
プロ野球 DeNAが日本一 26年ぶり3回目 ソフトバンクに4勝2敗
2024年11月4日 8時02分
プロ野球、日本シリーズの第6戦が3日夜、横浜スタジアムで行われ、DeNAがソフトバンクに11対2で勝って対戦成績を4勝2敗とし、26年ぶりの日本一に輝きました。DeNAの日本一は前身の大洋、横浜時代を含めて3回目で、レギュラーシーズン3位からの日本一は2010年のロッテ以来、2回目です。
記事後半では試合後の共同会見でのコメントや、試合のイニングごとの詳しい経過もお伝えしています。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 H E
ソフトバンク 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 6 1
DeNA 0 3 1 0 7 0 0 0 × 11 13 0
目次
DeNAが中盤に突き放す 2連敗からの4連勝で26年ぶり日本一に
注目
DeNA 三浦監督「ファンの前で優勝できて最高にうれしい」
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【NHKプラスで配信中】
「サンデースポーツ」で放送 両チームに在籍した内川聖一さんの解説も
【解説】DeNA “山川穂高を封じ打線分断” 日本一つかんだ勝因
DeNAが中盤に突き放す 2連敗からの4連勝で26年ぶり日本一に
ことしの日本シリーズは、ソフトバンクが第1戦から2連勝しましたが、その後、DeNAが敵地で3連勝して26年ぶりの日本一に王手をかけ、舞台を再びDeNAの本拠地、横浜スタジアムに移し第6戦が行われました。
DeNAは2回、先頭の筒香嘉智選手がソフトバンク先発の有原航平投手のチェンジアップを捉えてソロホームランを打ち4試合連続で先制し、一気に流れを呼び込みました。
さらに2アウト二塁三塁のチャンスを作り1番・桑原将志選手が日本シリーズ新記録の5試合連続打点となる2点タイムリーヒットを打ってリードを3点に広げました。
このあと2点差に追い上げられましたが、5回には相手のリリーフ陣を攻め、2アウト満塁から筒香選手が走者一掃のタイムリーツーベースを打つなど打者11人の攻撃で一挙7点を奪いリードを9点に広げました。
先発の大貫晋一投手は、4回まで投げ5安打2失点の内容でリリーフ陣につなぎ、後を受けた中継ぎ陣も大量リードに守られてソフトバンク打線を5回以降無失点に抑えました。
そして最後は抑えの森原康平投手が締めてDeNAが11対2でソフトバンクに勝ち、2連敗の後の4連勝で対戦成績を4勝2敗として26年ぶりの日本一に輝きました。DeNAの日本一は前身の大洋、横浜時代を含めて3回目で、クライマックスシリーズが導入されて以降、レギュラーシーズン3位からの日本一は2010年のロッテ以来14年ぶり2回目です。
ソフトバンクは、不振の打線が序盤から得点できずに第3戦から続いていた連続無失点の記録が29イニングと日本シリーズのワースト記録を更新し、4回、柳田悠岐選手のツーランホームランでようやく得点しましたが、この2点にとどまりました。
また、第1戦で好投した先発の有原投手も先制ホームランを浴びた後、押し出しのフォアボールを与えるなどコントロールが乱れて3回4失点と粘れず、リリーフ陣も押し出しのフォアボール2つを与えるなど崩れてDeNAの勢いを止めることができませんでした。
三浦監督 5回 宙に舞う
DeNAは抑えの森原康平投手がソフトバンクの柳田悠岐選手を空振り三振に抑えると、選手たちが一斉にベンチからグラウンドに飛び出し、マウンド付近に歓喜の輪ができました。三浦大輔監督は目に涙を浮かべながらコーチたちと握手などをして喜びを分かちあったあと、マウンド付近に歩み寄り、選手たちに胴上げされて5回、宙に舞いました。このあと、南場智子オーナーとも握手を交わしていました。
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DeNA 三浦監督「ファンの前で優勝できて最高にうれしい」
26年ぶりの日本一に輝いたDeNAの三浦大輔監督は、グラウンドで行われたインタビューで「1998年に優勝してからなかなか勝てず、もう一度という気持ちでやってきた。現役のときはできなかったが、監督として優勝できてうれしい」と笑顔で話しました。2回の筒香嘉智選手の先制ホームランについては「彼は優勝するためにDeNAに戻ってきた。そのことばどおりにチームを勢いづけるホームランを打ってくれた」とねぎらいました。2連敗からの4連勝で日本一を決めたことについては「毎試合、全力を出さないと勝てない強い相手だった。福岡で気持ちをひとつにして勢いをつけ、横浜に帰ってきて、ファンの前で優勝できて最高にうれしい」と声を張り上げて話し、大勢のファンを前に喜びを爆発させていました。
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MVPはDeNA 桑原将志「チーム引っ張る強い気持ちで」
DeNAの桑原将志選手が日本シリーズのMVP=最高殊勲選手に選ばれました。桑原選手は「目の前の試合を1戦1戦必死に戦い、チームを引っ張っていくという強い気持ちがあった。みんなとともに日本一を取れて本当にうれしい」と喜びを語りました。
また、第2戦から5試合連続で打点をあげて日本シリーズの新記録を更新したことについては「すごく光栄に思うし、後ろのバッターにつないでいこうというのが記録につながった」と話しました。
そのうえで「少し話が早くなってしまうが、このシリーズでみんなで経験したことやこの気持ちを忘れずに、来年も強い気持ちを持って戦っていきたい」と話し、すでに来シーズンの戦いを見据えていました。そして、ファンに向けて「最後の最後まで熱い声援ありがとうございました。皆さんとともに、この瞬間を味わうことができて本当に幸せです」と話していました。
《DeNA 共同会見》
三浦監督「選手とファンが一体になって戦えた」
三浦大輔監督は試合後の共同会見で26年ぶりの日本一を決めた心境について聞かれると「うれしくてうれしくて震えていた。横浜スタジアムで胴上げされて最高の気分だった」と笑顔で話していました。そして、試合前に選手たちに「いつも通り持てるもの、出せるものを精いっぱい出し切ろう」と伝えたことを明かした上で「しんどい中でも誰一人弱音を吐かず、全員が毎日毎日、出し切っていっぱいいっぱいのところでよくやってくれた。選手とファンが一体になって戦えた」と話していました。
そして、レギュラーシーズン3位から日本一に輝いた道のりについて「3位という悔しい結果に終わり、そこから気持ちを奮い立たせて次はクライマックスシリーズから日本シリーズに出て優勝すると気持ちを切り替え、悔しさをばねに日本一を目指して1つになれたと思う」と振り返りました。その上で「きょうはとにかく選手やスタッフと思い切りはしゃぎたい。そして、来シーズンは優勝して、もう一度この舞台に立って日本一になりたい」と話していました。
MVP桑原将志 最多打点記録タイに「恐れ多い 本当に光栄」
桑原将志選手が共同会見で日本シリーズのMVP=最高殊勲選手に選ばれたことについて「試合終わってから、俺だろうと思っていました。ずっと気を張り詰めていたので、きれいな夜空をお立ち台からみることができてよかったです」とユーモアを交えながら話しました。また試合前の円陣で「先を見ずに今までどおり全力で絶対勝つぞ」と伝えたということで「日本一に王手をかけていたので自分もみんなも『きょう決めたい』と先走る気持ちになるとわかっていたので、その場その場で自分のできることをしっかりやればいいと思っていた。自分の役割を見失わないように声かけをした」と説明しました。
そして、このシリーズで9打点をあげ、長嶋茂雄さんとランディ・バースさんが持つ日本シリーズ6試合での最多打点記録に並んだことについて「恐れ多いといいますか本当に光栄に思います」と球史に残る2人のバッターに恐縮しながら喜んでいました。
牧秀悟 主将「最後に日本一になれて何よりうれしい気持ち」
DeNAのキャプテン、牧秀悟選手は試合後の共同会見で「最後に日本一になれて何よりうれしい気持ちでいっぱいだ」と心境を話しました。また「第1戦と第2戦で負けてしまったが得点は奪えて相手を追い詰めることはできていたと感じていた。そんな中で敵地での第3戦で1番の桑原さんが1回にいきなりツーベースを打って士気を上げてくれて全員の気持ちが入って勝てたと思う」と先輩の1打がきっかけになったと振り返りました。
そして、キャプテンとして臨んだ初めてのシーズンを終えて「何が正解で何が不正解かわからずに1年やった。勉強不足で力不足ではあるが、こうして勝ち切れたことは自分にとってもチームにとってもいい思い出になった」としみじみと話していました。
東克樹「投手陣全員がすばらしい経験ができた」
左足のけがから復帰し第3戦で勝ち投手になった東克樹投手は「非常にうれしい。自分が投げたのは1試合でしたが、ピッチャー陣もバッター陣も第6戦まで一生懸命戦って本当にすごいと思った」と話しました。負ければ第7戦で登板する可能性もあった東投手は「正直なところ、なんとしてもきょう決めてくれと思っていた。体がもうパンパンだったのでDeNAを応援している人の中で1番、きょう勝ってほしいと思っていた」と冗談めかしながら明かしました。
また東投手の先発登板から連勝が始まり日本一になったことについて「流れを変えるピッチングをしたいと言っていた中で、7回1失点でしっかりチームを勢いづける投球ができたと思う」と振り返りました。そしてピッチャー陣について「ポストシーズンに入って一皮むけたんじゃないかと思うしピッチャー陣全員がすばらしい経験ができた」と話しました。
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◇前身の大洋 横浜時代を含めて3回目 DeNAで初の日本一
DeNAの日本一は前身の大洋、横浜時代を含めて3回目で、現在の球団名となってからは初の日本一となりました。
【1回目】
大洋時代の1960年、当時の大毎と対戦し4勝0敗で初の日本一となりました。前年まで6年連続最下位といういわば弱小球団だった大洋ですが、西鉄で日本シリーズ3連覇を果たすなど名将として名高い三原脩さんを監督に招へいしました。三原さんはトレードや配置転換で十分ではない戦力を補いながら、ひとりひとりの長所を見抜き、脇役でもここぞの場面で活躍を見せた「超二流」と表現する選手たちを適材適所で起用し、プロ野球史上初めてとなる最下位からの日本一に導きました。セオリーを度外視した野球は「三原マジック」とも言われ今もなお語り継がれています。
【2回目】
権藤博さんが率いる横浜時代の1998年で、西武を4勝2敗で下し、38年ぶり2回目の日本一となりました。現在もDeNAでコーチを務めるリードオフマンの石井琢朗さんや、首位打者を獲得した鈴木尚典さん、さらにローズさんといった強打者が名を連ねる「マシンガン打線」が持ち味でした。さらに、現在チームを率いる三浦大輔監督が先発陣の一角として活躍したほか、9回までにリードを奪うと絶対的な守護神、佐々木主浩さんが最後を締める勝ちパターンで日本一に輝きました。