
発電所の稼働率と発電効率をちょっと調べただけで、ゴロゴロでてきた。
関西のTVのニュースキャスターも「蓄電や発電の技術は電力会社に圧力を掛けられてことごとく潰されてきた」とポロリしていた。「詳しくは特集でも組んで…」と言っていたから、そのうちTVか週刊誌でもその手の特集がされるだろう。
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原子力発電所の稼働率
日本における原子力発電は、現状53基が稼働し電力の約25%を供給する重要なエネルギー源となっている。しかし、地震などの不可抗力、設備上・運転上のトラブルや関連する規制対応などのため近年の平均稼働率は60%台で低迷している。一方、米国では2000年頃から平均稼働率90%台で安定して推移しており、日米間で大きな稼働率の差異が存在する。
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日本は地震国なのに単純に地震のない所に原発を建てている米国と比較してどうするの??
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過剰な発電所と無力な原子力 京都大学 原子炉実験所 小出 裕章 によると
「日本では現在、電力の30%を超える部分が原子力で供給されています。そのため、
原子力を廃止すれば電力不足になると思っている日本人は多いと思います。また、今後も必要悪として受け入れざるを得ないと思っている人も沢山います。そして、
原子力利用に反対すると「それなら電気を使うな」といわれます。
しかし、
発電所の設備量で見ると、原子力は全体の18%しかありません。その原子力が発電量では3割を超えているのは、原子力発電所の稼働率だけを上げ、火力発電所のほとんどを停止させているためです。
原子力発電が生み出したという電力をすべて火力発電でまかなったとしても、なお火力発電所の設備利用率は7割にも達しません。それほど日本では発電所は余ってしまっていて、年間の平均設備利用率は5割にもなりません。つまり、発電所の半分以上を停止させねばならないほど余っているのです。
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西と東の周波数の違いを無視しているし、ピーク時が問題(一瞬でも越えたら、過負荷で電流は流れなくなる)なのに年間の総量の電力量だけで結論を出されても現実とは違うという突っ込みどころはあるが、
設備が余っているのは確かでしょう。
本当は、原発を全部止めても発電設備は余っていたのだ。
3/16の「
本当に電力は足りないのかな?」にも書いたが
東電の発電能力はWikipediaによると(2004年3月現在)
原発が3ケ所で1730.8万kw
水力が160ケ所で852万kW
火力が26ヶ所で3683.1万kW
つまり、水力と火力だけで4535万kWある。
(八丈島の風力500kW、地熱3500kWは、電線が繋がっていても誤差範囲として考えない)
また、
東電のHPによるとH21年の発電能力は自社+他社受電分含めて
全 体:7769.2万kW(自社分は6448万kW)
原子力:1818.8万kW(自社分は1730万kw) 差 分: 5950.4万kW(自社分4718万kW)
昨日ネットで見たら東電HPで消されたという資料↓

(探してクリックしたら「見つかりません」とでた)
設備の稼働率や負荷を考えたら、なんでも能力の100%ではなく80%程度が丁度良いだろう。
部品でも電子回路でも最大定格の80%で設計するのがセオリーだし、寿命も短くならない。
人間の筋肉でも8割の負荷をかけていれば、衰えない。
逆に使わないと錆び付くのは、設備も筋肉も頭脳も同じ
設備のメンテも必要だから100%稼動は無理な話。(その場合は増設が必要)
設備能力は最大需要より2割以上余裕を持たせておかないと有事の際に困ったことになる。
東電は、夏場までに5000万だ、5500万kWだと供給量をジワジワ小出しにしてきた。
節電も大口で25%を一律15%まで緩和になりそう。
猛暑にならなければ、節電も回避できそうな雰囲気だ。
また、時間別に見てみると…
過去の最大電力発生日の時間推移(10電力計)↓

図中最大の2001年7月24日の例:1時~8時が120百万kW以下で15時が183百万kW
最低の5時と最大の15時の電力は88百万と183百万で約2倍!
素人目に見ても
・蓄熱、蓄電など電力の平準化をすれば、ピーク時に10%~20%くらいカットできるんじゃね?
・22~8時の間に蓄電して9~20時に使えば節電しなくてもOKじゃね?
・22~8時の間に清涼飲料水の自動販売機みたいに氷を作って(これも蓄熱の一種)、10時以降の空調に使えば、節電しなくてもOKじゃね?
このくらいのことは、誰でも思いつくだろう。
それに今は震災復興のためにも日本経済のためにも製造現場の電力を確保するのが最優先の時期のはず。
部品が無ければ、製造設備も動かなくなる。
部品交換無しで、だましだまし動かせるのは、3ヶ月~半年位じゃないかな。
電気が無くて設備稼働率が落ちた後は、部品が無くて稼働率が落ちましたでは、復興どころじゃ無くなる。
東電はこの期に及んでも原発が無いと電気が足りなくて大変だという印象を与えたいのだろうか?
ってことで、今は40年前と違って色々と技術も進歩しているのだし、蓄電、蓄熱、普通の節電で乗り越えられそうに思うのだ。
昔は太陽電池もコスト高で発電効率も低かったが、今では量産化されコストも性能もそこそこになっているし、今では車用のリチウムイオンバッテリーまである。
ガスから水素を取り出して発電するコジェネ、燃料電池もある。
発電所から家庭に電線で送ると約5%の損失があるが、その場で発電して使うコジェネならその5%分もお得なのだ。
40年を超えるような老朽化した原発を使うほうがどうかしてると思う。

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地震ハザードステーション
浜岡原発とか、東海地震の震源地の真上に原発を作っているのは、自爆テロとしか思えない。
熱エネルギーの30%しか電気に出来ないで70%を廃熱として周囲に撒き散らす(主に海水を温める)ような原発。
火力発電(効率40~60%)よりも効率が悪く、使用済み核燃料の処理に困るようなシステム自体が欠陥システムだろうに。
地球温暖化の原因がCO2だという仮説は環境ビジネス、原発推進派のプロパガンダに過ぎない。
気温の上昇の後から、海中や氷の中からCO2が大気中に放出されて、大気中のCO2濃度が上がっているいるのだから、原因と結果が逆転している。 (長くなるので、また別途)
<発電所の効率>
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原子力発電:発熱の30%(70%は廃熱で空気と海を温めている)
・水力発電:80~90%(稼働率を下げて発電量を数字を少なく見せかけている)
・火力発電:40%~60%(60%は、ガスタービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電)
・風力発電:~59% …風任せなので安定しないというが、その場で蓄電するとか、水を電気分解して水素と酸素にすれば…
原発並みの発電量を原発より安く作れるので東電から公表しないで欲しいといわれたという話もありえる話。
↓風力については、洋上水素製造構想というのもあった。
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九州大学の研究者を中心に、海上に巨大な風力発電所を造り、新しいエネルギーとして活用しようという構想の研究会が発足している。
構想によると、海上に蜂の巣状に浮かべた六角形のコンクリート構造物(一辺300メートル)の上に、従来の2倍以上の風力を得る直径100メートルの風車を設置。
送電線は使わず、得られた電力で海水を電気分解して水素を作り、その水素を船で陸に輸送して水素発電や燃料電池に使うというもの。高強度の新素材や効率的な風車、水素貯蔵などの最新技術を組み合わせ、
原子力発電所1基分に相当する100万キロワット級の発電を低コストで目指している。
新素材の耐用年数は100年以上とされ、
発電コストは原発の半分以下に抑えられる。
六角形の浮体の内部を養殖場にすることで、漁業補償の問題も解決できるとしている。資金の目途が付けば6〜7年で技術確立が可能としている。
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↑風力は低周波など騒音による健康被害が心配されているが、影響を受けないほど離れた洋上に浮かべれば、養殖場としても使えてダブルでお得な案に思える。
また、発電量が安定せず不安定だという問題も送電せずにその場で海水を電気分解して、水素と酸素を取り出すなら無関係になる。
燃料電池の発電効率:30~70% 化学→電気エネルギーへ直接変換なので、途中に運動エネルギー、熱エネルギーを経由しない分、無駄が無く効率が高い。
ついでに太陽電池の発電効率(光電変換)も
a 太陽電池:多接合型太陽電池 ~30%
b CIS系で19.4%、GaAs系の2005年末の世界記録は25.1%、InGaAsが35.8%
c 薄膜シリコン型が10%、色素増感太陽電池~10.4%、有機薄膜4%~9.2%
d 開発中の第三世代型太陽電池 量子ドット型 約60% ←事業仕分けで予算減
bの有機半導体薄膜で
液体状の塗れる太陽電池 変換効率9.2%で有機系で世界最高を三菱化学と東京大学が共同で開発して、2012年夏の商品化だと4/13のWBSで紹介していた。
今の家庭用ソーラー発電は、屋根にパネルを設置しているが、これを使えば来年以降は、屋根、ブラインド、ひさし、外壁(朝日も夕日も使える♪)など、塗装して100℃の熱処理に耐える素材ならなんでも太陽電池になる。
車の塗装に応用すれば車体で発電可能♪(車はメーカーと共同開発で2015年目標)
2時間の充電で10~15km走行できるらしい。(街乗りなら十分)
電力会社の利権、闇の部分に今回の震災で光が当たるきっかけになるのかも知れない。
犠牲が出ないと変らないというのは、本当に胸が痛む世の中だ><