福岡の能古島(のこのしま)にある花畑(能古島アイランドパーク)を運営している睦子おばあちゃん(80歳)を、NHKの番組で特集インタビューしていたのを何気なく聞いていて、ふと気づいたことがあります。
睦子おばあちゃんが話す言葉はおふくろが話す博多弁と瓜二つで、ずっとおふくろだけの言葉癖と思っていたけれど、どうやらある年齢層の人が使う博多弁には共通の「言い回しや常套句」があるらしいということ。
それは、「◯◯するばい」「なんばすると?」や「ばってん」などの語尾や単語単位ではなくて、特定の状況や心情を表現する際に決まってさし挟む、お約束フレーズ。
癖のように口をついて出てくる言葉だから、あってもなくても意味は通じるし、本人も特段意識していないけど、伝わるニュアンスが変わってくる点が面白いと思うのです。
文字にするとうまく伝えられませんが、
たとえば、
自分の知識や考えに自信はあるが、
◼︎それは歳の差で仕方のない時は
「あんたたち若い人は知らんめ?」
と手を差し伸べ、ギャップを埋める(威張っているわけではない)
◼︎控えめに独創性を匂わせる時は
「私だけかも知らんばってん」
と前置きして、照れ隠しにする
たとえば、
自分が感情移入している食べものや生きものに対して、
◼︎見かけで損している場合は
「(おいしかとよ) こげんしとうばってん」
と擁護して、ものの魅力を引き立てる
◼︎ものの立場に立って代弁する場合は
「◯◯って言いよったい」
とものの声に耳を傾けることを促す
あぁ、もっとたくさんあったのに、ちゃんと書き留めればよかった…。
追記
「あらー、どうしたよかもんね、こら」
「なんでんかんでん取りよったら、さぁ大変」
「花ば見て腹かく人はおらんでしょうが?」
「写真やら撮らんじゃよかけん、はよ、食べんしゃい」
「そげん言うたっちゃ ( スイカを ) 割っとりますけん、食べてください」
博多にいた頃には当たり前に聞いてきたこれらのフレーズが、実は現在80代以上の博多の女性しかしゃべっていないかもしれないという事実。
そして、博多でもこの先十数年経つと聞かれなくなるかもしれないと思うと、ビデオ録画しておきたくなったのです。柳田國男の気分でおふくろの話に耳を傾けてみようかな?(^^)
考えてみれば、能古島は姪浜からわずか2kmしか離れていないのに、まだ行ったことがありません。井上陽水の曲でしか知らない能古島に、今度帰省したときに行ってみてもいいな。
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博多 | 日記
Posted at
2018/05/08 01:56:05