先日音楽のダウンロード購入を生まれて初めてやりました。
それまでは音楽を楽しむためLPレコード、オープンリール・ソフト、コンパクト・ディスク等を
購入し、聴くときは再生機器へメディアをセットしてライナーノートでも開きながら楽しんで
いますが、
ダウンロードした曲を聴くということは、音質の良否ではなく聴くことの面白み、楽しみが
ないですね。手元に黒いお皿や小さな光ったお皿もライナー・ノートも無くジャケットを
眺めることも無い。手軽でケースががさばることもなくていいというご意見もあるでしょうが、
私はこれからも余程のこと(D/L でしか聴けないとか)が無い限りやりたくないですね。
オンラインショップに無かったので購入したのがこちらの曲。ルネサンスやバロックアリアを
得意とする英国のソプラノ歌手ルビー・ヒューズのノクターンなど情感豊かな曲を集めた。
シューベルト/マーラー/ブリテン/ベルクの歌曲集です。
オムニバス作品なのでシューベルトとマーラーの歌曲を購入しました。特にお気に入りは
《 夕星 》 D806(シューベルト)と 《 原光,Urlicht 》(マーラー)
《 夕星 》 D806 シューベルトはゲーテやシラ―などの詩を用いて多くのリート(歌曲)
を残していますが、この《 夕星 》 のように星空や自然の情景の詩を、自身の境遇と
重ね合わせて辛い気持や病弱で短い生涯の胸の内を語るようなリートが多いのも特徴
ではないかと思います。
マーラーはシューベルトが確立したドイツ・リートを引き継いだ作曲家だと思います。
交響曲に人気がありますが歌曲もたくさん作曲しています。特に民謡や童謡から曲の
題材を求めて、《少年の魔法の角笛》という10曲からなる歌曲集を作曲しました。
当初 《 原光,Urlicht 》は、この曲集に含まれていましたが、交響曲第2番の第4楽章に
転用されました。マーラーはこれ以外にも交響曲第3番と第4番に角笛の歌詞を転用して
います。交響曲第1番には声楽を伴わないが、歌曲集《さすらう若者の歌》の旋律が転用
されています。
シューベルトが交響曲と歌曲をきっちり作り分けた作曲家だとしたら、マーラーは交響曲の
楽章に歌曲やそのエピソードを用いたことで、声楽と交響曲とのジャンル間の垣根をぐっと
低くした作曲家ではないでしょうか。
"Urlicht" の重苦しく始まる嘆きの歌はシューベルトのリートのように美しいメロディ
ですね。いっそ天国へ、バンダの演奏によるトランペットの響きが聞こえる。天使に
導かれて神様の元へ行きたいと、天国への憧れが歌われています。
ピアノ伴奏版によるルビー・ヒューズの《 原光,Urlicht 》 泣けますね。
リッケルト歌曲集から、
《私はこの世に忘れられた, Ich bin der Welt abhanden gekommen》
泣けますね。

マーラーの交響曲第2番のお気に入りはマイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフラン
シスコS.Oです。といっても長い曲なので、1~3楽章はスルーしてしまうことが多い
ですが、第4楽章の独唱は、ロレイン・ハント・リーバーソン(メゾソプラノ)です。若く
してこの世を去ったメゾ・ソプラノのマリア・カラスとも称賛された素晴らしいディーヴァです。

こちらは、ロレイン・ハント・リーバーソン(m.s)/ロジャー・ヴィニョールズ(p)の
1998年11月30日 ロンドン、ウィグモア・ホール/BBCによるライブ録音です。マーラーの
リュッケルト歌曲集全5曲やヘンデルのオペラアリアなどを収録です。
ヘンデル:オラトリオ 『テオドーラ』 から、”バラ色の歩みと共に” 泣けますね。。
Posted at 2020/05/11 15:35:33 | |
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