
「連合」メーデー中央大会“中小企業も賃上げ拡大を”宣言採択
2025年4月26日 13時16分
労働団体「連合」のメーデー中央大会が開かれ、格差の是正や適切な価格転嫁などに取り組んで中小企業にも賃上げを広げていかなければならないとする宣言を採択しました。
東京・渋谷区の代々木公園で開かれた連合のメーデー中央大会には、主催者発表でおよそ2万9200人が参加し、石破総理大臣も出席しました。
このなかで、連合の芳野会長は「ことしの春闘では中小企業も前回を上回る賃上げ率となり、確実に格差は縮まっている。給料を上げることは働く者の価値や尊厳に敬意を払うことだ。トランプ関税による世界経済の混乱などで不安は募りがちだが、平和をつなぐため力を合わせましょう」と訴えました。
そして、企業規模間や雇用形態間、男女間の格差是正と、適切な価格転嫁や適正取引を徹底して、中小企業や労働組合のない企業にも賃上げのすそ野を広げなければならないとするメーデー宣言を採択しました。
宣言には戦後80年のことし、働く人の雇用や暮らしを守り、核兵器の廃絶や世界の恒久平和の実現を目指すことも盛り込まれました。
参加した通信会社で働く40代の男性は「リモートワークが増えて働き方が変わってきているので、賃上げとともに職場環境の改善も求めたい」と話していました。
また、鉄道会社の労働組合で役員を務める男性は「賃金は上がってきてはいるが物価高騰に見合っていない。メーデーを通して労働者が安心して生活できるよう取り組みたい」と話していました。
来月1日には「全労連」や「全労協」によるメーデーの中央大会も開かれます。
石破首相「働く一人一人の実感に変えていく」
石破総理大臣は連合のメーデー中央大会に出席し、ことしの春闘では前の年の水準を上回る賃上げが実現しているとした上で「統計上の数字だけでなく働く一人一人の実感に変えていかなければならない。すべての方々の賃上げを実現するためこの勢いを広げていく」と述べ、賃上げの流れを中小企業や非正規労働者などに波及させられるよう引き続き取り組む考えを示しました。
またアメリカの関税措置をめぐり「国内産業に大きな影響を及ぼしかねない事態だ。賃上げの勢いに水が差されることのないよう措置の見直しを強力に訴えていく。日米どちらか一方が得をするのではなく、ともに力を合わせ、いかに雇用をつくり、いかに生産を拡大するか、アメリカとの交渉に強力に臨んでいく」と述べました。
そして「労働者はこの国にとっての宝であり、一人一人をいかに尊重するかに最大限の努力をしていく。物価上昇に対しても知恵と力を貸してほしい。日本をさらに力強く発展させ、一人一人の幸せを実現するためにともに努力していく」と強調しました。
連合 芳野会長「総理が賃上げに触れたことは意義」
式典のあと連合の芳野会長は記者団に対し「いま中小・小規模事業所の労使交渉が佳境を迎えている。労働組合のある職場のほうが賃上げ率が高い中、労働組合のない職場にも賃上げを波及させていくには連合だけでは限界があるので、改めてきょう、石破総理が賃上げに触れたことは意義があったと思う。機運醸成に向けて弾みがついてくるのではないか」と述べました。
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2025/04/26 17:08:31