
←ウランちゃんとアトム君 (そういえば8マンはプルトニュームで動いていた気がする)
日経ビジネスは会員登録(無料)すれば、読める。
日経ビジネス 2011年3月3日(木) 抜粋
/////
中国が独占意欲「トリウム原発」とは
(1トンのトリウムは200トンのウランあるいは350万トンの石炭と同じエネルギーを発生させる:ノーベル物理学賞受賞者、カーロ・ルビア博士)
この方式は、核燃料(トリウム-232)をフッ化物にして、フッ化物塩からできている溶融塩に溶解した状態で燃やす。地殻の中のマグマに少し似ていて、“ストーブ”の中で燃え続け、絶えず巨大なエネルギーを出す。液体燃料の原子炉ということがほかの原子炉と違うところだ。
その特徴は構造が簡単で、長期連続運転が可能で、燃料の“雑食性”が強いなどの利点がある。しかも、小型かつ精巧に作ることができ、一定量の核燃料を装入すれば数十年の安定運転ができる。さらに、理論的に、核廃棄物は現在の技術による原子炉の1000分の1しか発生しない。
そのほか、操作は簡単で安全である。在来の原子炉のように高圧に耐える圧力容器が必要ない。原子炉内部の温度が予定値を上回ったとき、底部に設置した栓が自動的に溶けて、核燃料を包含した溶融塩はすべて応急タンクに流れ込むため、核反応は即座に停止する。燃料を抱きかかえている冷却材がフッ化物塩であるため、冷却後は固体の塩になる。核燃料は漏れにくくなり、地下水に流れ出して生態系破壊を起こすこともない。したがって、トリウム原子炉の設置場所の選定が自由になる。 数十メートルの地下に設置すれば放射線を完全に遮断できるし、敵の攻撃も防げる。
<米国の動き>
2010年度、米国海軍国防予算の中に、トリウム原子炉の研究を進めるための費用が10億ドル織り込まれた。
米国のウラン資源保有量は世界第4位となっているが、コスト競争力のある資源は非常に少ない。しかし、トリウム資源は豊富で、高品質トリウムの大鉱床がアイダホ州とモンタナ州で見つかった。
2008年までの確認埋蔵鉱量は16万トンだったが、米国地質調査所(USGS)の最新のトリウム鉱物年報(Thorium Minerals Yearbook)によると、それが92万5000トンまで跳ね上がり、オーストラリアの30万トンを抜いて世界第1位に躍り出た。この資源量は、トリウム原子炉で、全米のエネルギー需要を数世紀の間まかなうのに十分な量であるという(REUTERS 2009/3/17の報道による)。
このトリウムによって、米国のエネルギー独立を果せる。すなわち、ロシアの解体核兵器のウランを輸入しなくても済む。
/////
本当に安全な原子力発電なら、それはそれでありだと思うのだが…
今のウラン型の1/1000の廃棄物は出るが、ウランの90倍の熱が出る。
大気圧で燃やせるから爆発の危険は少ない。
ウランより埋蔵量も多い。
レアメタルの副産物で、既に在庫豊富。
日経ビジネス2011年4月7日(木)より 抜粋
/////
「さよならウラン、こんにちはトリウム」 米中印が続々参入…福島原発事故で浮上した未来の原発
「この原子炉は驚くほど安全な構造になっている。もし、過熱し始めると、小さな栓が溶けて溶融塩は鍋の中に排出される。津波で損傷して使えなくなるコンピュ-タ-も、あるいは電動ポンプも不要である。
原子炉自体で安全が守られる」
「日本で見られたような水素爆発のようなことも起こらない。それは大気圧で運転されるからである。放射能漏れもなく、スリーマイル島、チェルノブィルあるいは福島のように制御不能状態が長く続くようなことはありえない」
トリウムは連続的にウラン233を作ることによってトリウム自身の燃料を生み出し(=増殖させ)、
同じ量の燃料からウランの約90倍のエネルギーを生み出すことができる。ウラン233の核分裂反応によってプルトニウムその他核兵器製造原料を発生することがない。トリウム溶融塩炉方式では、燃料が最初から溶融しているのだから、燃料棒のメルト・ダウンということはあり得ない。そして、核反応は冷却に従って減速される。
トリウム溶融塩炉は、もともと米国が研究開発していたものだ。しかも、1965年から1969年まで無事故で成功裏に実証試験を終えているのである。
しかし、
米ソ冷戦時代、核兵器をつくるのに必要なプルトニウムが出ない原子燃料では困る。
それに、
燃料棒の取替えで儲ける仕組みになっているのに、液体燃料の溶融塩炉では企業としてうまみがない。当時、議会の公聴会で米ゼネラル・エレクトリック(GE)の社長が証言したそうだ。
オバマ大統領は、2009年4月5日には、チェコのプラハで核廃絶宣言を行い、ノーベル平和賞も受賞した。トリウム原子力なら核兵器製造に必要なプルトニウムが出ないので、核拡散防止につながる。それに廃棄物の量が圧倒的に少ない。
2009年には、米国で新しくトリウム資源が見つかり、米国地質調査所(USGS)によると世界一の資源保有国になったと発表している。そのほか、米国がトリウム原子力を視野に入れている状況証拠はいくつも出てきている。
日本も世界の潮流に乗り遅れないように願いたいものだ。特に、
インドの西海岸に多量に賦存するトリウム資源は、モナズ石という鉱物の中に6~9%入っているものであるが、甚だ好都合なことに、その
モナズ石の中には50%前後レア・アースが入っているのである。トリウムの副産物としてレア・アースが取れるというわけだ。
一方、中国では、インドと異なるタイプの鉱床であるが、
内モンゴル自治区の世界最大のレア・アース鉱山に、
厄介な廃棄物としてすでに推定4000トンのトリウムが堆積しており、このトリウムを原子燃料に利用しようと動き出したのである。
/////
中国が代替レアアースの共同開発を呼びかけてきたが、その内情には廃棄物扱いのトリウムを使えるようにする技術が欲しかったからだと考えれば納得ですな。
あと、比較的安全な原発が出来るのに兵器用のプルトが欲しいからと比較的危険なウランや増殖炉を推進した裏には、やっぱり米政府、米軍(軍産複合)がいたわけだ。
東電の裏に米軍がいたら、誰でも命が惜しいから抗えないだろう。
個人的に命知らずな政治家や知事がいても、その親族を人質にされたり、国民を人質にされたらやはり抗えないだろう。(自作自演テロまでやる国が相手なんだから)
どっかのテロ組織が飛行機で重要施設に突っ込むシナリオは、既にあるだろうし。
でも、世界中に廃棄物に困るような原発は、いらないという流れは出来ただろうから、
次はクリーンなトリウム原発♪とか言い出しそうだなぁ。
兵器用プルト君が取れない以外の
人類にとってのデメリットは?
欠点「透過力が強いガンマー線を出すので、空港などでテロ目的の持ち込み・隠蔽が難しくばれやすい」←全然OKじゃないか!
Posted at 2011/05/08 16:49:43 | |
トラックバック(0) |
原発 | 日記