
2015/11/2 NHKのEテレ「視点・論点 マンションデータ偽装 再発を防ぐには 河合 敏男 弁護士」によると横浜の傾いたマンションの問題は、杭打ち現場の問題というよりも建築業界の構造が原因とのこと。
「本当に現場の担当者の問題ならば、何故事実を隠蔽しようとしたのか?」この一言で十分。
本来、会社としては、不良の原因を究明すべきなのに長期間「問題ない」と隠蔽してきたのだから。
横浜の問題のマンションの地域は地下の地盤が起伏に富んだ場所なのは業界では周知の事実だったそうな。
通常、そのような場所では、既成杭(長さが足りなくてもあとで継ぎ足せない)ではなく、鋼管杭か場所打ち杭のような現場に合わせられるものを使われるそうな。
杭の種類
・既成杭(工場で作られたもの、つまり既製品)、メリット:安い、デメリット:現場で長さが足りなくても継ぎ足しできない。発注から完成まで数週間かかる。
現場で地盤の支持層に届いていないと分かってもそこから発注をかけて数週間も工事を止めるわけには行かないので、隠蔽して工事を進めてしまうことがあるかもしれない。
・鋼管杭:現場で溶接して継ぎ足せる杭。工事コストは既成杭より高い。
・場所打ち杭:鉄筋とコンクリートで現場で作る杭。工事コストは既成杭より高い
工事の指示には、コストの関係で安い既成杭を指定してあることが多いのだとか。
現場で杭が支持層に達していないと分かっても納期もコストも決められているので、他の杭を使う選択肢は無い(納期遅れ・赤字になる)。
全国で調査が始まっているけど、地下の地盤が起伏の多いところで既成杭を使ったところは、高い確率で該当しそうですね。
不動産業界の闇が光に照らされて明らかになる。
そろそろ”クイ改めの時が来た”ということでしょう。
納期
工期の遅れが許さない環境(例えば入居者の都合で4月から子供を新しい学校に通わせたいから2~3月に間に合わないなら他の物件を買うといわれるので営業サイドは売るために「間に合います」というしかない等)
価格
売る側が、販売価格と時期を決めてから工事を発注
販売会社の利益、元請けの利益、杭工事の一次・二次下請けの利益を抜かれて、三次以下の下請けに丸投げなので、利益のない余裕の無い、予算不足の工事になる可能性が高い。
下層が搾取される奴隷構造。
(建築関係者に聞くと現場までの交通費は自腹という話も)
工業高校の建築の教科書には、こう書かれているらしい
「もし、建築家が人のために家を建て その工事が強固でなく、建てた家が倒壊し家の主人を死に至らしめときは 建築家は死刑に処せられる」 ハンムラビ法典より
検索してみたら↓ http://ameblo.jp/geodesign/entry-10565243511.html
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A、建築工事が堅固でなくて、家が倒壊し、その持主を死に至らしめた場合は、その建築業者を死刑に処する。
B、同じく、その家の持主の息子を死に至らしめた場合は、その建築業者の息子を死刑に処する。
C、同じく、その家の持主の奴隷を死に至らしめた場合は、その建築業者は、等価値の奴隷を提供しなければならない。
D、同じく、財産を破損した場合は、その建築業者は、すべて、修復しなければならない。また、建築工事が堅固でなくて、倒壊した場合にあってほ、その建築業者は、その家を自己の費用で再建しなければならない。
E、建築工事が所要の条件を充足せず、壁が沈下した場合は、その建築業者は、自己の費用で、その壁を補強しなければならない。
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あれ?主人、息子は分かるけど、奥さんと娘さんは?
奴隷と物は弁償なのね。
建築業者も命がけ。
それに比べて今の業者は、「地震が来て倒れたら他も皆倒れて死ぬから手抜きしても分からない」とか「売れないと無意味だ」と人の命よりもお金のために平気で手抜きするのもいる。(実際に聞いたことがあるが笑って言われたから既成の建売住宅は買わないことにしている)
販売会社と工事会社が分かれているのが無責任な構造の原因だと思う。
最低限の材料費と人件費がもらえないなら手抜き、材料の質を落としてギリギリ~基準未満になる危険はあるのだから。
ハンムラビ法典(紀元前18世紀?)から3700年以上・・・人間のモラルは後退したみたいね。
Wiki https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%83%93%E6%B3%95%E5%85%B8
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現代では、「やられたらやりかえせ」の意味で使われたり、復讐を認める野蛮な規定の典型と解されたりすることが一般的であるが、「倍返しのような過剰な報復を禁じ、同等の懲罰にとどめて報復合戦の拡大を防ぐ」すなわち、あらかじめ犯罪に対応する刑罰の限界を定めること(罪刑法定主義)がこの条文の本来の趣旨であり、刑法学においても近代刑法への歴史的に重要な規定とされている。
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TVドラマでやってた半沢直樹?の「やられたらやり返す!倍返しだ!」は「ハンムラビ法典」的には禁止だったのね。
何事もやりすぎは だめよ だめだめ~ と。
Posted at 2015/12/26 13:25:05 | |
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