
福島駅前の再開発、見直し検討 資材価格の高騰影響
2023年12月09日 08時00分
解体工事が進められている旧辰巳屋ビル
福島市のJR福島駅東口に大型複合施設を建設する再開発事業について、福島市などが計画を全体的に見直す可能性があることが分かった。資材価格の高騰などが要因で、木幡浩市長は、事業を成立させるには「(再開発ビルに整備する)市のコンベンション施設を含め、踏み込んだ見直しも視野に検討しなければならない」と述べた。
木幡市長が7日の市議会一般質問の答弁で明らかにした。地権者でつくる施工者の再開発組合が使用する資材の変更や計画の再調整を進めているが、木幡市長は資材高の影響を抑えるまでの効果が得られないと説明。再開発ビルに入るテナントとの交渉も難航しているという。
再開発ビルはオープンが当初の予定から約1年遅れの2027年度にずれ込むことが決まっている。建設工事費は従来の361億円から2割以上増加し、全体事業費も492億円から膨らむ見込みとなっており、採算性確保が課題となる。
現在は既存の建物16棟のうち、11棟の解体が終わった。10階から解体を進めている旧辰巳屋ビルは4階部分に着手しており、進捗(しんちょく)率は72%に達した。完了は来年3月末となる見込み。
若者「寂しい景観いつまで」
福島大大学院1年の小泉佳弘さん(23)は「工事は仕方ないが、駅の真正面に何もない状態がいつまでも続くのは寂しい」と話す。普段から駅前に若者が集まる場所がないと感じており「計画を見直すのであれば再度街づくりを模索し、福島の活性化につながるような施設が完成することを願う」と求めた。
福島市商店街連合会の小河日出男会長は資材高騰などは全国的な課題であり、計画の見直し方針にも一定の理解を示した上で「私たちとしては(駅周辺への)客足が遠のかないよう、消費者に足を運んでもらえるような企画を考えていきたい」と話した。一方、駅西口ではイトーヨーカドー福島店の閉店が決まっており、小河氏は「福島駅東西を一体化したまちづくりが重要。行政や民間が一緒に協議し、しっかりとした計画を立てることが必要だ」と提案した。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2023/12/09 10:32:49