
今まで散々、ひどいタイヤノイズに悩ませれていました。。。
室内のすべてのシートを引剥し、デッドニングし、
タイヤハウスも、内張りを追加し、
これらをしても、収まらない、タイヤノイズ。
タイヤのバランスウエイトも、一度剥がし、
ホイルバランスを取り直しましたが、やっぱりダメ。
フロアパネルを通じて、足裏に伝わる振動を感じ、
これは、タイヤノイズでは無いね。 ホイルベアリング? あるいは 等速ジョイントやドライブシャフトのガタか??とも 疑い、
ディーラーに4輪を上げてもらい、無理を言って リフトで上げたままで 60km/hのスピードを出してもらい、
担当サービス(最近ファンになった近藤さん)と一緒に車の下に潜っても、
回転系は滑らかに周り、異音を出してはいませんでした。
消去法では、もう、タイヤノイズというしかありません。
タイヤ DUNLOP GRANDTREK AT3 265/70R16
しかし、やっぱり、タイヤノイズにしては、フロアへの振動まで伝わるモノなのか??と納得できずに モヤモヤしていました。
モヤモヤしながら、国道16号線の川越近くを走っている時に
ふと目についた、(正直言うと、前から気になっていた)
ブリジストンの
「タイヤ館さやま」です。
なぜ、このタイヤショップが気になっていたか。。というと、
だいぶ前、たまたま、16号線で信号待ちでこのタイヤ館の前に停車すると、
道路の反対側のこのショップの中の一人が 僕のCX-5を見つけ、
メカニックさんが店から眺めに出てきました。
そうすると、ショップ内のサービスマンが全員がわざわざ 店から出てきて、信号待ちしている(道路の反対側の)僕のCX-5を見に来たんです。
その時、思いましたね。
「あ、このショップの人は、全員、車好きなんだな~!」って。。。
もし、タイヤショップを選ぶなら、こういうお店だよね!と だいぶ前から思っていました。
対して、僕の行っているマツダのディーラーは、
初めて、この「フルラッピングのCX-5」でディーラーに入った時、
サービスの人たちは、後ろ手にちらっとこの車を見て、
そのまま、視線を自分が手がけている車に戻して、モクモクと整備作業を続けました。
その時、思いましたね。
「あ、この人達、車 好きじゃないんだ。」
そういった経験のあと、好対照の「タイヤ館さやま」のメカニックの人たちの姿をみていたので、
たまたま、タイヤノイズで悩んでいたので、初めてですが、Uターンして「タイヤ館さやま」に入ってみました。
駐車場にバックで止めると、一人のサービスマンが近寄ってきました。
あとでわかりますが、「
チーフの矢作氏」です。
*今は さいたま新都心店です。
ざっと、今までの経緯を説明し、
振動も出ているほどのタイヤノイズで悩んでると説明し、
「こういうタイヤノイズって、アライメント調整で治りますか?」
とお聞きすると、矢作氏は、
「アライメント調整では治りませんね。」と、あっさりの回答。
「ちょっと待って下さいね」と矢作さん、
タイヤをしげしげ眺め、タイヤを手の平で触り始めました。
「
わかりました!これですね! これ、わかりますか?」
「タイヤのブロックが偏摩耗して、斜めの台形に削れています。
この削れ方は、タイヤの空気圧が低く、かつ、運転者の運転が スタートが激しく、ブレーキも強く踏む運転の癖の時に、ATタイヤは 雪も走ることも考えて、柔らかいコンパウンドだと、こういう斜め台形の偏摩耗になるんです。」とのこと。
続いて、矢作さん、
「いいですか~? こうやってタイヤを反回転方向に撫でると、指が引っかかるでしょう~! 、でも、回転方向にタイヤを撫でると、手のひらが住むーずに滑っていくでしょう?」と示してくれます。
目ではわかりませんが、確かにタイヤを撫でると、スムーズに滑る方向と、ガタガタと引っかかる方向があります。
矢作さんいわく、「これを解消するには、急発進、急停止の運転の癖を治すか、タイヤの銘柄を変えるしかないですね。」
「ただ、前輪に比べ、後輪は、斜め台形の偏摩耗度合いが、まだ少なく、
タイヤをクロスにローテーションすると、引っ掛かりの方向も反対側になるので、
まずは、クロスにローテーションされてはどうですか?」とのこと。
僕は「アドバイスありがとうございます。こちらでローテーションをお願いすると、おいくらですか?」
「○○〇〇円(リーズナブル)ですが、ディーラーに頼んでみたらいかがですか?ウチより安いかも。。」と、商売っ気ない 謙虚な回答。
僕が、「今までさんざん悩んでいましたが、タイヤの微妙な摩耗度には気が付きませんでした。 すごい観察力と洞察力ですね。」と申し上げると、
矢作氏は
「僕は氷上トライアルや、ダートラなどをやってましたから、
タイヤパターンの大きいブロックの変化も常にみていましたから、
こういうのはわかるようになりました」とのこと。

やっぱり、高いレベルで極めた人は違うね~!と感心しかり!!
ヒールアンドトウ磨耗 解説
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/katanokoranai85-1.html
東洋タイヤ :ヒールアンドトウ磨耗 解説
http://toyotires.jp/faq/tire/s_tire_09.html
http://lead-auto.co.jp/hoill/hoill3.htm
横浜ゴム:特許 ヒールアンドトゥ摩耗を防止するタイヤパターンデザイン
https://astamuse.com/ja/published/JP/No/2010202079
(以下、特許の抜粋)
ブロックには、いわゆるヒールアンドトゥ摩耗(偏摩耗の一種)が発生しやすいという問題がある。
ヒールアンドトゥ摩耗は、タイヤの制動力によってブロックがタイヤ回転方向に繰り返し剪断力を受けることにより発生し、
ブロックの蹴り出し側が高い接地圧となって摩耗が多くなる一方、
ブロックの踏み込み側は接地圧が低くなる分、路面との滑りによる摩耗でエッジ部が薄く延び、
この延びた部分が路面を叩く打音によって騒音が増大する。
特に、前述のようにタイヤ周方向の
長さの異なるブロックを配列した場合には、タイヤ周方向の長さが大きいブロックの剛性が高く、タイヤ周方向の長さが小さいブロックの剛性が低くなるため、
ブロックのタイヤ周方向ピッチの差が大きくなるほどブロックの剛性差によるヒールアンドトゥ摩耗が発生しやすくなり、ブロックのピッチ配列の自由度が大きく損なわれるという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
タイヤ周方向の長さの異なるブロックを配列しても、ヒールアンドトゥ摩耗を効果的に抑制することのできる空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、タイヤ周方向に延びる縦溝と、タイヤ幅方向に延びるラグ溝と、縦溝及びラグ溝によって区画形成されるブロックとを備え、タイヤ周方向の長さの異なるブロックをタイヤ周方向に配列した空気入りタイヤにおいて、
タイヤ周方向の長さが最も小さいブロック以外のブロックのうち、少なくともタイヤ周方向の長さが最も大きいブロックの蹴り出し側端部にタイヤ周方向に延びるサイプを設けている。
横浜ゴム:ヒールアンドトウ磨耗を見てわかるようなタイヤの工夫の特許
http://www.ekouhou.net/%E7%A9%BA%E6%B0%97%E5%85%A5%E3%82%8A%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A4/disp-A,2007-22172.html
こう見ると、東洋タイヤさんは、HPで「ヒールアンドトゥー摩耗」の解説を多数しているし、
横浜ゴムさんは、「ヒールアンドトゥー摩耗」を、タイヤのデザインで防ぐ特許なども出されており、
こういったところで、メーカーさんの考えや詳細技術が良くわかります。
対して、ボクの履いているダンロップタイヤ(住友ゴム)は
HPに解説も少ないし、
「ヒールアンドトゥー摩耗」の特許も、カーカスに施すモノはあっても、タイヤのデザインパターンに関するモノは見つけられませんでした。
特許で勉強しちゃってから、自分のタイヤのパターンをじっと見ると、

タイヤ DUNLOP GRANDTREK AT3 265/70R16
確かに、サイドショルダーのブロックは 大小が連続しており、
「ヒールアンドトゥー摩耗」した時のノイズを誘うパターンであり、
また、でかいブロックが小さいブロックに対して、強度のバランスを取る細工は見られません。
ダンロップさん、1万キロを走った時の摩耗も考えて、デザインがんばってくださいね!!!
ダンロップの技術関係者の方々、匿名でもいいから、コメントくださいね!
さて、2017/07/02に近所のスーパーオートバックス羽村店でタイヤローテーションを行いました。
ローテーションだけでは、タイヤノイズは解消しませんでしたが、
これからしばらく走って、台形で斜めに異常摩耗しているところが、
削れてくると、悩んでいたフロアパネルまで振動してしまうひどいタイヤノイズも解消するものと期待しています。
みんカラの皆様も、あと、1000kmほどお待ちください。
あ、この現象は、ボクの様なブロックの大きい AT(オールテレーン)タイヤに出やすい現象ですので、
皆様のCX-5に普通に履かれているスポーツ系のタイヤでは、多分出ない問題かもしれません。 ^^;
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2017/07/05 05:44:25