
9月になりました。東京は涼しい小雨日が続いています。北海道はだいぶ寒いかなと想像していたら丁度小樽の仲間から連絡があり、そんなに寒くないというので天気を見ると、日中は北海道全域で東京とそんなに差がありませんでした。夜は冷えそうです。おじさんには寒暖差が一番体によくないので、気を付けてほしいところです。
そんな北海道ほぼ一周ドライブの話しが流れ、衝動的に以西へドライブ二日目です。
朝食を終えてANAホテルin名古屋から遠くに馬の背を見つつそろそろチェックアウトです。

ホテル近くの
熱田神宮へ行って、
名古屋城、
トヨタ博物館の順番で周ろうと部屋で作戦会議を立てたものの、ホテルから出るとこの雨。
さっき見えた雨が来たようです。この日の名古屋はお昼まで降ったり止んだりでした。

予定を変更して、屋根がある
トヨタ博物館へ。
このクルマ乗って写真を撮ることができます。トヨタ筋肉質な組織だけど太っ腹!
それにしても「
あれ、前に来たところと雰囲気がぜんぜん違う」。
と思ってトヨタのお姉さんに聞いて判明。
私が前に行ったのは、同じくトヨタ運営で、名古屋市内にある産業博物館のほうでした。
アテンドで行ったのでまったく場所わかっていませんでした。
に加えて、まさか県内だけでも何か所もあるとは思いません、普通の凡人は。

以前に行ったところは正式名称、
トヨタ産業技術記念館といい、私はここで感銘を受けたのを覚えています。実物大に近いジオラマがあり、時代ごとのラインがサンプル展示されています。
原始的な町工場のラインが数年おきにどんどん
近代的ラインに置き換わっていく様は驚愕を超えて、すごすぎると茫然とすらしました。自分に同じ事ができるのだろうか、と関係もないのに自問自答して、自分のスケールだけで考えようとしてしまいました。
製造ラインの変遷をリアリティを持って見ると、これだけ製造プロセスを革新的に、そして継続的に切磋琢磨して、投資もして、大幅に年々変われる業界が他にあるだろうか。しかも、このような質的な変革を繰り返しながら、高度成長時代という非常に多大な量にも対応する日々。一定以上のボリュームに対応することは、想像以上に難しいことです。大量というものは難敵です。それもこれもやってきた。
あるいは最新鋭の製造機械に常に知恵を絞り、作り出し、学び、激動をやり抜いてきた。しかも競合がひしめく中で。トヨタをはじめとする自動車メーカーとサプライヤーも含めた自動車業界、そこで働く人々のすごさを思ったものです。日本経済の縮小、中国経済バブル崩壊、北米も株安で景気失速、それと電気自動車新興の台頭。大変な状況であっても、またそこで磨かれひときわ強くなっていくのでしょう。
なお、
グーグルなどIT企業も電気自動車開発へ、というニュースがありますが、将来的にはグーグル等はメーカーではなくサプライヤー、しかし重要な、になるのではないかと思っています。国が歩んできた日米関係のように、互恵関係が育っていくのではないでしょうか。
油臭いことは日本に任せてグーグルは美味しいインテリジェンスな部分を握ればそれでよく、それが本旨のような気がします。現地生産で雇用のスライドは一部進んでいるので、米国としても問題ないはずです。やがて親分にそうしろと言われれば、逆らえないこととなっていくことでしょう、と当てずっぽうに思います。

そして、このトヨタ博物館もびっくりです。
これ古いベンツです。ほかのメーカーもたくさん展示してあります。
なんて度量の広いメーカーなんでしょうか。
日付写真はコンデジにて撮影のため。特段意味はありません

トヨタという範囲を超えて、自動車の歴史、歩みを保存してくれています。
を通じて博物館としての魅力を増すことにより観光客が来るようになり地域にも貢献しています。
観光客が来ればお金も落としていくので経済効果が高まります。
雇用や下請けだけでなく、それ以上に地域への貢献を忘れないところもすごい。
こっそり感銘を受けるのは、本社をここ愛知に置き続けてきたことだと思います。
ひいては下請け、孫請けの住民税までも含めて、半端なく地元へも貢献してきています。
ところで、手前のブガッティのクラシック。これなんて、いったいいくらするのか。
クラシックカー・希少旧車の相場
小さい観点ですみません。

タイヤ一つも復元している様子です。

他社のクルマもこの鎮座させっぷりです。
往年の
キャデラック、 エルドラド ビアリッツ(1959年・アメリカ)

1960年代は自動車の大衆化に力が入れられ、コンパクトカーが増えた時代。
1969年の実質
GDPが約170兆円。近年がざっくり500兆円。
同じく一人当たりが1969年が60万円、近年が400万円。
単純な比較はできないですが、まだまだコンパクトカーが主流にならなくともいいではないかと思える国力の差がありそうです。
プリンス(のちに日産へ合併)・グロリア。
このディテール。今じゃありえない手のかかる造形です。

当然と言えばそうですが、個人経営の博物館とはスケールが違います。
大資本を超えて、メガ資本のトヨタ。
先ごろ
2兆円超の利益も発表されました。
日産シルビアなど日本の他メーカーも盛りだくさん。
またまた驚きなのが、多くが動態保存だそうです。トヨタどこまですごいんだ。
計り知れません。
新館へ移動。

新館は昭和の消防車やトラック、

通称、ダルマ。
乗用車数台(もちろん他社のも)など展示してあり、軽食も食べられます。

お土産コーナー。ネットで見た通り、ミニカーいい値段しています。
ワンオフ的な気がします。自動車へのこだわりを感じます。
お土産はレトルトカレーが密かな人気だそうです。
そして、これがまたすごい。

クラシックカーにも座れます。トヨタ太っ腹すぎる。ローバー1907年製。
普通は「さわらないでください」が鉄則のはずです。

110年前の運転席からの眺め。スイフト1905年製。
先日行ったどこぞのメーカーとは大きく異なり、利用者目線が随所に見られます。
小国より大きな組織にもかかわらず、最広義の意味でこれだけコーポレートガバナンスが行き届いた企業も世界中にそうはないと思います。
まだまだびっくりなのが、
このトヨタ博物館に、トヨタ産業技術記念館、トヨタ工場見学、さらに
トヨタ鞍ヶ池記念館という施設も県内に備えるだけでなく、東京に
メガウェブ(昔は
アムラックス)もあるわけです。きっと他にもあるのでしょう。海外にもありそうな勢いです。アムラックスは中高生のころ、免許が取れるまであと少しと、運転する日を夢見てよく友人とともに遊びに行きました。サイドブレーキ全力で引いて帰ってみたり。トヨタさんありがとうございます、そしてごめんなさい。しか言えません。
改めて、すごい企業です。
110年も昔のクルマに座らせてもらい重ね重ねありがとうございます。
トヨタ車は個人的には過去新車2台、中古はレクサス含めて2台、計4台お付き合いさせて頂きました。
中古車の購入も相場の流動性を維持し、結果新車バリューへ内包する形で微塵ながら貢献しているので大目にみてください。

他府県ナンバーもたくさん来ていたトヨタ博物館をあとにして、お腹が空いたので
山本屋本店へ。
電話で問い合わせるとトヨタ博物館からは「名古屋インター南店」が一番近いとのこと。
お昼時の忙しそうな時間にもかかわらず丁寧に説明してくれました。
「あぁ~うまい、うまいなぁ」としみじみ思う味。味噌のコクもたまりません。ご飯も合うしお新香も美味しい。麺も程よくつゆがしみ込んでるのだけど、バリ固ぎみのアルデンテで最高。
名前が酷似している
山本屋総本家もあるのですが、その昔食べ比べ、以後美味しかったほうの、山本屋本店に行っています。
本店と総本家違いはこちら。
食べ終わるとだいぶ天気も晴れて安定してきたので、

熱田神宮へ! 前に来た時は知らずに近くの100円パーキングに止めてしまいましたが無料駐車場も豊富。数百台も止めれるスペースあります。お正月は満杯になるのでしょうね。

歴史と伝統、格式がある神社ゆえに、雰囲気が荘厳です。小さい神社とは訳が違います。
一つ目の鳥居をくぐり、

二つの鳥居。おじゃまいたします。

歴史の積み重ねの中にも、新しい若い苗木。
こうして手間を入れメンテも怠らないからこそ、歴史を積み重ねてこれるのでしょう。
歴史の長さはかないませんが、人間関係も同じだなぁと思ってみたり。

なんとまぁ、立派で幻想性も兼ね備えた木だこと。

境内には烏骨鶏も。
こちらのブログによると白ヘビもいるそうです。
熱田神宮は、
伊勢神宮の次に格式があると位置づけられ、三種の神器の一つ草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)が鎮座し、
日本武尊ゆかりの宮とされています。
力あった偉人や、権力者の権威を強めるために神格化されるケースは世界中で見られますが、日本と諸外国の大きな差は、ひとつ挙げると宗教的価値観の民族的統一性の有無にあるように思います。つまり、神社、お寺、教会と日本もいろいろある中で、99%の日本人はほとんど同じ宗教観です。なんでも手を合わせる極めて柔和な価値観を土台で共有していると思います。
方や外国へ行くと、宗教観や教義、これに基づくそれぞれが持っている文化もばらばらです。土台の価値観が異なるので、相手と一歩踏み込んだ会話はしづらい傾向にあります。ゆえに、相手の意見を尊重する必要性が高まり、また企業は一歩価値観に踏み込んで教育できないわけなので人を育てることがしづらい土壌があり、結果キャリアアップで雇用条件をよくしていくという文化にならざるを得ない、という流れになっていると思います。
逆に言えばキャリアアップという文化は、実は根本的に日本には適していないのではないだろうか、なんてことを思います。
あるいは、たとえば日本でいう差し入れが気安くできないケースがあります。
ピザを差し入れで持って行こうものならば誰かだけ「宗教上肉が食べれない」ということになり、ひいては差別であると大事にならないまでも内心で人間関係に傷がつくことだってあります。
陣中見舞いだ、なんて思い、気軽に差し入れできることも実は有難いことだったりします。
いずれにせよ、どの国においても宗教は歴史と文化に密接であり、知るほどに面白いものがあります。

拝殿。
絵馬も書いたところで、熱田神宮をあとにします。また寄らせてください。

六番町ICから高速へ乗って、次は大阪へ向かいます。

ちなみに、なぜか私、高速下を撮りためているのですが、今までみた高速下(裏)で一番きれいです。
東名阪自動車道(1970年生まれ
トミカと同い年)の
木曽三川たる、
木曽川と
揖斐川(いびがわ)に
長良川と。続けて同じ橋脚が掛かっています。
地政学的に川は文化を遮る要素となりうるわけですので、これだけ大きな川が並んで流れていると
愛知県と三重県の
文化に差異が生まれるラインとなりそうです。実際に空気を確かめるためにそれぞれを散策してみたいものです。次の機会に。
帰りは伊勢湾岸道通りたい。
御在所SAでひと休憩し、
新名神をひた走る。新名神が出来てから大阪と名古屋間がかなり近くなりました。東京からの行き帰りもだいぶ楽になったものです。このあたりのSA・PAはどこも自然の中にあり、遠くへ来た感じがして好きなのですが、車中で家人が寝ているため起こさないようにすべてスルー。

秋空に近い乾いた気持ちよさ。あぁこの景色も見せてあげたいのに。爆睡は続く。

滋賀の
草津SAで起きた家族とひと休憩。

赤福と味噌サバ寿司をおやつにして、
京滋バイパスから
第二京阪で、

大阪に着きました。

左が梅田駅、右が大阪駅。向かい合って名前が違う駅。
この感覚が慣れない。
大阪ドライブへつづく
偉大なる日本企業を知りに
ドライブへ行こう。