
もう14年前になるのね。
当時は、日本で作ってたらセットどころか部品もコストがあわないし、グローバル化、競争に負ける!これからは人件費の安い中国で作って世界に売るのだ!
そのうち中国市場にも売れるはず!・・・みたいな雰囲気で日本から製造業が工場進出していった。
その後、反日暴動、レアメタル輸出制限、賃金上昇で中国工場のデメリット(リスク)に気が付いて逃げようとしても資産を持ち出せないので逃げ出したくても逃げられないというワナにはまっているという話も聞くが、当時の中国進出組の経営陣は止めろと言っても聞く耳を持っていなかった。
蘇州の特区の誘致条件でも最初の5年間は税金免除!ということだったが、いざ工場を建ててみたらインフラが脆弱で頻繁に停電してた。(電力不足)
工場で停電されたらお手上げ。
税金免除以前に操業できないというありさまだった。
5年間は免税するんだから停電くらいで文句をいうなという感じを受けた。
他にも日本と違う中国事情に驚かされた。
中国人労働者は半年から1年ぐらいして仕事を覚えたらすぐに同業他社に経験者として売り込んで(高い賃金で)転職していくので、工場全体の熟練度はいつまでたっても上がらない。
賃金を上げてでも引きとめようとしても転職決定後に言ってくるから引き止められない。
蘇州の工業団地の地区でちょっと仕事を覚えた人が循環して徐々に人件費が上がっていくという事態になっていた。
確かに初任給は安いが、常に日本人が仕事を教えなければならず(中国人同士で教え合うことはない)、現地の日本人の負担は増せども減らなかった。
反日暴動のときなど、製品は壊されても再生産できるからまだしも、生産設備に手をかけて壊されたところはもう、立ち直れなかったと推察できる。
半導体とか精密機器、部品の製造設備が壊されたら復旧は難しい。
特に金型を壊されたら、すぐには新しい金型なんて出来ない(通常でも順番待ちで半年、1年先の予約なのに特需とか言っても物理的に出来ないものは出来ない)し、またいつ暴動で設備にダメージを受けないとも限らないのだから反日国に高価でデリケートな設備を投資するとかリスクが大きすぎる。
いくら保険に入っていて、保険金が下りても再稼動までに掛かる時間は取り返せない。(その間にシェアダウンは避けられない)
<パイオニアの人から聞いた話>
中国では漢字のみで、ひらがな、カタカナのような表音文字がないので、中国に社名を登録するのに悩んだ。
パイオニアの音に当て字をするか、漢字の意味を優先するか。
悩んだ結果、開拓者の意味を優先して漢字で”先鋒”としたのだそうな。
漢字以外の固有名詞などを翻訳するのは大変そうな話だった。
<シャープの人から聞いた話>
シャープは、そのまま音を当てて社名登録。
中国政府から「南京パンダというTVの製造会社が赤字だから、日本のメーカーにお金を出してもらって、合弁にして一緒に経営しましょう。経営再建に協力して欲しいアル」という話だったけど、実は赤字は中国のワナだった。
従業員の賃金は確かに安いが、経営者(共産党員)の取り分と経費が桁違いでデタラメだったとのこと。(会社の経費で購入した高価な調度品などがいつの間にか経営者の自宅に・・・なんてのはよくある話)
わざと赤字にして日本企業を誘い込む手口だったと気が付いたときにはもう遅かった。
さすが中国、”騙される方が悪い”というお国柄がよく分かる話だった。
南京には鉄道で行ったが、当時は”南京大虐殺”がプロパガンダ(捏造)とは知らなかったので、駅を出たら石でも投げられないかと心配していたのも懐かしい。
蘇州から南京までの列車は、「硬座」でクッションなどなく、公園のベンチのような木の板だった。
お尻が平らになるイメージでOKです。
蘇州発9:47~南京着12:40 料金50元(約750円)で切符は、駅舎と離れた別の建物で買う・・・迷うわ!(ガイドがいないと無理><)
車中3時間なので、水分補給用に売店でペットボトルのお茶とスナック菓子を買った。
スナック菓子は日本の春日井のグリーン豆の小型版みたいな”スイカの種”の小袋を買ったが、美味しかった。
列車の中でよく見かけたのは”ひまわりの種”を食べている現地の人だった。
当然のごとく、殻は床にポイ捨て。
あと、車内の通路の床には、加速に応じてゴミ(ピーナッツの皮他)を巻き込んで水が前後に流れる。
誰かのこぼしたペットボトルのお茶か水かと思っていたら現地駐在の同行者から避けるように言われた。
「それオシッコだから!」Σ(・ω・ノ)ノ!
中国の子供は列車内でもどこでも平気でオシッコするのは、このとき初めて知った。
あと日本と違うのは車掌さん?がお湯を入れた薬缶を持って車内を巡回サービス(無料)していた。
乗客はみな、水筒(ネスカフェコーヒーの空き瓶みたいなの)にお茶の葉を入れていて、そこにお湯を注いでもらっていた。
それは工場でも徹底されていて、従業員のために会社は給湯器(無料)の設置とお昼ご飯(無料)が義務(中国政府からの指示)となっていた。
そして、従業員は各自マイカップを給湯器の近くにまるで学校の下駄履きかロッカーのように所定の位置に置いていた。
日本の使い捨ての紙コップの自動販売機よりエコだなと思った。
中国人は、水を飲まないで、必ず温かいもの(お茶が定番)を欲するのだそうな。
冷たいものは身体を冷やして病気になると信じているらしい。
夏でも冷たいビールを飲まないみたいだった。
中国ではぬるいビールが標準で、冷たいのを頼むのは日本人だけだといわれた。
それは、高温多湿の日本の気候で育ったんだから仕方がないわよねぇ。