開閉の儀。

「ちょっと待ってて」と全部やってくれながら、カメラのバッテリーを出してくれ、

このスペース「寝てみたら」といえば、
つづく