伊達・旧亀岡家住宅が復活 2度の地震で被災、2年4カ月ぶり
2023年06月06日 09時50分
2度の地震で被災し、復旧工事が完了した「旧亀岡家住宅」=伊達市保原町
本県沖を震源とするおととし2月と昨年3月の地震で被災した伊達市保原町の国指定重要文化財「旧亀岡家住宅」の修復工事が完了した。地域のシンボルが約2年4カ月ぶりに完全復活したことに合わせ、市は17日から、修復完了を記念した企画展を開く。
旧亀岡家住宅は、蚕の卵「蚕種(さんしゅ)」製造家や実業家、政治家として活躍した亀岡正元により1904(明治37)年ごろ、現在の桑折町伊達崎に建てられた。86年に解体、95年に旧保原町の保原総合公園内に主屋だった洋館のみを移築。外観は洋風建築だが、内部は純和風の書院造りで全国の銘木が使われている。2016年に国の重要有形文化財に指定された。
市によると、2度の地震で室内の土壁や、しっくい壁に1700カ所以上の亀裂が生じたほか、一部のガラス窓が割れるなどの被害が出た。歴史的建造物の修復に当たっては、文化財としての価値を損なわないように綿密な調査を基に方針を決定し、建築当時と同じ材料と技法が必要となるため、時間と費用がかかるという。
市は文化庁や県の指導を受け、復旧方針を検討してきた。昨年10月から総事業費約3000万円をかけて修復工事を進め、5月上旬から一部制限付きで公開を再開した。全面公開に移行する。
6月17日から企画展
修復記念の企画展「亀岡正元家文書の世界」は17日~9月25日、旧亀岡家住宅に隣接する市保原歴史文化資料館で開かれる。亀岡家の子孫から寄贈された住宅建築、設計にまつわる資料などから、歴史をひもとく内容となっている。
入館料は一般210円、小中学生・高校生は100円(旧亀岡家住宅の観覧料を含む)。火曜日休館。時間は午前9時~午後5時(最終入館は同4時半)。
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2023/06/06 12:33:11