「時短で人いない」組合が自主パトロール 1月下旬に空き巣多発
2022年02月19日 09時30分
防犯を呼び掛けるのぼり旗やライトを手に、人通りが少なくなった街をパトロールする組合員ら
福島市の夜の街で、福島社交飲食業組合と県総合調理師会による自主的な防犯パトロールが行われている。きっかけは1月下旬に相次いだ空き巣狙いだが、新型コロナウイルスの感染拡大によるまん延防止等重点措置により人のにぎわいが消え、休業店舗が増えた環境変化も大きな懸念材料だ。関係者は「普段以上に警戒が必要になっている」と、心労や不安を抱えながら見回りを続けている。
午後10時ごろ、福島市内の繁華街にある組合事務所に、店の営業を終えた飲食店関係者が集まってきた。防犯を呼び掛けるのぼり旗やライトを手に、人通りが少なくなった街を大通りから裏路地までくまなく巡回する。組合の桃井優吉専務理事は「時短営業で人がいないので、空き巣などの犯罪が増えると思った」と心情を打ち明けた。
1月下旬に集中した空き巣では、何者かが薬局のガラスを割って侵入し現金約1360万円が盗まれる被害などがあった。パトロールに参加している男性も、経営する店舗が荒らされた一人だ。店は施錠していたが、裏口に数カ所の穴が開けられ、レジの現金を盗まれた。「20年間飲食業に携わっているが、窃盗被害は初めて。現金以外に盗まれたものはないが、勝手に店に入って物色されたと思うと気持ちが悪い。精神的ショックが大きい」と語る。
防犯カメラを設置したり、警備会社と契約したりするなどの対策はある。しかし男性は「個人経営の店では金銭的な限界がある」とため息を漏らす。「休業している店の中には、窃盗被害に遭っていることに気付いていない場合もあるのでは」。パトロールに参加するのは、自分と同じような被害に遭ってほしくないという思いからだという。
新型コロナの感染拡大がもたらした夜の街の変化。桃井専務理事らは「飲食業はコロナ禍で厳しい状況にあるが、街をみんなで守らないと」と、決意を口にする。当面は、延長となったまん延防止等重点措置期間の3月6日まで、夜の警戒を怠らない構えだ。
窃盗被害が相次いだことを受け、県警生活安全企画課は「店を閉める時は現金や貴重品を置かず、戸締まりをして、防犯カメラの設置も検討してほしい」と呼び掛けている。
Posted at 2022/02/19 18:08:31 | |
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