20年超放置...廃業の2旅館解体へ 飯坂温泉、跡地利用は不透明
2023年12月27日 09時55分
解体される旧若喜別館(写真上・奥)と旧望雲閣(写真上・手前)解体が決まった旧ホテル渓谷(写真下)
福島市の飯坂温泉にある廃業した旧若喜別館・旧望雲閣と旧ホテル渓谷の建物が解体されることが26日、関係者への取材で分かった。各旅館とも建物内部の残置物撤去が進んでおり、今後足場を組み、本格的な解体工事に入る見通し。関係者によると、今回は環境省の災害等廃棄物処理事業費補助金を活用しての解体が決まった。跡地利用は不透明だという。
旧若喜別館は、1994年12月の火災で死者5人を出した若喜旅館本店の別館。別館は望雲閣としても営業していた。飯坂温泉旅館協同組合によると、99年3月に休業届を出し、廃業したという。旧ホテル渓谷は95年4月に休業届を出し、その前後に廃業した。
解体が決まった旧若喜別館では、今年4月に放火が疑われる不審火が発生。旧ホテル渓谷では外壁が県道に落下するなど近隣住民の不安も高まっていた。
近隣住民の一人は「古い建物なのでいつ倒れるか心配だった」と話した。飯坂温泉旅館協同組合の小水秀也理事長は「解体となれば、景観上、防犯上の効果があると考える。跡地が有効活用されることを願う」と話した。
飯坂温泉は宮城県の秋保、鳴子と並ぶ「奥州三名湯」の一つに数えられるが、現在は廃業した旅館やホテルが目立つ。ピーク時に130軒前後あったという旅館・ホテルは、飯坂温泉旅館協同組合加盟で36軒に減少した。放置された旅館・ホテルが温泉街の風情を損なうと長年指摘されているが、解体に伴う費用負担など課題は多く、解体はさほど進んでいない。
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2023/12/27 12:29:24