毎月1日新聞折り込みで届けられる埼玉県広報誌「彩の国だより」 今月は
埼玉県深谷市生まれの児童文学作家・北川千代が紹介されていました。
北川千代(明治27年~昭和40年)は、「赤毛のアン」の作者・村岡花子
の一歳年下。花子と同じく大正・昭和時代に活躍した児童文学作家です。
明治20年、明治政府は富国強兵のスローガンのもと、都市整備や土木建築
へ大量に必要とされた煉瓦の製造を目的として、渋沢栄一や益田孝ら当時の経済
界の有力者によって深谷市上敷免に日本煉瓦製造株式会社が設立されました。

日本煉瓦製造は平成18年自主廃業し約120年の歴史を閉じたが、今でも
工場敷地跡には資料館の旧事務所とホフマン輪窯6号窯などが国重要文化
財として保存されている。
北川千代の父親は日本煉瓦製造の初代工場長でした。千代は工場の社宅で
生まれ大寄小学校へ通うなど、深谷で少女時代を過ごしました。その後、東京
の私立三輪田高等女学校へ入学し、このころから「少女世界」などに投稿するよう
になり、文学活動を始めます。
千代の作品には、生まれ育った煉瓦工場の様子や近くの小山川、日本煉瓦
専用鉄道などが登場する。久しぶりに作品を読み返してみたら埼玉方言や言葉
の言い回し、赤城山から吹き下ろす空っ風や麦畑の描写など今も変わらぬ風景や、
農村のくらしの様子が細かく書かれていて妙に懐かしく感じられる。
「おらが指 こんなになっちゃった」
向かいにあったござの上で葱剥きしていた十一の真平が、
あきたように葱を投出して、泥で汚れた指を突き出すと
お母さんは気がついたように柱時計を見上げました。
「おお、九時半だね。仕事してると何とまあ時間の早くたつ
こったかな、 -イネも真平もくたびれたんべ、もうやめな」…
北川千代 著「こがらしの村」 より
NHKの朝ドラ「花子とアン」放送中ですが、ドラマの登場人物
この方 宇田川満代

画像はネットからお借りしました。
宇田川さんのモデルについては視聴者の間では誰がモデルなのかと取りざた
されているようですが、村岡花子と同年代の北川千代じゃないかとか話題に
なっているようです。原案はあるがドラマでは同年代の女性小説家らのイメージ
がオリジナルな人物設定だと思う。名前は似ているが、
あまり熱心にテレビを見ている訳ではないので判りません。でも、ドラマに
登場する女性が着る和装はかなり当時の秩父や伊勢崎の銘仙のような気が
してならない。
千代が通った大寄小学校の近く深谷市起会 大寄公民館こちらには、
世田谷区瀬田から移築された渋沢栄一ゆかりの誠之堂

使用されている煉瓦は日本煉瓦製造上敷免製 煉瓦壁ではあるが、煉瓦を
用いて創造されたすばらしい藝術作品です。
誠之堂・清風亭 | 深谷市H.P
Posted at 2014/09/04 20:53:37 | |
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