これ本気でやらんかな?

モンディアル・ド・ロトモビル、パリオートショーといえば、やはりホームのルノー、プジョー/シトロエンが中心。わが道を行くフランスならではのジコチュウは当然で、一番大きなパビリオン1の中央部分の広いスペースをこの3社というかブランドが分け合っている。

ルノーとアライアンスを組む日産が、ルノーの隣の好位置を占めているが、広さは明確に分けられている。このフランス勢の回りをメインエントランス手前から時計回りにBMWグループ、ダイムラーベンツグループ、フィアットグループ、フォードグループが取り囲み、マツダもフォードの一角に収まっている。

他の日本勢は、パビリオン3にホンダ、スズキ、三菱、いすゞが韓国の現代や一昨日紹介したマイクロカー群とともに。パビリオン4にトヨタ/レクサスがVWグループに取り込まれるように配置され、遠方の2階建てのパビリオン5の一階にロータスやフィスカー/テスラ、ACなどが占め、二階の5.2にGMグループ(オペル・サーブを含む)と韓国起亜がレイアウトされている。

今回のパリショーで、ホームのルノーは一貫してEVの同社ブランド(?)ZEの紹介に終始し、来年投入するフルーエンス、カングーエクスプレスという2台のコンバージョンEV、再来年の導入を明らかにしたZOE、Twizzyといったすでに公表されていたモデルに加えて、正真正銘のワールドプレミアとなるコンセプトカーDezir(ディズィール)をメインテーブルにアンベールさせた。

Dezirは、昨年引退したコーポレートデザイン担当上級副社長パトリック・ルケマンに代わる人材として、カルロス・ゴーンCEOがマツダから引っこ抜いたローレンス・ヴァン・デン・アッカーの作。マツダに流れデザインを置き土産に残したローレンスのルノーにおける初仕事であり、ゴーンCEOに対する名刺代わりの作品ということになる。

このDezir、開口したラジエーターグリルをもたないことからも明らかなように、ルノーのZ.Eコンセプトを代表するEVスポーツとしてしたてられている。ローレンスの仕事として印象的だったのはマツダ時代の'06年NAIAS(デトロイトショー)に出展された『鏑(かぶら)』という変則3座のFRスポーツクーペコンセプト。最新のシトロエンC3が採用したパノラミックウィンドーZenithの元ネタともいえるフロントウィンドスクリーンが特徴のそれは魅力的なライトウエイトスポーツだった。

Dezirには、あの時に感じたのと同じ匂いがある。150ps／226Ｎｍのモーターと満充電航続距離が160kmのリチウムイオンバッテリーは他のＺ．Ｅレンジと共通するものと考えられるが、180㎞／ｈの最高速と0→100㎞/ｈ5秒というパフォーマンスには心踊らされるものがある。注目はそのウエイトです。

1960㎜の全幅と21インチホイールはショーカー仕立てそのものですが、全長4225㎜、ホイールベース2582㎜のサイズにして830㎏という軽さ。EV常識を覆す超軽量ぶりといえる。スチールスペースフレームにケブラー製ボディを被せた結果ということで、現実的かといえば？？？ですが、少量限定でも具現化してみたら…と思う。ＧＴ－Ｒを甦えらせたように、金看板のＥＶで世界を驚かせてみませんか？ゴーンさん。

↓上からフルーエンスＺ．Ｅ、カングーエキスプレスＺ．Ｅ、ＺＯＥ