CX-5が走行距離1万kmになり、ちょっと冬になったのも重なり、燃費が落ち込んできたのも気になって
フィルター(エンジン吸気用エアエレメント)を社外品へ交換してみようかと思いました。
高額な「スポーツインダクションボックス」に交換したいのは山々ですが、
マルビ(○貧乏)の僕にはムリ!なので、
「あまり高額でない、純正交換タイプのエア・フィルターを選んで交換!」
に焦点を当ててやってみました。
なお、私自身は抽象的でなく、具体的な数字で納得したいので、当比較は、あくまでks流であり、「私自身が納得するだけの方法」ですので、理論的・工場的 そして公正ではありません。 そこをご理解いただき、自己責任でお読みください。
さて、まず比較の手段として、下記のようなステージをセットしました。
精密バイス(万力)にヒートガン(ドライヤー)をセットし、比較したいエアフィルターを送風口に当て、通過した風速を測定し、各社の通気性能を比較しました。
比較対象は
①純正新品エアフィルター
②純正中古(1万km走行後)
③K&Nフィルター( 品番 33-2480 ガソリンKE系用)
(番外編)
④Prok製エアフィルター(レース用フレームアレスター)
まずは 比較のベースとして、
エアフィルター無しでのヒートガンの風速は5.0m/sでした。
次は各社 各コンディションのエアフィルターの通気抵抗測定です。
マツダ純正新品のエアフィルターは0.9m/sでした。
おいおい、
風速は1/5以下にも下がってしまうんですね!
意外に大きい抵抗!というより、超~抵抗大きいですね!
ディーゼルエンジンの様に過給器(ターボ)を持たないNAガソリンエンジンは吸気性能は直接エンジン性能・フィールに影響します。
通常、素性のよいNAエンジン(ノーマル・アスピレーション:自然吸気)は4サイクルの吸気充填率70%と言われていますので、これを損なわない様に数字で選びたいというのが、今回のトライです。
中古(1万km走行後)のエアフィルターも0.9m/sでした。
僕はまめに月に一回くらいのペースで、エアガンでエアフィルターの清掃はしていましたので
外気側のフィルター表面も、ごく薄く汚れているレベルでしたが、
1万kmでは 数字では差がでないですね。
「メーカー推薦の3万kmで交換」というのもあながち間違いではなさそう。
空気抵抗的な数字では、まだ まだまだ使えそうです。
今回、比較のために純正新品のフィルターを購入しましたが、
1万kmでは まだまだ使える数値結果だったので、
購入したのは、ちょっともったいない感じもしましたが、、、
K&Nフィルターは オイルを掛ける前のドライで1.3m/s
専用オイルをスプレーしたあとのウエット状態で1.2m/sでした。
湿式フィルターはオイルをかけすぎるとエンジンが吸気不足でA/Fが下がって不調になるので、
ポンプミスト式ではなく、 薄く均等に噴霧塗布出来るエアゾール式の専用オイルを使いました。
また、エンジン側面は あまりかけすぎると、エアフローセンサーに飛沫が飛んでよごすので、これもご法度です。
オイルをエアフィルターに塗布しても ほとんど吸気ロスの変化はごく小さいのには安心しましたが、
↑
メーカーのうたう「50%流量アップ」まではいきませんでしたが
ウエットでも純正新品フィルターの30%流量アップが数字として確認出来ました。
ということで、新品エアフィルターは 性能の向上は見込めなかったので
K&Nのフィルターをチョイスすることにしました。
なお、K&Nフィルターは 定期的に専用洗剤で洗浄掃除が可能ですが、
これも、ks家では、もともとモトクロッサーではエアフィルターを清掃することは
日常茶飯事なので、逆に 任意に清掃出来ることは良いことなのでチョイスのポイントにもなりました。
娘も、ちゃんとモトクロスの練習後は、エアフィルターをばらして、灯油で洗って、またTwinAir製ウレタンフィルターにオイルを染み込ますメンテナンスを毎回しています。

やっぱりNAエンジン(自然吸気エンジン)は、吸気の抵抗は非常にシビアですから。
【吸気抵抗(風速)まとめ】
(比較ベース) フィルター無し:
5.0m/s
①純正新品エアフィルター 0.9m/s
②純正中古(1万km走行後) 0.9m/s
③K&Nフィルター( 品番 33-2480 ガソリンKE系用)
ドライ 1.3m/s
ウエット 1.2m/s
④(参考)Prokエアフィルター 2.2m/s (後述)
【K&Nフィルター装着後のインプレッション】
・装着直後は アイドルングが不安定になり、エンジンが止まりそうになりました。
逆にいうと、「燃調が狂うほど、空気量(A/F)が増えた!」と言えます。
ブルブルというエンジンの不調の振動は すごく不安にはなりますが、
エンジンが学習して燃調があってくれば期待が持てるし、
燃調が狂うぐらいでないと、社外品を付ける価値は無いということです。
ちなみに 空気量のフローセンサー(見ると
ホットワイヤー式の様です。カルマン式ではなさそうです)

フローセンサーはホット・ワイヤーが曲がらないように 軽くエアガンで吹いて念のためにクリーニングはしておきました。
【燃費改善について】
100kmほど走ってCPUに現状の燃調を学習させた後(どのぐらいで学習し終わるかは不明 一応 アイドリングのバラ付き無しになりました)、
比較用のいつも遠出で通っている郊外の空いている夜のある(場所は内緒!)の国道で同じ50km区間を今まで
11.1km/Lが →13.4km/Lに改善!(約20%改善)
まだ、ジリジリ燃費は良くなっているので、あくまで現時点です。
【アクセルフィールの改善】
・1500rpmでパーシャル60km/hで走っている状態からからポン!と小さくアクセルを踏み込んだ時のレスポンス遅れがなくなりました。
・ガバッとアクセルベダルを踏んだ時に、ブン!とエンジンの回転数が遅れず3500rpmを軽く飛び越えます。 軽量フライホイルに交換した感じです。
ひと踏みでエンジン回転は軽く3500rpmを飛び越えますが、
ディーゼルT車の様に車速としてリニアに背中を押し続けられる感覚は出ませんが、エンジンの吹き上がりのレスポンスは非常によくなりました。
【番外編: レース用エアフィルター(フレームアレスター)】
ボクのジェットスキーのキャブレターで使っているレース用エアフィルターは、海の上では 土埃も立たないため、ほとんど防塵機能はなく、K&Nの様なコットン層はありません。、
基本、エンジンルーム内で脱落したボルトを吸い込まない為と、吹き返しの逆火
(バックファイヤー)を消炎するため(フレームアレスター機能)に荒い金属メッシュだけが付いているエアフィルターも 同じように風速の変化を計ってみました。
計ってみると、
風速2.2m/sが出ます。
マツダ純正エアフィルターの2.5倍の通風量です。
ま、集塵機能がないので、レース用のこれをそのまま使う気はないのですが、
このProk製は、きのこのトップが、内側に向かって「水飴を引っ張った様に
漸近的な立体デザインで空気をパイプに導く!」デザインになっています。
この流体工学的なデザインが好きで、Prokのエアフィルターを使っています。
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ボクとしては
・N/Aエンジンは吸気の上流から下流に向けて
・ターボエンジンは 排気系から上流に向けて
をチューニングの優先順位と思っているので、このジェットスキーのエンジンも吸気系は結構手を入れています。
(ポート拡大&タイミング変更)
このエンジン(2st)は、、排気ポートタイミングはUSAの排ガス規制に合わせてエンジンの出力特性をを排ガス優先でマイルドにしています。

上のイラストは、シリンダーのポートの展開図ですが、
詳細寸法などはノウハウのの為、詳細をぼかして説明してます。
燃焼温度を押さえながら良く回るエンジンになるようなエンジン仕様としています。
ま、メンテナンスフリー(を保証するモノでは有りませんが)でサンデーレーサーに向く仕様です。
それに音も静かでパッと見はノーマルエンジンです。
加工としては2ストエンジンの王道の加工ですが、特色有るのは掃気ポートの一つを大きく拡大して ピストン側にもそれに対応する加工を施し、(冷たい)新規ガスがピストン裏を通過してピストンヘッドを冷却するようにもしています。
ここの部分はマル秘です。
上がもっと回る基本性格を作るために排気ポートは上方に拡大し、幅も拡大し、上弦もカーブを直線に近づけて排気ポートが開いた瞬間に排気が効率よく行われ、その分吸気が入り易くなります。
ただし、排気ポートが上がるとその分圧縮行程が減りますので、圧縮が落ちます。 これを補うためにコンプレッションを上げますが、通常はヘッドをを大きくスライスしますが、それじゃパッと見でヘッドを削っているのはわかりますし、厚いワッシャーも入れ無ければなりません。
また、ヘッドはスライス下だけではスキッシュエリアが死んでいるエリアが出来るので、周辺にデトネを発生する領域が出来てしまいます。 ですので、ヘッド側は燃焼室を作り直すに必要な分だけ削りますので、ほとんど全高は面だし以外には削ってません。
上の写真はks号のポートで、シリンダーの下から取った写真です。ポートの上弦(写真の下側)は、写真では直線に見えますが、イラストの様に緩やかな曲線を取ってます。
ちなみに、純レーサーのRS125と 上記のジューニングする前のks号の800SX-Rのポートを比較すると、下のような写真です。
純レーサーのRS125は 排気ポートが入気ポートの上までかぶって、更に中央にブリッジがあって、ピストンリングがポートに引っかかるのを防止しています。
話はすこし飛びますが、2017年モデルのCX-5はピストンリングが上下動方向に異型で(レーサーはもともとそうですが)、ピストン上下動の摺動抵抗を下げているとのこと。 こういったレースのフィードバックが生かされているんですね。
(クランク芯出し)
クランクの曲がりや開きを取るのが、俗に言うクランク芯出しです。
下の写真は一体式のクランクの偏芯を測って曲がりを取る作業ですが、ジェットのクランクは組み立て式のクランクですので、曲がり取り以外に各部の圧入部分が微妙にずれてますので、これを銅ハンマーなどでたたいて手作業で合わせていく作業が入ります。 当然Vブロックやダイヤルゲージが無いと判断出来ません。
だいたい一般の標準市販車で偏芯量はバラツキの範囲で1~5/100mmぐらいですが、これを修正かけると一般のオーダーで2/100以下に修正します。レース用なら1/100以下に調整します。
これになるとエンジンの振動が非常になめらかになります。
(注:上の写真はJetのクランクではありません)
と、色々 目立たぬ様な手は入れています。
さてさて、CX-5に話しは戻って、
マルビ系エアフィルターエレメントのチョイスの判断はこれで終わりましたが、
マルビ(○貧乏)のksとしては 次の目標は 純正の入気の部分の形状です。
下の写真をよ~く見てください。
マルビのボクをわかってくれる人なら
ボクが次に何をしそうか、なんとなく想像つきますよね!!
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この吸気口の形状Mod.は また 次の記事に書きたいと思います。
To be continue ~! o(*⌒O⌒)b
追記) その後、この給気口の面積を2倍に拡大しました!
【追記】
2019.5.26) N-BOX 走行25000kmで中古純正フィルターで0.6m/s
【東京オートサロンで K&Nさんに突撃インタビュー!】
↓↓YouTube動画で通風量の比較↓↓
K&Nさんのピンポン玉テスターを使っての
純正、アフターマーケット、K&Nフィルターの比較 ↓