
創業というものを学生中の21歳には初期メンバーにヴィジョンを伝え意味のない議論を繰り返すという準備から行い、22歳で業務を開始しまったく仕事が頂けない時間が流れ、就職という発想も経験も皆無の中に、残業という概念や感覚もなく、以後、経営という仕事一筋ですが、初期は営業、作業、現場の手伝いは無論のことなんでもやりました。

23歳になってから法人成りし5年後には230億ほどの売上となる計画の元「カップラーメンの残り汁をトイレに流す是非」で1時間も会議をしたり、初めて売り上げた5万円を「PC買おうよ」「いやイラレにするべきだろう」「それならフォトショがいい。アカデミック版ね」と何に使うか可愛いでも真剣な「事業投資会議」で白熱していた、法人設立半年ほどしてから、高校時代の友人女性が賃貸仲介の営業から転職したいという流れで経理を担ってくれることになり、絶大に信頼のおける方だったということもあり、

以後40歳頃まで、日々の業務数値に始まり毎月の試算表、決算書はチェックしていましたが、会社の通帳、あるいはネットバンク画面、それらの残高というものを見たことがただの一度もありませんでした。道中、法人が20社を数えるようになった中、その法人数すらも報告で知るような有様でしたが、経理という部門がしっかり育っていったのもあり、ますます見る機会もなく、また見る必要性がなかったということもあろうかと思いますが、一度の経理事故もなく、後年税務署殿が来ても「ここまでちゃんとやっているところは見たことがありません」というお言葉を頂戴し直帰なさっていったことがありつつ、やっぱり綺麗さっぱり会社設立最初の半年以降は20年近くただの一度も通帳を見たことがありませんでした。自分の通帳すら年2回ぐらいの記帳で見る程度で、今では妻に任せっきりでこの数年見ていません。業績には滅法興味が強いですが、お金には根本的にあまり興味がないのかもしれません。

一方で、今般の会社を5年程前にスタートしてからは、幾つかは一生自分の仕事や作業、業務としてホールドし続けようと心に決めて、心地よい朝の中にコーヒーを買い高揚した気持ちを持ってデスクに座るところから、途中四十を数えるおじさんが体力の限界で床に敷いた契約書をベッドにして夜に仮眠し、帰りに深夜のラーメンをすするまでダイレクトな充実感を得て晩年に向かっていこうと考えていたところ、この会社においてもすでに多くの仕事が手を離れていきましたが、

今般の会社は通帳を自分の目で見る、ということをやっていこうと考え、これは続いている一つです。自らの目で残高を確認するのは、会社の状態を知る重要な起点的要素であると思うようになったからです。残高というのは過去の結果であり、リアルタイムに把握していくには遅いようにも思われますが、一定の規模を越えて来た組織にとっては十分な早期警戒アラート機能の役目にもなり、月末残高一つとっても、これを自分の目で比べることで時系列での傾向を知るきっかけとして十分に良質なデータになると思います。見慣れない入出金、増減値の変異率、顧客比率の変動、異常値など、あるいはシンプルに収益性の変化、ときには違和感から会社や各地を知る手がかりをくれます。

入金や支払い、これらで毎月2,000件、いや3,000件は軽く越え、いや4,000件越えかもしれませんが、これだけのボリュームとなってきたので私自身が一つひとつを見ることも精査することもできませんが、概括したり大きな入金や残高は自分の目で見ていくことを続け、しっかりと経営への意識を持ち続けようという試みです。
<縄文時代の復元レプリカです>

加えて、月末の支払いは必ず私の承認を経るような業務フローにしています。業務とキャッシュフローに関わっていくため自ら作った縛りです。お金の流れに接していることは、頻繁に聴診器を当て、血液検査を適宜行うような様相かもしれません。

これにより、月末付近は旅行や出張にいけなくなる、という縛りが発生し、

例えば夏休みに海外旅行をしていれば、必ず月末前には戻ってこなければならない、月末前は旅館に行くことが出来ない、年末も銀行営業終了日まで早々に旅行へはいけない、というような環境を意識して作っています。出先でも承認できるノートPC環境はあえて作らず、月末とその付近は今後とも東京にいないといけない状況を作り続けようと考えています。

以前はそのようなことは一切せず、あらゆる縛りがない状態で「明日インド行く」「三カ月アメリカ行ってくる」月末など意識せず「ちょっと早めだけど年越しハワイに行ってくる」「西日本一周してくる」など、好き勝手にいつでもどこにでもいることができる環境としていましたが、今はあえて自由度を下げる方向へ変えたことになります。とこれらを思い、思い出した月末業務。

ところで、現社は皆様の不断の努力と、それをお客様からご支持・評価を頂き、

取引先様からは「今メンバーと話していたのですが、御社業界1位じゃないですか?」と話題にして下さったり、しかし実際は小さなニッチの狭間でまだ業界1位ではないとみておりますが、

売上1兆を越える大手2社様内ではシェア1位を頂戴していることが判明し、あるいは、際立つ仕入れ量は他社と圧倒的差異があることを見ると、業界内での受注残と引き合い、これは間違いなく1位を頂いているのではないかと客観的に判断できる状況にあろうかと思いますが、このようなときこそ怖いと思い脇を締め、方々を見渡し、それを共有しながら己を戒め、

日々の問題解決や、知恵やエネルギー、それら集中力を注力してきた結晶であり、一つひとつのお仕事を皆様がやって来て頂き、重ね重ねこれをお客様がご支持してくれた賜物であると、深謝を重ねるところです。

他方で、国家の頭脳をなさってきたような方から「この会社は伸びるよ。でも一番の課題は頭脳の数が足りないことだ」と言い続けて頂き、最近では「稀に見る急成長」という評価を下さるような一定の急成長を頂いていることは、

この方のご指摘通り、会社の頭脳や幹部、要職の不足が広がるばかりの数年でもありました。その分を殊にお若い類例を見たことがない程の優秀な方々が、中には大学在学中に独学で簿記一級を取得した方まで含め、「また友人を紹介させて頂いてよろしいでしょうか」と友や兄弟を自発的に呼び寄せてでも埋めてきてくれ、これなくして今の社はないと考えています。この出会い、ご縁がなければ、もっとこじんまりとやっていたと思います。そして最近では「まるで別人のようです」という評価が周りから聞こえてくるほど、考え方や感覚が変わり、引き続き謙虚さと礼儀正しさを大切になさりながらも、ビジネスマンとしてシフトチェンジなさってきたのではないかと思い、私の体の疲れに留まらず脳の疲れを取り除いてくれる存在になってきたのではないかと感じているところです。

従前から歩みを共にしてきてくれている仲間も非常にを輪に掛けて頑張って来てくれ本日か明日あたり第二子の誕生も楽しみであり、あるいは立上げ初期の段階で「同じ釜の飯を喰う仲」になった長年の友も「こんな楽しいことはない。生きてきて今が一番幸せや。有難い環境です」と都度伝えてくれる中に「キャンピングカー欲しい。キャブコンね、キャブコン。」と言いながら各地飛び回って立ち上げを精力的に行ってくれたり問題解決に挑んでくれたりと、これらに大いなる感謝をしているところ、ブルトーザーのような強烈にトルクフルなエンジンは仲間に委ねつつ、ジープのように緩めのハンドリングあるいはバンマス機能は私が担当させて頂き、方針、戦略、加えてアクセルの役目となる重要軍費の毎月予算策定と戦況によって瞬時にこれの修正を行い、重要事項のリアルタイムなジャッジや修正、方々への重要な指示共有、経営会議での意見の取りまとめと意思形成の過程を解説しながらその方法論や人間関係の実況中継をして言語化したりしながら、そしてこれらを少しずつ委譲してみる次世代の育成は私が行ってきたような感覚を持たせてもらっています。

ゲームウォッチが熱暴走するレベルのかなり足りない知能ゆえに、日々の負荷で処理速度が重くなり、写真の整理やブログも社業の成長とともに年々遅滞・遅筆になり、これをする気力もないままに日が過ぎていったように思います。

従前経営をしていた会社、そして当時グループに育って行っても、今と同じく外形的には、つまりは身の時間だけは暇を持て余していました。

従前は暇な時間を、さらなる次のビジネスや、副業的に不動産転売をやったり、毎日投資案件の面談も行いながらインドのIT会社とファーストミートで提携をまとめに行ったり、香港やアメリカに会社を作ったり、暇だからMAでもするか、と遊びを楽しむ感覚でM&Aとさらに手を広げ、それでも時間を持て余し暇なゆえ、本当の遊びにも力を入れ、私設雀荘を作り毎夕4時から途中仕事帰りのキャバ嬢も遊びに来て街が明るくなり出す12時間は入り浸ったり、やがては3カ月旅して飽きれば、今度は3カ月キャバ三昧し片手間でまたM&Aしプレイヤーとして儲けて飲む正当性を作り、これに飽きると、また飽きるまで旅をする、という基本ローテンションの時期もありつつ、

今は飲みにもいかず、遊びもせず、遊びに興味すら持てず気力もなく、我が子の成長と共に余す時間をこうしてしかたなく公園へ行ったり、「ママ、老後どうしようか?なにする?」と呟けば「今日ね、何気に結婚記念日なんだよ」とご教示頂きながら家でyoutubeを見ていたり、率直に私にとっては暇をビジネスへ転換・換価できないというのは、かなりの苦痛を伴う狂気の沙汰な苦行レベルであり、という中に同一ビジネスの新会社も作りましたが、子会社・グループ会社の育成も若社長へ委ねてみることになり、日々大人しくしている次第です。平日日中の公園へ行きますと、老齢の方がベンチに腰掛けて遠足に来ている子供らが遊ぶ中をひたすら景色を眺め、暇な時間の消化試合をしているように見えるわけですが、私もその仲間入りの認識をしつつ、人生の後半は公園で散歩するぐらいのさして楽しみがないから、若い方々へ若いうちにこそ楽しんでおいたほうがよいと伝えたくなる実況現場。

くどいほどに「余計なことをしない」「余計なビジネスへ手を広げない」そう念じながらビジネス立ち上げを苦行のほど我慢して、公園へ行く。他に手を出すこともせず、殊にとにかく「他にビジネスを立ち上げるという余計なことをしない」ように毎日自らへ念仏を言い聞かせているわりには、一つの経理データ塊につき、承認失念ミスをしてしまい、この1データで160件のほどの再入力手間が発生するのですが「大丈夫ですよ。がんばります💪」とメールをくれたり、「あー」とか「えー」とか言わず、他の解決手段に奔走していると逆に「お手間をとらせて申し訳ございません」とメッセージをくれたり、これに平に反省しつつの敬意を思い、我が子へもこれらを共有しつつ月末付近を過ごしました。

事業欲、好奇心で様々なビジネスへ手を広げてきた人生でしたが、方々にリソースを分散して、その業界ごとの猛者と戦うよりも、つまりはグループ経営の場合、全事業についてコントロールタワーをしながら事業トップ責任者や社長陣を当該業界の他社社長に負けぬ将に育て、勝てる環境を方々同時に整えようとすることは至難の業であったところ、今はこれを一本に絞って、リソースとエネルギーをこの事業に集中させ、しかし全国に戦場が広がっていますゆえ各地での戦は増えつつ、フィールド内にてブルーオーシャンも見つけながら、一点突破、各個撃破であえて当てていき弱体化をときに図り、私自身も「あそこの社長に負けるわけがない」と競合トップの散財ぶりまで見越して、弊社は投資額を上げ、これら戦況を思えるいち将兵として参戦し続け、業界でのシェアを上げていく方針で歩むことにしました。

多角化癖ある者が多角化せず、集中して一つの事業で戦っていき垂直展開のみを行うという方針を策定したのは、当時幼稚園の我が子が発した考え方がすべてを決めました。その考えに衝撃を受け、その考え方を抱擁し、意思決定をした次第です。

現社をスタートして二年目あたりだったか、我が子や社の若い方々を思えば、今の強みを活かせる土俵で、20年後も30年後もより安定して営める事業をと参入検討していた分野があり、

業界人や専門職の方など協力者も現れ始め、ご縁の音頭を取って下さった方が愛してやまない銀座で飲んで交友を深めたり、当該業界大手その社長氏の個人的経済事情まで情報が入りそこから人物像を想像してみたり、これは弊社が現業界で競合を凌駕して最も得意とする事項を水平展開し投入すれば、合わせてこれはかなりの勝機があると分析し考えるようになり、

数々のネゴをやり通してきたと自負している中に、相当熱心に我が子へ伝えましたが「その事業はやらないほうがいい。」「だってさ」と理由も付いての一点張りに、その「だってさ」の理由は、当時ご意見を伺ってみたN村証券の方と同じ事業リスクの指摘でありその点も瞳孔を見張りますが、こうして各論を個別に反対した上で、

今の事業に集中するべきである、という基本方針とも言える具申をもらい、今度はそもそも論的に総論です。さらには「今の会社どれぐらいやってるんだっけ?」「1年ちょっとか2年ぐらいかなぁ」「だったらさして今の事業やっていないんだから少なくともあと一年ぐらい今の会社をやってから考えてみたら?」という私が円滑な意思決定ができる呼び水的な付帯意見まで申し添えてくれました。なお昨年末あたりに現業界でのM&A案件を頂いたのですがコーポレートサイトを一緒に見て、決算書を解説しながら「この会社買えるんだよ?あっ車も持ってる。これも手に入るんだよ?」と何度聞いても「いらない。Tさん達皆がいるんだし力を合わせればこれぐらい自分たちでできるよ。自分達で作った方が楽しいよ。中古の会社はやだ」という理由付きのこれまた一点張りでした。なるほど「中古の会社かぁ。確かに」と思い、従前MAをしまくっていた者として一つの感想は「原則ガラクタはどれだけ買ってもガラクタである」と宝もあり、磨きようによってはほぼどのような会社も収益を出しあるいは向上させていけると思いますが、コアにあるのは、と散らかった子供部屋のようであり、ガラクタなことがほとんどだと率直に思うに至りました。グーグル社のユーチューブ買収、日本でいえばリクルート社のインディード買収など、真の成功事例は千三つなど可愛いものな大海で一粒のダイヤを見つけるようなものかもしれません。そしてリク社の競合は買えなかったリスクを負うことになり、一方でときにMAできないことは致命的リスクに成りえる怖さも思い、あるいはトヨタ型のように寡占化方向のMAもあろうという中、長期的将来はされる側ではなく、MAする場面も出て来るかもしれません。いずれにせよ当時同義の感想を持つことにまた驚きながら、

そんな人、大人でもいままでいなかった、そのような発想する人も周りにいなかった、そのような説得力をもって伝えてくれる人もいなかった、ということ合わせ、これは私の人生においては、最も級に鮮烈に衝撃的な稲妻が走った出来事であり、最も級に重要な意思決定をさせてもらったのではないかと感じています。そうしてコロナが来ます。他の事業を擁していたら、方々手を出していたら、今の収益を投じていたことになっていたことと想像します。いつもの温めのお湯にアイスボックスを食べながら、この日は大好きな突破ファイルを見つつ1人で20分ぐらい入っていたので、様子を見にいったときに一枚。

そうやって、過去は手を広げ多角化していた私にとって「一点に集中する」という新たな戦略眼ともいうべき考え方をこの子から手に入れさせてもらったように思い、かつ「この分野に絞る」に値するいい事業にも思い巡らす次第です。そしてその会社も5年で方々有難いお声がけや、発注のスケールメリット、ボリュームパワーを大きく感じる軒並み取引様のご対応変化つまりは仕入れの優位性が大きく向上しこれがまた大きなしかし隠れたる競争力になり、それもこの子が教えてくれた一点集中だからこそ5年で具現化してきていることを思い、隠れたる功労者であり仲間とも思い、あるいはゴールデンタイムのテレビ番組から出演依頼も頂くような会社に育ってきて、しかしお客様は勿論のこと、取引先様へも重々感謝と敬意を忘れることなく腰と頭も低くして、毎日全国でつつがなく人が動き、これもあれも内面はヘトヘトですが外観上は暇そうに涼しい顔してこうして育ってきた会社を作っている点につき、ママからは「同じ人間とは思えないよ」と、有難い精神的報酬を頂きました。昨日の寝顔に、

本日の寝顔。月末業務が終わり、週1開催とすることにした寺小屋をしてきて帰宅すれば、寝ていました。

朝が来て「パパ見て」と起きてみれば、昨日中に着工施行上棟式まで行われたであろう秘密基地第二分室にて「横浜行きたい。ダックも乗りたい」「アイアイサー」と出かけることにします。

私の最も信頼し敬愛する1人であるビジネスパートナー、将来が楽しみです。スマホがプレゼントしてくれたセレクション。