
国宝の工芸品「銀鶴」から金の成分が検出 奈良 春日大社が所蔵
2022年4月4日 18時12分
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奈良県の春日大社が所蔵し、30年以上にわたって普通切手のデザインにも採用された国宝の工芸品「銀鶴」の表面から金の成分が検出されたことが奈良国立博物館の分析で分かりました。
博物館は、製作当初は全体に金めっきが施された華やかな姿だった可能性があるとみています。
高さ13センチほどの「銀鶴」は、平安時代の12世紀ごろに春日大社の境内にある若宮神社に奉納されたと伝わり、翼を広げて飛び立つ瞬間の鶴の優美な姿を表現しています。
今は鈍い銀色をしていますが、去年2月、複製を作るため奈良国立博物館が頭や背中、それに左側の翼など7か所で科学的な分析を行ったところ、すべての場所から金の成分が検出されました。
また、同時に水銀も検出されたということで、博物館は銀などで作った鶴の表面に金と水銀を混ぜ合わせたものを塗る方法によって金めっきが施されていた可能性が高いとみています。
「銀鶴」は、若宮神社に奉納されたほかの工芸品と共に国宝に指定され、1981年からは30年余りにわたって100円の普通切手のデザインに採用されて親しまれました。
奈良国立博物館で科学的な分析を担当した鳥越俊行さんは「銀だという固定観念があったと思うが、調査で新たに見えてくるものもある。平安時代としては類例が少なく貴重だ」と話しています。
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2022/04/04 18:48:59