私たち夫婦がロードバイクを初めて間もない頃
妻がエモンダALRに乗り、私がエモンダSLに乗っていた頃。
FulcrumのRacingZEROというホイールを買って、ホイール交換だけでも随分と効果的!走りが変わった!(その時、妻は店長の手組軽量ホイールを使ってました)
そんな経験を経て、フレームのハイエンドって実際に乗るとどう違うんだろう…
なんて興味を持ちだしたところ店長にお話しをお伺いしたら
店長「ホイールの違いによる体感差ってのは非常に大きく、わかりやすいんですけど実際に乗れる(走れる)ようになってからは、ホイールの違いよりもフレームの違いがもたらす効果の方が実は大きいんですよ」
なんてお話しを聞いて「マジっすか…」と驚いた事があります。
それは後程、私自身がMadone SLR6というモデルの試乗を通じて経験するんですけれどね。
Madone SLR6にはAeolus comp5という良く知ったるホイールが装着されてまして、それのカスタムホイールも経験していますしAllez sprint comp discのホイールカスタム時に代車じゃないですけどノーマルComp5も貸してもらったりして経験しているから知っていたんですけど
ノーマルComp5は乗った感じは以下の通りです。
・10万円という安さの割には走る。
・でも、やっぱりスポークやハブでコストダウンを図っているので値段の割には走るけれど、(カスタム後のホイールを知っているだけに)走りは重い。
悪くはないんだけど、ノーマルComp5はちょっと重い。
それを知っていただけに、Madone SLRの試乗とは言えMadone SLRのフレームに対して良い印象を持てないんじゃないだろうか…試乗車だけにフラットペダルだし…なんて不安を感じながら乗ったんですけど、以前から拙ブログを読んでくださっている方なら知っている通りで、ホイールの印象を超えてむちゃくちゃ走る!フレームでこんなに印象が変わるの!?なんて興奮気味のブログを過去にあげました。
それくらい、店長のおっしゃる通りフレームで走りの印象や性能って実際に変わるんですよ。
ただ、それをタイムとして取った場合は良くも悪くも結局は乗り手の性能次第なんですけれどw
自分の足で漕ぐ乗り物だけに、そこは避けられない宿命なんですがそこまで乗り手が感じるフィーリングは変わるんですよ。
んで、乗り手が一緒+タイヤや空気圧も一緒の場合は素直に結果に出ます。
実際、登りが苦手な私がMadone SLRに乗ってヒルクライムにあまり向いてないAeolus RSL62というディープリムホイールを装着して、どんどんPR(Private Record)更新しまくり続けているっていうのがひとつの事実だと思います。
前置きが長くなりましたが、それくらいフレーム性能の違いによって結果が変わるって事実を体験を通じて「店長の言ってる通りだった」と痛感しているんですよね。
んで、話を戻して。
妻のEmonda SLRはそんなロードバイクを初めて間なしのタイミングで運よく売りに出てきた中古フレームなんですよ。
中古と言っても総走行距離は200kmも走ったかな…という超ウルトラ美品。
新車と言っても過言ではないほどの、試乗車あがりよりは確実に程度の良い個体だったんですよ。
私は飛びつきました。
私が乗れないサイズなんですけどw
妻に良い体験をしてもらいたいという一心もあって、飛びつきました。
いくら仲間内での販売とはいえ、元がプロジェクトワン品でアッセンブルも贅沢そのもの。
全てのベアリングがCeramicspeed社の高級セラミックベアリングに置き換わり、構成コンポーネントはフルでDURA-ACE(Di2)
ホイールもハイエンドな品物。
それの半額…という、程度からすればあり得ない好条件とは言え
ロードバイク始めたての我々にとって、当時の精神的な壁を突破するに至りませんでした。
今なら余裕で(どうせグレードアップしていくなら、最初から揃えた方が安いから)そのまま買ってると思いますがw
当時の我々では「良いのはわかるけれど、手が出ない」
そこで店長が「バラ売りもできますよ!」とご提案。
フレームセットとして買わせていただいて、R8000アルテグラの機械式で組んでいただいて、ステムやハンドルはアルミでも良い製品を選んでもらって軽さを実現しつつもコストを抑える。
そういう買い方で買わせてもらった個体なんですね。
それから、3000km…は乗らせてもらったでしょうか。
当初は「SLRなんて高級なモデル…」という意識が強く、なんでもないところを走るならエモンダALRで乗り、輪行するなら小傷が付く恐れが怖いんでALR…って感じで距離が分散していた為。
ドグマを購入後もSLRとドグマで走りに行く場所で乗るのを変えてましたが、それでも走行距離は分散しますよね。
そして、妻はヘルニア持ちなんですがヨガやこういう運動を通じて筋肉で抑え込んでいて症状が出てなかったんですが、昨年頃からじわっと症状が出るようになりましてロードバイクで長距離走ると左足がちょっと痺れる…と訴えるようになりました。
そうなると、リム内幅が広くて同じ走行性能を実現する場合でも空気圧を抑えられるディスクロードの方が有利になりほぼドグマしか乗らなくなりました。
半年間ほど悩んでいたんですよ、売るのがもったいないので。
それでも、悩んでいた半年間で気付けば妻のエモンダSLRは出番がゼロだったんですね。
それでも輪行を考えた場合はリムブレーキの方がリスク小さいので、エモンダSLRはやっぱり売らない方が良いよねって考えだったんですが、ダホンK3を購入した事で転機が訪れました。
思いのほか、現在の妻にダホンK3がぴったりフィット。
それは精神的な部分が大きく占めます。
ダホンがあったら、エモンダSLRにはもっと乗らなくなる。
いくらメンテしながら保管するとは言え、乗れる人に乗ってもらった方が良いんじゃないだろうか。
という事で売りに出したんですけど、フレームサイズが47と小さい事がまずひとつ。
次にサイズはOKでも、プロジェクトワン物件じゃないと注文できないレーシングジオメトリーの「H1フィッティング」というフレームジオメトリー。
(要するにレーシーな姿勢で乗らないといけないと思ってください)
さらに、ハンドル取付高さがほぼ下限ギリギリいっぱいまで切断されたフロントフォークのコラム。
サイズと乗り手のポジション的に、むちゃくちゃ人を選ぶ要素が強くて何人かの方から引き合いがあったものの、そういう要素で売れなった。
じゃあ、店長に委ねてオークションで売っていただこうか…
残念だけど…
という流れの時に、今年の富士ヒルにかけておられて決戦用のホイールを店長に依頼して手組してもらうほどロードバイクに入れ込んでいる青年が居たので声を掛けたんです。
試乗して彼はこう言いました。
「リムブレーキが…」
現在の油圧ディスクしか経験なかったら、そうなんでしょうね~。
そこは私も盲点でしたw
確かに、リムブレーキモデルはブレーキをかけ始めた初期は制動力の立上りがとってもマイルドなんですよ。
特殊なブレーキシューなどを使っていたらまた違うんでしょうけれど。
でも、そこから握りこんでいった先の制動力は実はそんなにディスクブレーキモデルと大差ありません。
カーボンリムや雨天時走行では、また話しは変わりますけど
アルミリムで純正のゴムシューで乗ったら、実はさほど差がないんですよね。
制動力は。
私がリムブレーキモデルが今でも好きで、さんざんエアロロードやグラベルロードなど様々な油圧ディスクモデルを体験した後でも「最後のリムブレーキとして最高のモデルを組んでみたい」と画策しているのは、リムブレーキは見方を変えると直径622㎜のディスクローターで制動をコントロールしているのと一緒なんですよ。
なので、最初に買ったエモンダSLでダウンヒルする場合。
DURA-ACEのキャリパーへ交換した後だから余計にその特徴が顕著なんですけれど、物凄く乗りやすい上にコントロール性が高いんですよ。
路面のグリップが不安定になるほど、リムブレーキの制動フィーリングは優れているんですよね。
ロックしにくさがそのまま制動コントロールの優位性に繋がって(ロックももちろんできます)実際には制動距離に差がないか、乗り手によってはリムブレーキの方が制動距離が短いまであり得るんですけど。
そういうのを知ってるが故に…
決して、「リムブレーキだから」ってのがハンデにならないという「思い込みw」
後は、ちょい乗りでも体感通じて違いがわかっておられるとは思うんですけど、やっぱり走り慣れたコースでその違いを体験してもらわないと「やっぱ欲しい!むちゃくちゃ欲しい!」ってならないでしょうね。
リムブレーキの制動フィーリングがハンデになってしまっている以上は…。
ちょっと残念でした。
この話をお店で出した時、一番喜んでいたのは実は我々でもご本人でもなく店長でしたw
店長からすれば、現在ご本人が乗っている現行のエモンダSLにアレコレ手を入れていくよりも、旧型になっちまったとは言え当時最高峰のエモンダSLRフレーム。
しかも、ディスク化で失ったバランスの良さを持つと同時に現行のエモンダSLRのフレームセットよりも塗装済みの実測重量でフォークとフレーム合わせて100gかそれに近いくらい「軽い」
100gでそんなに変わる!?って話しなんですけどね。
ヒルクライムに限って言えば、割と変わります。
というか、そういう小さい数値の積み重ねで結果が大きく変わるんですよね。
現状の彼の構成は借り物のR6800アルテグラクランクセットに105の構成です。
それがフルでアルテグラのアッセンブルに変わり、しかもリムブレーキ。
ディスクとリムブレーキってだけで300g近い重量差が発生します。
そこへ来て、ほぼ105構成からフルアルテに変わるので、そこでも300g近い違いがあります。
さらに、640gのフレームに323gのフォーク。
それぞれ塗装済みでも720gと356gです。
実に1kg近くもフレームと構成コンポだけで重量差が生まれるんですよ。
さらにカーボンレイアップがSLとSLRで、私自身がMadone SLRで体験した通り踏んだ先のフィーリングと進み方の違いを生み出します。
重量差よりも、進むか進まないかの差がそこでもあるんですよ。
元が完全競技用フレームですからね…SLRは。
SLは市販車チューニングカーと仮定したら、SLRはWRカーとかそんな競技車両と同じです。例えが適切かどうかわかりませんけどw
希望価格で売れなかったので、ライド仲間ですし下取りに出した時の相場価格まで下げて譲りましょうかと言ったんですけどそれでも彼は首を縦に振らなかった。
こればかりは、しょうがないです。
残念でした。
GW明けまで買う人を探して見つからなかった場合は、マジでオークションで処分しようと思います。
※追記
妻のエモンダSLR近影です。
少し前の画像ですみません。
乗ってないので変わりはありません。
画像の状態で7.0kgでした。
アルミハンドル、アルミステム、プロロゴのサドル、アヒルちゃん、ガーミンのマウントとライトマウント、ベル、リアライトのマウント込みの重量で7.0kgでした。
構成コンポはフルアルテ(R8000機械式)です。
クランク長は170㎜で、50-34Tです。
リアスプロケは11-28T(R8000アルテ)です。
17cのレーシングゼロです。
ジオメトリー表を送ってもらいました。
店長の勘違いで、これはフレームサイズ47ですけれどH1ジオメトリーではなかったです。(ヘッド長を計測してわかりました)
店長からH1ジオメトリーと聞いて信じてました(申し訳ございません。)
ただ、プロジェクトワン物件なのは間違いありません。
カラーオプションでこの色をわざわざ選んだ事により、完成車についていたメーカーロゴやチームロゴなどが一切ないのがその証左でもあります。
小さい画像で申し訳ありませんが、画像のフレームサイズ47
H2ジオメトリーのところを見ていただくと細かい寸法全てがわかります。
お手数をおかけしますm(__)m
※あと、詳細に知りたいところがあればお手数をおかけしますがご連絡いただけたら調べて送ります。
現在、ショップにて現車を預かってもらっています。
走行距離は少ないですけど、写真ではわかり辛い細かい傷はあるかと思います。
引取りの際に詳細まで見ていただいて、ご納得いただけたらで…よろしくお願いいいたします。(ほとんど傷はありません、ただ、一か所だけチェーン落ちに伴いBB付近に小さな傷はあります。走行や性能には支障のない傷ではあります。次の休みの時にでも写真撮ってきます)
よろしくお願いいたします。