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富士通とパナソニックの半導体統合、新会社設立で大筋合意=関係筋 ロイター 4月15日(火)7時53分配信
富士通とパナソニックは、半導体システムLSI(大規模集積回路)の設計・開発部門を統合する計画について、今年秋に新会社を設立することで大筋合意した。
複数の関係筋によると、新会社の社長には、元京セラ社長の西口泰夫氏(70)が内定した。
両社は2013年2月に、システムLSIの設計・開発部門を切り出して統合すると発表していたが、出資比率や事業戦略の調整に時間がかかって合意が遅れていた。
関係筋によると、新会社には、日本政策投資銀行の出資を受けて、外部資金を確保する。
資本金は500億円で、政投銀が200億円、富士通が200億円、パナソニックが100億円を出資する。
両社から3000人程度の社員が転籍する予定。
富士通が約2200人、パナソニックが約700人の構成になる見込み。
システムLSIは無線通信や家電に使われる半導体で、両社が設立する新会社は、設計・開発に特化する。
工場を持たない「ファブレス」企業として、製造は「ファウンドリー(半導体受託製造)」の会社に委託する。
米クアルコム、米ブロードコム、米エヌビディア、台湾メディアテックなど海外ファブレス企業が、生産設備への巨額投資を回避しながら成長していることを参考にする。
一方で、富士通とパナソニックとも半導体事業では、巨額投資が必要になる生産設備の再編が課題。
すでに、パナソニックは、半導体の国内3工場を切り出して、イスラエルのタワージャズと合弁会社を設立するなど、半導体工場の構造改革に一定のめどをつけた。
富士通も、三重工場(三重県桑名市)を切り出して台湾のTSMCと新会社を設立する構想があったが、合意に至っていない。
三重工場は、ソニーのCMOSイメージセンサーを受託生産するなど稼働率が高く利益を確保しているが、すでに同社は半導体を中核事業から外した。
三重工場の外部資本の確保に向けては、TSMC以外と協議するなど、別の選択肢を模索している。
(村井令二 編集:吉瀬邦彦)
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ふーん。
去年の2月に発表してたのがやっと合意したということなのね。
んで去年の2月にはこんなふうに言われていたのね。
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富士通とパナソニックを統合して成功するわけがない
津田 建二 | 国際技術ジャーナリスト・アナリスト 2013年2月5日 22時48分
またもや、富士通とパナソニックの半導体事業部門をくっつけようという乱暴な話が出てきた。なぜ、企業同士をくっつけるのだろうか。
どう考えても、世界の半導体産業がどのようにして成長を続けており、日本だけが成長していないのか、について理解しているとは思えない。
かつてのパナソニックは、古池進副社長が半導体ビジネスを率い、プラットフォーム戦略を打ち出し、低コストで高性能な製品を作りだしていた。
古池氏が掲げたプラットフォーム戦略は現在では世界の勝ちパターンとなっている素晴らしい戦略だった。
しかし、パナソニック経営陣は古池氏を追い出し、半導体事業を落ちぶれさせた。
散々ダメにした後でどこかとくっつけるという手法は、世界の半導体ビジネスから見ると30年も古い時代遅れのやり方だ。
一方、霞が関は民間企業1社のためには仕事しない、ということをモットーとしてきた。
世界各国が大統領や首相と民間企業がタッグを組み、インフラビジネスを攻略してきたが、日本の霞が関は1民間企業とタッグを組むことを拒否してきた。
中国やベトナムの通信網を構築するため、かつてドイツのコール首相はシーメンスと、フランスのミッテラン大統領はアルカテルと一緒になって中国やベトナムを訪問した。霞が関は、1民間企業のためには働けませんときっぱり断った。
ただし、複数社がまとまると仕事する。
1民間企業ではなく国民のためという名目が立つからだ。
特定1社ではないことが霞が関では重要だった。
しかし、それは世界の常識から見ると非常識なのである。さらに工業会などの業界団体も協力させようとする。
こうすることで自らの天下り先の確保につながるからだ。
半導体の世界の潮流は、大きくなりすぎた企業が意思決定を速め、グローバル競争に勝つために企業を分割してきた。
パソコン用プロセッサメーカーのAMDは、設計だけのファブレスと製造だけのファウンドリに会社を分割し、生き残りを図ってきた。
AMDはファブレスとなり、ファウンドリはグローバルファウンドリーズ社となってアラブの資本を導入した。
クアルコムはかつて社内にあった携帯電話事業を京セラに売却し、自らはファブレス半導体メーカーになり、大成功を収めた。
台湾のUMCやTSMCは当初、SRAMや玩具用半導体を自社ブランドで設計製造していたが、やがて自社ブランドを捨て、請負製造すなわちファウンドリ事業に徹することで成功した。
テキサスインスツルメンツ(TI)はDRAM部門をマイクロンに、防衛エレクトロニクスをレイセオンにそれぞれ売却し、アナログに特化した。
しかもこれら世界の企業は業績が悪化する前に手を打ったために買いたたかれずにすんだ。
国内企業でさえ日立製作所は分割を繰り返し復活させた。
しかも今回の富士通とパナの話は、少し奇妙である。
これまでも世界の半導体はファブレスとファウンドリに分けていることを、2010年に書いた「知らなきゃヤバイ! 半導体、この成長産業を手放すな」(日刊工業新聞社刊)でも述べたが、今朝の日経新聞によると、富士通+パナ連合をファウンドリとファブレスに分けると書いてある。
それなら、それぞれの企業が分ければよい話であり、くっつける必要は何もない。
責任は不明確になり、良くなる方向には全くない。
世界の半導体を見れば、くっつけることの方がよほど危険である。
だからこの話を推進する人たちは霞が関か、半導体の素人(例えば親会社)か、いずれかであろう。
パナソニックの半導体事業を立て直すのであれば、どの業績が悪く、しかもなぜダメなのか、良くなる要素はどこにあるのか、を調べることが先決であり、くっつけるだけが能ではない。
安易にコンサルティング企業に丸投げする半導体メーカーもあるが、コンサルティング企業はしょせん素人。
世界の潮流は見えていない上に、技術の問題点もわからない。
半導体企業の問題は技術、製品、ビジネストレンド、市場トレンド、を全て理解して初めて明らかになり、解決手段も打てるというものだ。
これまでコンサル企業に戦略立案を丸投げした半導体メーカーはみんな沈んでしまった。
日立製作所とNECのDRAM部門をくっつけたエルピーダメモリは坂本幸雄氏を招へいしたことで10年は長生きしたが、昨年倒産した。
ルネサスは当初日立製作所と三菱電機の非メモリ部門をくっつけたが、うまく行かず、さらにNECエレクトロニクスもくっつけた。
しかし資金不足になり、国の援助を受ける羽目になった。
これからさらに富士通とパナソニックをくっつけようとしているのである。
誰がうまく行くといえるだろうか。
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古池さんが半導体社の社長だったときのあだ名は”将軍様”だった。
見た目もさることながら、開発出身のわりに豪快な性格という印象だったから言いえて妙だった。
半導体を技術の分からない文系に任せると終わってしまう。
霞ヶ関か本社のえらいさん主導だったんだろうなと私も思う。
パナのLSI関係者がまだ700人も残っていたのね。
リストラに次ぐリストラに次ぐリストラで残ってる人材は相当に優秀か相当にタフな神経の持ち主か縁故であろう。
なんだか
パージして処分♪
という感じがしないでもない。
そんなことをするから人材が 国外に流出するのだ。