5DsR+ EF35mm F1.4L II USM
RX100M4

この旅の半月前、何かを示唆していたのか、鉄道が詳しく記された地図を見てれば「あっ飛行機」と指さしていたあの日。ちなみにこの一枚はグアムに行く前なのに、ずいぶんと焼けていますが。

グアムの旅疲れも家族一同、まだ取れない中で、次は九州へ飛ぶことにしました。

行きはスターフライヤーで北九州空港を目指し、帰りはソラシドエアで大分空港から帰る旅のプラン。この写真の男、そのルーツに触れる旅。

前日に旅を決めて、その深夜に飛行機の手配をし始めれば、帰りの便を間違えて、二泊三日で行くはずが、三泊四日の旅となることに。

この日は抱っこで、搭乗する儀式を厳かに執り行います。

羽田を飛び立ちました。前日の深夜手配で席がほとんどありませんでしたが、スターフライヤー殿の配慮で、三席並びにして頂きました。危なかったのが同じく前日の深夜ということで別空港乗り捨てOKのレンタカーを探せば、一台しか見つからずでしたが、予約出来てひと安堵。旅程も決めず、宿も一泊目しか決めないで旅立つ、主目的以外は何もかもが思いつき旅行となりました。

スターフライヤーなかなか快適です。一泊多くせざるを得ない手配ミスと思い付き続きが、この旅なりのよい思い出と小さなドラマをもらうことになりました。

幼稚園が始まる前の、本格的な最後の旅でした。気ままな旅は、当面お預けるとなるその前に、もうひと旅へ。

フライトも慣れたもの、この日もジュースのオーダーは自分で。帰りはスープを気に入って、機内販売も可愛いCA氏へ照れながら自分で注文できました。そしてこのフライトもCA氏から秘密のサービスを受けて。

北九州空港へ着きました。この旅はコンデジを携えながら、デジイチはキヤノンに35mmを付けて挑みます。この頃は既に、ソニーの50mmも手元にあり持ち出したいのはやまやまでしたが、「50mm単焦点を一泊以上の慣れない旅先に持ち出す勇気」がありませんでした。加えて、写真としても主目的があったので、それを勘案してのチョイスです。

「あ、いっちゃう、間に合わない」と言うと、スーツケースを取りに行ってくれますが、丁度20キロ、自分よりも重い物を引きずり降ろす、なかなかの体の使い方。

クルマに乗ると、即寝しました。目的地までもう僅か、少し寝かせるためにコンビニで休みがてら、電車でも。

踏切がないローカルな旅情。

撮り鉄9級から、降格になりました。ワンショット撮り「ためてためてシャッターを押す」のメンタリティからやり直しです。

と、まったく鉄道を意識していなかったこの旅ですが、このあたりから端緒になりはじめたのかもしれません、という旅となっていきます。

旅の主目的、曾祖母のお見舞いです。30倍差を越える年齢差、あるいは合わせて100歳に迫ろうかというツーショット。危ないと言われていたにも関わらず、血がつながった家人たる孫、子供たる曾孫が遥々会いに来るのが嬉しかったのか、着く前から元気になりはじめ、お見舞いのあとはさらに元気になったとのことで、ライトな病院へ転院もして、かなり快方したそうです。看病のため一時帰郷しているじぃじも入れて、写真としては主目的たる四世代の写真を撮りました。ママに似ている叔母からお小遣いももらい、病院をあとにします。

お見舞い時の写真を見返していれば「なんでばぁば寝んねしているんですか?」と敬語がまた可愛いのですが、質問されたので「みんな歳を重ねると体力が衰えて、死んでいくんだよ」と説明しました。やがてはパパも死ぬよ、と言えば「やだ」と言ってくれ、そして「じゃあなんでママは病院のベッドで寝ていたの?」と、出産時のことを覚えていたのかは不明ですが、そのようなことも聞かれました。主たる目的を果たしたゆえ、残りは三泊もありますが、ついでの観光です。まずは腹ごしらえで少しクルマを走らせました。

本場の豚骨ラーメン。例えは適切ではありませんが、味も物もコーンスープではないながら、しかしまるでコーンスープかと思うまろやかでコクがあるスープでした。

10代ぶりにスープもついつい飲み干してしまいました。ラーメンのスープはたとえ美味しくとも、手間暇がかかっていようとも、あまり飲むべき代物ではないと考えています。一気に中性脂肪値もコレステロール値も上がり、あるいは深酒を繰り返すよりも肝臓にいらぬ負担も多大にかけ、体にかなり悪い気がしていますが、そう認識していても20年以上ぶりに飲み干してしまうスープでした。

曾祖母、息子、孫、曾孫の四世代、を病室で納めるために35mmを選び、かつキヤノンの肌色で残しておいてあげたくのチョイスとしました。限られてたスペースにレイアウト、50mmでは危なかったとぞっとし、35mmでよかったと安堵しました。ちなみに入園式は2470の標準ズームを伴ってソニーの描写性能と動画性能を兼ね備えた先進性に委ねました。顔が居並ぶ入園式でも、案外にAFはカメラ任せな有能ぶりでした。

旅のラフなイメージとしては、黒川温泉も捨てがたいながら、今回は大分を起点にして湯布院あたりに泊まろう、程度なイメージでしたが、さて一泊増えてどうしよう、とラフイメージからリプランです。

国道10号の旧道を走らせながら、日帰り施設な別府温泉を目指していましたが、その前にせっかく来たので、

お墓参りもしていこうと、お義父さんともう一度落ち合って、ご先祖様に感謝しつつ挨拶をしました。

「エンジンみたい」というので、それはOKとして、エンジンに乗りたいというので、それは借りものゆえ却下したクルマを止めた先は、

福沢諭吉氏の生家を子供に見せていくことに。旅のプランも相談し合いながら写真を撮り、影を見れば翌日の空き宿を探しをする家人の姿が見てとれて。ここも以前に家人と東京からのドライブで、家人の祖母のところへ顔を出したあとに寄りました。何も変わっておらず、懐かしい風情も感じて。

「あとでシャドウを思いっきりあげてみよう」とレタッチ前提で空に露出を合わせて撮った一枚。オリジナルでは葉は真っ黒に潰れています。拡大しても撮って出しにも関わらず、かなり持ち上げてもノイズレスで、ディテールもしっかりしています。

さらにシャドウのみ、データが少なくなったはずのJPEGリサイズ画像から上げてみました。キヤノン機のダイナミックレンジが言われるときもありますが、どの機種も、今の時代、十分な性能です。
α7R II + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (SEL50F14Z)
+ NISSIN JAPAN i40

ちなみにこちらが、自宅で撮ったハイスピードシンクロの練習風景。F1.4ストロボ発光。日中にフラッシュを使う場合、通常はシャッタースピードが1/200や1/250あたりが上限となり、開放で撮ると写真のように白飛びしてしまいます。
α7R II + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (SEL50F14Z)
+ NISSIN JAPAN i40

F2.8ストロボ発光。フラッシュを使いSS1/250でも明るい場合は、次に通常絞って暗くしていく必要がありますが、どうしても開放やその付近を使いたい場合はハイスピードシンクロ(FP発光)という撮影をする必要が出てきます。SS1/250よりも速いシャッタースピードを使うという意味で、ハイスピードと呼ばれるそうです。
α7R II + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (SEL50F14Z)

こちらが、ストロボなし1/2000、F1.4。葉に露出があっているので、空が白飛びしてしまいます。
α7R II + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (SEL50F14Z)

ストロボなし、1/8000、F1.4。空に露出を合わせると、葉の裏が暗くなってしまうのをレタッチで上げるか、ストロボで照らすか、HDRを使うか、レフ板で上げるか、という選択肢の中の一つになる、かと思いますが、助手が必要になるレフ板は選択肢に入りにくいといえ、動体にはHDRは使えませんので子供撮りの選択肢には入らず、レタッチに加えて、このフラッシュ手法を、これから強い日差しで強い影ができやすい夏を迎えるにあたり、身に着けておきたいと思いました。
α7R II + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (SEL50F14Z)

フラッシュなしな上の写真のシャドウを少し上げて、かつフィルライト明確化を上げた写真です。
α7R II + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (SEL50F14Z)
+ NISSIN JAPAN i40

ハイスピードシンクロ、すなわちストロボ発光、SS1/8000のF1.4。ハイスピードシンクロは、対応しているフラッシュを使うことが必要で、先幕、後幕の間に何度も発光させるFP発光という技術が使われているそうです。一瞬に何度も発光させるため、光量は少な目です。これとは別にSS1/200前後のまま、NDフィルターを使う手法もあるようです。
α7R II + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA (SEL50F14Z)
+ NISSIN JAPAN i40

ストロボで撮った上の写真のシャドウ+フィルライト明確化を軽くあげてみました。これらを、影になりがちな強い日差しの日中の子供撮りで使うことができ、選択肢が広がります。幼稚園の帽子をかぶった登園や帰りに、帽子はそのまま、多少下を向いても、顔を明るく景色の露出は自然に、かつ背景をぼかして撮りたいので特訓しています。

私は子供撮りをしているときにピントに水平と場合によって平行は気にしつつ、かつ概ねのフレーミングをしたら構図までは余裕なく、そして「表情」と「顔の影」を優先して注視しています。動き回っているときはピントと表情はもちろん、影もリアルタイムかつ縦横無尽に変わっていきます。いい光と、ほどよい影かと思っていたら、ほんの僅か横や下を向いただけで、大きく影が支配することもあります。ハイスピードシンクロ、影の光を起こすぐらいには練習を積みたいと思います。「すーごーいーけしききれい!」と別府湾を望み、

あとで調べれば、大平山に鶴見岳を眺め、今にして思えば由布岳も見えたかもしれない別府SA。このような場面で、景色はもう少し露出を抑え雲の陰影を出しながら、子供は自然なストロボで存在感をもう少し出したいところです。

「パパもママも後ろ乗って下さーい、Aちゃん運転しますよー」と子供に運転を変ります。ホンダのフィット、なかなか静かで乗り心地よく、いいクルマでした。おどろくほど進化を感じます。この手のクルマを作らせると、日本車は世界一かもしれません。

別府温泉へ到着です。以前に家人と二人東京からドライブに来たときにも寄った日帰り温泉施設です。懐かしさも心地よく、しかし今回は家族も増えた旅先、不思議な感覚です。

別府温泉、前日宿を見たところ主だったところはほぼ空きなしでした。そこまで人気があるのか聞いたところ、丁度別府でディズニーのイベントがあり重なったとのことで、なかなかの人出に思いました。

他のではいやだと、後日も欲していたこの温泉卵が気に入って、二つもたいらげ、大分のビジネスホテルへ向かいます。道中、逢魔が時から漆黒へ向かう夜の別府湾沿いの素敵なドライブ中、子供は眠りについて、

一度起きてチェックインを手伝ってくれれば「めちゃくちゃお利口ですね」と褒めてもらい、シャワーだけし部屋でまたすぐ寝た後、私はナポリタンにハンバーグという豪勢なコンビニディナーで大分の夜を過ごしました。
九州の旅、つづく。