
イオン仙台店が閉店 約半世紀の歴史に幕 惜しむ声も
02月28日 20時23分
JR仙台駅前の中核的な商業施設としておよそ半世紀の間親しまれてきた大手スーパーの「イオン仙台店」が、28日午後7時に閉店しました。
仙台市青葉区にある(あおば)「イオン仙台店」は、50年前の1975年に開業した「ダイエー仙台店」を引き継ぐ形で2016年に営業を始めました。
地下2階、地上8階のフロアでは食料品や衣料品をはじめ幅広い商品を取り扱い、JR仙台駅に近い立地もあって仙台市中心部の中核的な商業施設として親しまれてきました。
また、東日本大震災では発生から2日後に営業を再開し、食料品や生活物資などを求める多くの客が列をつくりました。
店舗を運営するイオン東北によりますと、入居する「読売仙台ビル」との賃貸借契約を終了することに伴って今月で閉店し、およそ半世紀の歴史に幕を閉じることになりました。
店内では最終日の28日も多くの買い物客が訪れて、閉店を惜しむ声が聞かれました。
仙台市青葉区に住む80代の女性は、「いつも娘と一緒に買い物に来ていました。閉店すると不便になるので残念です」と話していました。
また、仙台市太白区の80代の男性は「震災の時に食料品などを買おうと並びました。会社の帰りによく利用していたので閉店はさみしいです」と話していました。
閉店時間の午後7時には、鉾久憲二店長が店の前で「長きにわたりありがとうございました。ご不便をおかけしますが、あすから別の店での買い物をお願いします」などとあいさつしました。
このあと店のシャッターがゆっくりと降りて閉まり、閉店を見届けようと集まった大勢の人たちは拍手を送って従業員たちに感謝の気持ちを伝えていました。
イオン仙台店にはパートやアルバイトを含め300人余りの従業員がいますが、イオン東北は今後、希望などを踏まえて近隣の店舗での雇用などを進めることにしています。
【歴史を振り返るパネル展】
イオン仙台店では、ダイエー仙台店からのおよそ半世紀にわたる歴史を振り返るパネル展が28日まで開かれました。
会場には、イオン仙台店の前身のダイエー仙台店が1975年にオープンした当時の写真や、店で取り扱う商品を紹介するチラシなどおよそ50点のパネルが展示されていました。
この中には、東日本大震災が起きた直後に物資を運ぶ様子や、店を再開した時に多くの人が生活物資などを求めて並んでいる様子の写真もあります。
また、メッセージボードも設けられていて、訪れた人たちが買い物の思い出などを付せん紙に書いて貼っていました。
美里町から訪れた夫婦は「結婚した当初はこの店で家電製品を購入しました。写真を見ながら懐かしい思い出がよみがえりました」と話していました。
また、ダイエーの紳士服売り場で店員として働いていたという仙台市の80代の女性は、「とてもたくさんの客が買い物に来ていて活気のある店でした。閉まってしまうのはとてもさみしい」と話していました。
【入居するビル “再開発を検討中”】
イオン仙台店が入居する読売仙台ビルについて、読売新聞グループ本社は、「現在、再開発を検討中です。着工時期は未定ですが、ビルの解体準備を進めています」とした上で、「読売新聞東京本社が引き続き所有し、仙台のまちづくりに貢献していきます」としています。
【地元の商店街 “さみしく残念”】
イオン仙台店の閉店についてクリスロード商店街振興組合の松坂信理事長は、「非常にさみしく残念です。ダイエーから始まって50年近くの間、商店街の中核を担っており、東日本大震災のときは、いち早くいろいろな生活物資や食料品をそろえてもらった」などと振り返りました。
また、商店街への影響については、「商店街の人通りが大きく変わると思うし、閉店をカバーできる店がいっそう頑張っていかないと集客ができないのではないか」と話していました。
その上で松坂理事長は、イオンが入居しているビルの今後について「仙台のランドマークとして、多くの方が楽しめるようなものができればいいと思います」と期待感を示しました。
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2025/03/01 08:39:34