第一弾 High End&Hi-Fi Car Audio Sound への覇道<序章編>
第二弾 High End&Hi-Fi Car Audio Sound への覇道<Fuse編>
第三弾 High End&Hi-Fi Car Audio Sound への覇道<電源ケーブル端子編>
第四弾 High End&Hi-Fi Car Audio Sound への覇道<電源の種類とケーブル雑学編>
電源の種類とケーブル雑学編
・カーオーディオで使用されている電源の種類には
1)ヘッドユニットやアンプなどの一次側電源用は直流(DC)
2)ラインケーブル及びアンプの二次側からスピーカーへ出力される交流(AC)
の2種類があります。
なのでスピーカーは交流電圧で駆動されています。
しかしアンプの二次側ターミナルには+-と表示されているので直流じゃないの?と思われる方もいらっしゃると思いますが、理由の一つに結線時の間違い防止があると思われます。
直流での読み方は +(プラス)、-(マイナス)ですが、交流では+(ホット)、-(コールド)と言います。
スピーカーが交流電圧なので、波形は山あり谷ありとなり
スピーカーの結線を間違えると、山ありスタートになる所が谷スタートになり、位相が逆になるために音圧が低くなったり違和感を感じる音になります。
但し家庭用の交流電源とは異なり微弱電圧電流ですので触っても感電したりすることは無いですが(舐めると痺れます(^^)、ショートさせた時は悲惨な結果を招く場合があります。
ヒューズが飛ぶ程度で済めば良いですが、最悪時はアンプが壊れたり、火災も無いとは言えないので、くれぐれもご注意を!!
なお交流と言っても疑似的なものですのでテスターにてDCモードでも一応表示します。
ミッド若しくはツィーターを逆相設定にしている場合は、そこだけ逆相表示(マイナス)となるのでテストリード(測定棒)を逆に接触する必要があります。

と言っても、通常DCモードで測定する必要もないですが(笑)
・DCとACの電線に流れる電流の特性
直流電流は導体の全体に電流が流れるために効率が良いのですが(下図左)
交流電流は「表皮効果」と言う現象があり、周波数が高くなるほど導体の外側を電流が流れる特性があります(下図中)
一般的には電子レンジやインバーター等の高周波機器の世界で主に考慮されていますが
家庭用電源の50、60Hzでも僅かながら発生します。
なので送電線の中心は引張強度を優先した鋼線を内蔵し、外側に導体抵抗の小さなアルミ材が使われています(上図右端)
話がそれましたが、より高周波域の電流が流れるTWに使用する電線には導体の表面を銀でコーティングされている電線を使用すると言うのは理にかなっています。
シルバーコーティング電線は割高ですが、その分1ランク細い電線を導入する手もあります。
細くすることでSNも高くなるし、より繊細な音を再生出来るかもしれません。
ではシルバーコーティングされた電源用電線(アコハなど)を使うのは意味がない?かと言うとそうでもありません。シルバー(銀)は導体材料としては最も優れた物質です。電気抵抗率や熱伝導率的にも金属の中で最も優れています。
電線を敷設する際に最もロスが出易いのが中継点(主にターミナル部分)で、接触抵抗増加ロスや発熱ロスもあります。そこのロスをシルバーコーティングが補ってくれます。
・温度と機材の相関
基本的に、電線は温度が低いほどロスが小さくなる。
対して電子機器(ヘッドユニット、DSP、アンプなど)はある程度温度が高い方が良い
と言っても人間が耐えられないほどの高温環境は電子機器も耐えられません。
電子機器のメーカーの測定室は恒温室で一定温度(20℃?)の環境で作業しています。
かと言って車の中では常にその温度を保つのは不可能なので、オーディオを聴いている時の車内環境としては20℃~30℃(機器本体表面温度は40℃以下)が最も性能を発揮出来るでしょうね。
電線は低い温度の方が良いと言っても導体(銅線)部分の話で、導体を覆っている被服は材質の耐久性にも影響するので、程ほどが良いでしょうね
概ね0℃~40℃程度が理想的でしょう。
と言っても理想論の話で、実際にはエンジンルーム内でバッ着している場合は、接続部周辺は60℃前後になるでしょう。但し、絶対的に長い車室側はそれよりも低いので影響はありません。
その点、車室内にオーディオ用サブバッテリーを積むと言うのは、様々なロスを低く出来るのでお勧めのアイテムでもあります。
ただ気になるのは、フロアマットと吸音材をめくってケーブルをシャーシーにダイレクトに敷設している車をたまに見かけますが、シャーシーはマフラーやエキゾーストパイプの熱で高温になり易い条件下にあります。
走行中であれば、気流で冷やされると思いますが、カーオーディオの場合は長時間停車して聴く場合が多いので音響的にはお勧めできません。
また金属部分に直接触れると言う事は、被服の損傷なのでショートする可能性も否定できません。
出来るだけ吸音材とマットの間に敷設した方が良いのではと思います。
カーオーディオコンテスト会場で稀に燃料がもったいないのか事前にウォーミングアップさせずに、いきなり本番に挑む方を見かけますが、上記温度との相関で、まず入賞は望めないでしょうね(^^;
と言っても、長々とエンジン掛けっ放しの音楽流しっ放しは、これまた逆効果なので
審査を受ける20分ほど前からウォーミングアップさせていた方が良い結果が出る可能性も増すかもね
※以上、私的経験雑学なので、異論・質問などは一切受け付けません( `ー´)ノ