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イイね!
2012年10月18日

魚に学ぶ

魚に学ぶ 先月のCAN-GATEWAY ECUに続き、今月もトヨタ86ネタでFSW(富士スピードウェイ)。取材のオファーは、driver誌からの86連載絡みで、インタビューと試乗の2本柱。今回の86インタビューは86の…というよりこれからのトヨタのダイナミックパフォーマンスの核心技術となる空力技術のパイオニアが相手。

その前に今回のFSWグランプリコースでの試乗メニューのひとつエアロスタビライジングフィンという小さいけれど滅法効果のある空力パーツの装着/非装着の比較試乗を行った。媒体枠と個人枠を駆使して2度のトライとなったが、率直にいって1回目は要領を得ず。率直にそのことをエンジニアに伝えてヒントを得る。

2度目で違いを把握することはできたが、それがどのようなメカニズムで生れるのか分からないので、表現できるかどうかという難問が存在することに気がついた。これまでなんとなく理解していた空力とはまったく異なる、そもそも空力でハンドリングバランスの基礎を得てしまう、バネ/ダンパーやタイヤを含むシャシーのセットアップよりもまず空力というところに時代は進みつつあるという。

インタビューで聞く新たな視点、空力を単純なダウンフォースとかゼロリフトとかドラッグなどといった括りではなく、ラテラルあるいはヴァーチカルのボルテックス(渦流)を活用し積極的にパワーを生み出す方向に進化している。その雛型は大海を130㎞/hで飛ぶように泳ぐ魚の研究に端を発するという。

現在分かっている地球最速の魚は何だと思いますか? カジキマグロなんですと。そうあの細く鋭い角の様な鼻先…実は上顎で吻(ふん)と言うらしい…のマーリンなどと呼ばれるマカジキ、クロカジキなどの6つに類別される。このカジキがなぜ水中を自らの筋肉だけで高速移動できる?

まだ完全には解明されていないというが、あの体型と背や尾のフィンが単に水を掻いて推進力を得ているのではなく、渦を発生させてそれを推進力に変換するメカニズムを備えている。生体模倣技術(バイオミメティクス)はまだ端緒についたばかりのようだが、吹いている風を味方にするだけでなく、空気を積極的に利用する世界がすぐそこまで来ているらしい。

86の凄さというか面白さは、単なるFRスポーツという古典的な枠組みを超え、あらゆるところにこれからのクルマ作りの起点となる技術要素が散りばめられている。いっぽうで、アップルのi-Phoneに学ぶ、クルマそのものの面白さをベースにi-Tunesやappなどの周辺環境を整え、21世紀型のモビリティを模索する。

driverの連載がどのようなまとまりになるか、自らの表現力が問われるが目から鱗の『今クルマはこうなっている』は、エアロスタビライジングフィンの試乗インプレとともに読み物として面白いのではないかと人ごとの様に期待している。

こういう独創の技術を持ち寄ってチームニッポンで、ガチンコの勝負を迫りつつある外国のライバルと対峙する。旧通産省の護送船団方式に護られここまで生き延びられたメーカーも、あの頃の夢をもう一度と考えているのだとしたらそれはない。

乗るか反るかはここ2、3年の勝負。メディアの体たらくも含めて皆が正気に戻ってマンパワー勝負を勝ち抜く。それをやらないと、自動車産業も家電メーカーが直面した苦境に陥ることは避けられない。いや、今日はとても刺激的な取材のひとときだった。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2012/10/19 01:20:38

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この記事へのコメント

2012年10月19日 1:27
アクアやプリウスでは、床下にもありますね。LFAにもいろいろ面白いパーツがついていました。F1からのフィードバックだそうです。解説から、「カルマン渦」を利用しているように思いました。
コメントへの返答
2012年10月19日 14:36
ASF(エアロスタビライジングフィン)は、ここ数年で実用化にこぎ着けたとても新しい技術展開。

LFAは、最新にして最先端を行く(とトヨタの空力ディビジョンは自認)空力技術をフルに導入し、結果的にオリジナルコンセプトから2度のモデルチェンジを経て世に出たといいます。

最近登場したトヨタ車にはすべてASFがどこかしらに入っているんですと。

詳しくは来月のdriver誌の連載で。
2012年10月19日 3:00
電気やコンピュータではさんざんな結果が多いんですが、
まぁ、それはさておき。

クルマの世界はまだまだJapanパワーを感じますな!

*地味な分野ではそれなりに評価されている技術も多いのですが..。
コメントへの返答
2012年10月19日 14:39
その効果を、これまでの文脈とは異なる表現で伝える必要を感じました。

そのための言葉遣いを含め、メディア、ジャーナリストの役割かなと思います。

今までどおりの表現だと、技術の新しさ革新性が伝わらない。

緊張しますなあ。
2012年10月19日 5:12
今のクルマは空力をそこまで利用してるのですか?
タイヤに風を当てるのは聞いたことがありますが、カジキマグロですか!!??
アナログ人間は付いていけません。
コメントへの返答
2012年10月19日 14:43
自然界は、人類の技術の遥か先を行っている。ASFの実用化を果たした空力のエキスパートの述懐が印象的でした。

トンボの羽根の形状の高効率とかね。

もしかしたら魚や昆虫は原始的な存在ではなくて、哺乳類の進化した結果だったりして。
2012年10月19日 6:37
我々が、初めてクルマの世界で「ボルテックス・ジェネレーター」成る言葉を耳にしたのは、矢張りJ・リントを壮絶な死の後にチャンプへと押し上げて呉れた、Lotus 72のフロント部に棒状の其れが付けられた頃からでしょうか。

話は変わりますが、従前から個人的に大いに気になって居る事項が在りまして、何故かZN(6)のトランクリッドは上端部が開いて居る訳でして、彼処から入り込んだ空気は早晩抜けて行かなければ成りません。
つまり、其れ自体がスポイラーの役を果たして居ると考えても良いのでしょうか。
コメントへの返答
2012年10月19日 15:17
質問の件、ただいま確認中。
2012年10月19日 8:56
う〜ん,正直,そこまでのものであれば,こんな後付けのモノでなくて,始めからデザインに組み込んでおいて欲しかった,と思うのは私だけでしょうか.

そこまでの思想を持って,あそこに他のデザインと違和感なく,これを組み込んで,機能に根ざしたデザインとすることで,「うんちくを語れるクルマ」たり得ると思うのです.

そういうモノの積み重ねが,将来カルトカーとして語り継がれるものになる上では,大事な気がします.
コメントへの返答
2012年10月19日 15:23
すでにLFAや最新モデルにはあちこちに盛り込まれているということですが、今回はASFの何たるかを知ることが目的の取材会だった模様。

まだ実用化からの日が浅く、デザインに取り込むタイミングではなかったようです。基本タダで効果が得られる技術なので、これからはバンバン採用されると思われます。

本当は広報部門は乗り気ではなかったけれど、開発部門が無理を言って実現された由。

大化けする可能性は十分あると思います。
2012年10月19日 12:46
昔の 「F」 というマンガの
イルカペイント という技術を思い出しました。
コメントへの返答
2012年10月19日 15:25
ロールを抑え、ドリフトコントロール性にも関与する。???な感じですが、まだまだあるんですねぇ~未知の領域って。

頭が固くならないように、前向きであらねば。
2012年10月19日 15:42
楽しそうな取材ですね。
現代的な考えで生まれた技術といったところでしょうか。
AE86でドリフトを鍛え、数々のFRとスポーツ4WDを乗り継ぎました。
昨年、体調不良から弱気になって、人生初のATのフィットに乗り換えたのですが、
最近、体調も落ち着き、ふと思った事がありました。
あんだけ車が好きでMTしか乗って来なかった私が、
簡単にMTを諦められるのだろうか?
その答えは、86が世に出てきた4月にはっきりとわかりました。
6月に86を注文と同時にフィットを売却。
待つこと4ヶ月、その間に86について色々と考えていくなかで、
カタログを見ていて、何のためにこのフィンがあるのだろう?って思っていました。
こういう効果があるのかと感心しました。
という事は、アンダーパネルだけエアロ効果が大きいのではなく、
トータル的なエアロダイナミクスが重要なのですね。
2012年10月19日 18:10
こんばんは。

昔はチンスポが付いてると、空気抵抗少ない印章でしたね。

これも、その類いですかね?
2012年10月21日 1:56
はじめまして。いつも楽しく拝見しております。
他の方も書いてありますが、魚に学ぶというタイトルで、1960年代のシボレー・コルベットのスティングレイやマンタ(共にエイ)やシャークを思い出しました。当時のボディは職人さんの手によるところも多かったのでしょうか。
半世紀を経て鋼材も製造工程も変わって来た現代に、このような複雑な複合曲線の量産スポーツカーを作れる技術が熟したのかもしれないのかな?と、勝手な想像しています。
これからの新型車、フィンやスリットを見つけるのが楽しみになります♪

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