
クルマ・ジャケコーナー第74回は、しばたはつみの6thシングル「マイ・ラグジュアリー・ナイト」(1977)です。
しばたはつみ(1952 - 2010)、ご存知でしょうか?
父はジャズピアニストの柴田泰、母はヴォーカリスト。
父・柴田泰はザ・タイガース時代の沢田研二やキャンディーズ、高橋真梨子などにヴォーカル・レッスンをしたそうです。
そんな恵まれた音楽環境で育ち、9歳から米軍キャンプの将校クラブで歌い始め、11歳で「スマイリー小原とスカイライナーズ」の専属歌手、というんですからスゴイです。
68年に『乙女の季節』でレコード・デビュー。このときの名前は「はつみかんな」で3枚のシングルをリリース。
CMソングも歌っています。
『猛烈ダッシュ』/はつみかんな(1969)

「丸善ガソリン100ダッシュ」というハイオクガソリンのCMですが、小川ローザのスカートがめくれて・・・「OH!モーレツ」! 一世を風靡しました。
(なんか以前にも取り上げたような気が・・・)
71年には「麻まにか」と改名し、シングル2枚をリリース。
しかしあまり売れることなく、20歳の時、単身渡米。
2年後、帰国し、「しばたはつみ」に改名し再々デビューします。
しばたはつみとしての1stシングル『合鍵』(1974 作詞:岡田冨美子、作曲:鈴木邦彦、編曲:矢野誠)
本来、B面は『人形の涙』なんですが、私が持ってるレコは『私の彼』。
『私の彼』は次のシングルのB面に収録された曲ですが、ディスコフロアで人気となり、このような形で再リリースされたものです。
どんな曲かって ?
実は、私が手に入れたレコにはこんな書き込みが・・・(>_<)
軽やかな「
サンバ」のリズムでノリのいいナンバーです。(笑)
修正ペンでなんとか目立たなくしましたよ~ (;^_^A
「しばたはつみ ライブⅡ」(1976)
しばたはつみとしての6thシングル『マイ・ラグジュアリー・ナイト』(1977)がオリコン17位のヒットとなり注目され、この年、第28回NHK紅白歌合戦に初出場します。
8thシングル『夜はドラマチック』(1978 作詞:阿久悠、作曲:三木たかし、編曲:大村雅朗)
9thシングル『バック・シート・ドール』(1979 作詞:中里綴、作曲:吉村浩二、編曲矢野立美)
6th、8th、9thとクルマ・ジャケですね!
『バック・シート・ドール』、なんとも意味深なタイトルです。
12thシングル『TWILIGHTたそがれ』(1980 作詞:荒木とよひさ、作曲:鈴木邦彦、編曲:矢野立美)
16thシングル『化石の荒野』(1982 作詞:阿久悠、作編曲:萩田光雄)

角川映画「化石の荒野」(1982)の主題歌です。
主演は渡瀬恒彦(わたせつねひこ 1944 - 2017)。渡哲也の弟さんですね。
ジャケのヌードは浅野温子?
ジャズ・スタンダードからポピュラー、R&Bなどとあらゆるジャンルの歌を歌いこなし、TBS系深夜の音楽番組「サウンド・イン”S”」(1974 - 81)にレギュラー出演しました。
YouTubeに桑名正博と歌う映像がありました。ホント、大人の雰囲気の歌番組だったんですね。
現在、新たに2015年4月から「Seiko presents Sound Inn "S"」として放送されているようです(BS-TBS 第3土曜 18:30~19:00)。
年間100ものステージをこなし、海外のショービズ界でも通用する本格派シンガーで、フランク・シナトラやサミー・デイビスJr.と共演もし、師事した世良譲(せらゆずる 1932 - 2004)や大野雄二(1941 - )といった実力派ミュージシャンからも愛されました。
しばたはつみは、シングル22作、アルバム13作をリリースし、2010年、まだまだこれからの57歳というの若さで逝去しました。急性心筋梗塞だったそうです。 合掌
さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは、
『マイ・ラグジュアリー・ナイト』/しばたはつみ(1977 作詞:来生えつこ、作曲:来生たかお、編曲:林哲司)
当時、新進の作家&シンガー・ソングライターであった来生姉弟にとっても初のヒット曲でした。
『あなただけGood Night』/来生たかお(1979 7thシングル)のB面に収録。
セルフカバー・アルバム「Vistor」にも収められてます。
「Vistor」/来生たかお(1983)
SIDE 1
1. マイ・ラグジュアリー・ナイト(しばたはつみ)
2. シングル・ナイト(桃井かおりとデュエット)
3. セカンド・ラブ(中森明菜) 第3回日本作曲大賞曲
4. 甘い言葉で…中村雅俊)
5. シルエット・ロマンス(大橋純子)
SIDE 2
1. 燃えつきて、ディザイア(豊島たづみ)
2. スローモーション(中森明菜のデビュー・シングル)
3. とめどなく(石川セリ)
4. ねじれたハートで(桃井かおりとデュエット)
5. トワイライト〜夕暮れ便り〜(中森明菜)
来生たかお(きすぎたかお 1950 - )は、歌手デビューの翌月に『サウンド・イン"S"』に出演し錚々たる面々と共にメドレーを行い、極度に緊張感したそうです。
さてさて、ジャケのクルマは・・・?
アメ車っぽいですね。リンカーンあたり・・・?
8thシングル『夜はドラマチック』はすぐ判りますね。マツダのコスモ。
ハーフレザートップで「L」というそうです。
Wikipediaによると、次の3曲がマツダ・コスモCM曲となっています。
『マイ・ラグジュアリー・ナイト』(1977)
『夜はドラマチック』(1978)
『ラブ・イズ・イリュージョン』(1979)
つまり、『マイ・ラグジュアリー・ナイト』のジャケのクルマもマツダ・コスモなんですね!
マツダ・コスモは・・・
【初代・コスモスポーツ(1967 - 72)】

世界初の実用・量産ロータリーエンジンを搭載したクルマ!
価格はダットサン・フェアレディ2000の88万円に比べ、148万円とかなり高価でした。
【2代目・コスモAP/コスモL(1975 - 81)】

前期型は丸型4灯ヘッドランプ。1979年のマイナーチェンジで、異型角形2灯のヘッドランプと格子調グリル、横長のテールランプへと変更されました。
排ガス規制で、スポーツモデルが次々と消えていこうとする中、パワフルなコスモAPは発売から半年で2万台を売り上げる大ヒット作となり、「真っ赤なコスモ」は流行語にもなりました。
コスモLは北米市場からの強い要求により、1977年にバリエーションモデルとして追加されたランドウトップのノッチバッククーペ。
“L”はランドウトップの頭文字で、高級馬車であるランドーレットの屋根に由来する名前だそうです。
【3代目・コスモ(1981 - 90)】
ボディバリエーションは3種類ありました。
【4代目・ユーノスコスモ(1990 - 96)】

量産車初の3ローターのロータリーエンジンを搭載(初代コスモスポーツ以来のロータリーエンジン専用車)。ボディは2ドアクーペのみ。
初代はもちろん、他のコスモも見る機会はほとんどありませんね・・・。(むしろ初代の方が見る?)
ロータリー・エンジンとコスモのようなクルマが復活する日はもう来ないのでしょうか・・・
【登場車両】
2代目 MAZDA Cosmo L(1977 - 81) 前期型(77 - 79)
【自己採点】
クルマ度 6点(バイト先の若い社員が乗ってました、Lじゃないけど。)
魅惑度 7点(『夜はドラマチック』は8点!)
音楽度 6点(編曲は林哲司ですが、シティポップというよりスタンダード的です。まさにラグジュアリ~、ゴ~ジャス。Cosmo Lにぴったし!)