直島の銅形せんべい

すっかり日記に書くのを忘れていました、ベネッセ色に染まっていない直島もあったことを。

家プロジェクトが行われる本村のはずれ、観光客があまり来ない住宅街に、手焼きのせんべい屋（恵井高栄堂）があると地図で見つけ訪ねてみると、4畳半ほどの小さな作業場には誰もおらず、せんべいも米粉ではなく小麦粉と卵と蜂蜜で作るタイプ。ふむ。

少しがっかりして帰ろうとすると、向かいの家からご主人が現れ、わざわざ来てくれたのだから一つ食べてみなさいと。一口齧って驚きました。何と言うか、歯触りが全く違うのです。水や油を使わずに一枚ずつ焼いているらしく、ゆえに湿気にくく焼き色もきれい。それを本手焼きと言うそうです。職人の手仕事。

さらに、こっちも美味いよと、砂糖が掛かった巻せんべいや半月状の味噌せんべい、ピーナッツ入りも試食させていただきましたが、これまた一つ一つ全く異なる味と歯触り！特に味噌せんべいが今まで食べたことの無い上品な味で表面に照りがある逸品。これはたくさん作れないので表には出していないらしく、有難いものをいただきました。

作り方などを尋ねているうちに、今回の旅で地元の人と一番長く話したのがこのご主人だったのではと思うほど長居してしまったようです。

ご多聞に漏れず後継者問題が気になりますが、まずは買ってきたせんべいが昨晩尽きたので、送ってもらおうかしら。