車関連メディアの記事によると、クルマを運転中聴くと最も危険な曲第1位は、
ワーグナーの「ワルキューレの騎行」だそうです。2,3,4位は私の知らない曲だが5番目
はヴェルディのレクイエム「怒りの日」ディエス・イレとあった。こうした音楽を聴いていると
心臓の動悸が早くなり、血圧があがるためだという。
何dB以上か忘れたが大きな音量でこれらの曲を聴くと、ドライバーの危険回避の
動作は約20%遅れるというらしい。「ワルキューレの騎行」と言うと、コッポラ監督の
映画『地獄の黙示録』の中で、ヘリ部隊の隊長キルゴア中佐がヘリから大音響でこ
の曲を流し、敵を威圧して自身を鼓舞して攻撃する場面が思い浮かびます。確か
にワーグナーの爆発的な楽曲をドライブ中聴くと気持ちが高ぶりそうですからね。

声楽曲,オペラが好きな私はワーグナーもよく聴きます。(ドライブ中も)
歌劇《リエンツィ》は壮麗な序曲が吹奏楽でもよく演奏されるお馴染み曲ですが、27歳の
若きワーグナーの出世作です。合唱曲、バレエ曲、行進曲とグランド・オペラの要素を
すべて踏襲した大作ですが、自身の作品上演のために建築したバイロイト祝祭劇場での
演目に含まれていない事と、ナチズムのプロパガンダに利用された関係でしょうか。
他の楽劇に比べ上演頻度も少ないためCDもあまり発売されていません。ワーグナーの
生前は最も多く上演されたオペラですが残念な限りです。
ヒトラーが若い時このオペラを観てドイツ民族を救済するために政治家になる野心に
突き進む契機となった曲と言われているが、このオペラは14世紀ローマが舞台、主人公
リエンツィは貴族の横暴からは民衆を救済するために立ち上がりローマの護民官になり
ますが、貴族が再び陰謀を企てて民衆を煽動し反乱を起こしリエンツィは炎と共に崩れ
落ちる館で息絶えるという内容のオペラです。
今日はリヒャルト・ワーグナーの命日(1883年2月13日没)ということで、歌劇《リエンツィ》
WWV.49 全5幕,を聴きます。だいぶ昔買ったCDですが、

演奏はこのオペラが初演されたドレスデンの歌劇場(ゼンパー・オーパー)専属オケの
シュターツカペレ・ドレスデンとドレスデン国立歌劇場合唱団、ライプチヒ放送合唱団
指揮はハインリヒ・ホルライザーによる1974,76年セッション録音です。タイトルロールの
リエンツィにはルネ・コロ(テノール)、最初から最後まで圧巻の素晴らしい歌唱と、バンダ
を含む大編成の楽器群と鐘、オルガンも登場する(聖ルカ教会での録音だから当たり前
か)圧倒する演奏は聴きごたえあり、他のソリストも70年代に活躍した名歌手がずらり、
合唱の出番が多いのもこのオペラの特徴です。
偉大なるローマよ!ローマを自由に!
Santo spirito cavaliere!
Posted at 2021/02/13 17:22:08 | |
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