先に、ハイドンのオラトリオ《天地創造》について書いたが、このオラトリオ英語では
"The Creation" 創造です。神がこの世を造ったとされる創世記が元ネタです。
ハイドンは曲の序奏において混沌とした無の世界を巧みに描写、創世記第1章、
1日目です。大天使ラファエルが語る。始めに神は天と地をつくられたと、
次にラファエルと合唱が語る、神はいわれた「光あれ」と
すると、「光」があった。 und es ward Licht
オーケストラが突然、ジャジャーンと大音量で神のいかづちのようにハ⾧調の和音を
鳴り響かせる。初めてこのオラトリオを聴いた時の印象はこの合奏に尽きました。
ハイドンさんはこの合奏でジャーンという着想を、《天地創造》を作曲する数年前に
既に温存していたのかもしれない。ロンドンで作曲している交響曲第94番ト長調
《驚愕》 別名『びっくりシンフォニー』です。
当時の聴衆はマナーがかなり悪かったらしく演奏中に寝てしまう輩が多かった
みたいで、茶目っけハイドンさんは第二楽章のゆっくりとしたアンダンテの主題を、
始め小さく次にもっと小さく演奏しその最後にティンパニと合奏でジャーンとやって
寝ている聴衆をビックリさせたらしい。
ところで今の聴衆はこの程度の合奏大音響くらいでは驚きませんが、ルーヴル
宮音楽隊の指揮でお馴染みにマルク・ミンコフスキさんも結構お茶目です。
作曲家ラモーは管弦楽曲を残していないと、ミンコフスキは自ら選曲したラモーの
オペラや舞曲を管弦楽曲にアレンジして偉大な作曲家へオマージュとして空想の
シンフォニーを作ってしまったり、その演奏も新鮮で驚かされたりミンコフスキのCDは
初めて聴くときワクワクします。
で、ミンコフスキさん指揮の第2楽章は、こちら
演奏はお馴染みの手兵、ルーヴル宮音楽隊
マルク・ミンコフスキさんは現在、オーケストラ・アンサンブル金沢の芸術監督に就任
されています。この秋にはOEKベートーヴェン全交響曲演奏会に出演が予定され
ていたが、来日見通しが立たないたそうです。2021年シーズンに期待したいですね。
都響音楽監督、大野和士氏のオラトリオ《天地創造》 楽曲解説がYouTube に
ありました。
https://www.youtube.com/watch?v=C76DZsQs_OU
Posted at 2020/10/15 23:17:13 | |
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