煉瓦壁面に焼きむらがある焼過煉瓦を用いたことは、この教会を建築するにあたり
信徒の寄進による浄財を無駄なく有効に使った結果なのだろうか。通常なら
焼過煉瓦は規格外の煉瓦であり、外面に施工することは無い筈だが100年経過
した今日こうして眺めると、モザイクのような煉瓦の濃淡と質感に芸術的美しさを
観ることができます。
日本聖公会・熊谷聖パウロ教会聖堂聖別100周年記念フォーラム
「熊谷聖パウロ教会の建築と教会活動をめぐる歴史」を聴いてきました。

1919年(大正8)立教大学礼拝堂などを手掛けたウイリアム・ウイルソンの設計、
渋沢栄一が設立した深谷市の旧日本煉瓦製造の煉瓦で築かれたゴシック様式の
礼拝堂です。関東大震災や昭和20年の熊谷空襲にも耐えて今年築100年を
迎えました。平成17年に礼拝堂と門は国の有形文化財に登録されています。

外部の煉瓦壁面にはゴシック様式の特徴である控壁(バットレス)を備え、鐘楼を
兼ねた入口ポーチより室内へ入ると、そこは聖なる空間であり外から見た3連の尖塔
アーチ窓はキリスト教の教義である『三位一体』を現わしているという。屋根を支える
シザーストラスという舟底のような特異な合掌小屋組みと煉瓦積みの簡素な室内は
100年経った現在も人々の信仰を支えています。
川越市内に聖パウロ教会とうり二つ礼拝堂があります。こちらもウイリアム・ウイルソンの
設計により同時期に建築された日本聖公会・川越キリスト教会です。
公演会の後はヴァイオリン独奏のコンサートがありました。素晴らしいバッハのヴァイオリン
曲を演奏中に微かに聞こえる鐘と太鼓の音が…
「熊谷うちわ祭」のお囃子の練習の音です。7月20日から「熊谷うちわ祭」です。
毎年もっと暑い季節なんですが、今年はちょっと変な空模様が続きます。
Posted at 2019/07/14 23:54:32 | |
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