
小型ロケット「イプシロンS」燃焼試験で爆発 JAXAが状況調べる
2024年11月26日 16時35分
鹿児島県の種子島宇宙センターで行われた固体燃料式の小型ロケット「イプシロンS」の燃焼試験で、燃焼中に異常が起きて爆発が発生しました。「イプシロンS」の燃焼試験で異常が発生したのは去年7月に続いて2回目でJAXA=宇宙航空研究開発機構が詳しい状況を調べています。
目次
燃焼試験で異常は去年7月に続いて2回目
今回の燃焼試験 3段式ロケットの2段目の試験
2段目の燃焼試験で燃焼中に異常発生
26日午前8時半ごろ、種子島宇宙センターで行われた固体燃料式の小型ロケット、「イプシロンS」の2段目の燃焼試験で燃焼中に異常が発生しました。
試験はおよそ120秒間行われる計画でしたが、JAXAなどによりますと試験開始から49秒後に燃焼異常が起きて爆発による火災が発生し、消火活動が行われたということです。
けが人の情報はないということでJAXAが詳しい状況を調べています。
「イプシロンS」は、JAXAなどが開発中の日本の主力ロケットの1つで、今年度中の打ち上げが計画されています。
燃焼試験で異常は去年7月に続いて2回目
去年7月に秋田県の試験場で行われた同じ2段目の燃焼試験では、試験開始からおよそ57秒後に異常な燃焼による爆発事故が発生しました。
前回の試験での爆発の原因についてJAXAは、点火装置の一部が熱で溶けて飛び散り圧力容器内の断熱材が損傷して異常な燃焼が発生したためだと結論づけ、対策をとった上で、今回、種子島宇宙センターでの再試験に臨んでいました。
今回の燃焼試験 3段式ロケットの2段目の試験
「イプシロンS」は固体燃料を使った3段式のロケットで、打ち上げを前に各段の性能を確認するため燃焼試験が行われてきました。
今年度中の打ち上げに向けて、JAXAはこれまでに1段目と3段目の燃焼試験をすでに終えていて、2段目の試験を残すのみとなっていました。
今回行われた2段目の試験で、燃料への着火や燃焼の特性、それに、断熱材の設計の妥当性などを確認した上で、打ち上げに向けてロケットの組み立てなど本格的な作業に進む計画でした。
専門家「想定外の燃焼 圧力高くなり容器が破裂か」
宇宙工学に詳しい大同大学の澤岡昭名誉学長は、今回の爆発について「固体燃料ロケットは大きなシリンダーの中に火薬が詰め込まれているが、想定外の燃焼が起きて圧力が高くなり、容器が破裂したのではないか。映像を見る限り、前回、秋田の試験場で起きたトラブルと非常に似ている現象だと思う」と指摘しました。
その上で「前回の事故では、点火装置が地上で見つかったため、確実な原因が分かった。今回の原因究明は、ロケットの破片を確実に回収できるかにかかっている」と話していました。
また、今後の影響について「試験場がダメージを受けていれば改修や作り直しが必要となり、全体の進行が遅れて今年度の打ち上げのための試験を行うのは難しくなると思う。イプシロンSは日本の小型ロケットの商業化のために非常に重要だが、国際的なビジネス競争では開発が1年遅れるとかなりのダメージになる」と指摘しました。
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2024/11/26 17:52:26