
ロッテ佐々木朗希が完全試合達成 28年ぶり16人目
2022年4月10日 18時14分 プロ野球
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プロ野球・ロッテの佐々木朗希投手が10日、千葉市で行われたオリックス戦で28年ぶり16人目となる完全試合を達成しました。
また、この試合で佐々木投手は13者連続で三振を奪い、プロ野球記録を64年ぶりに更新しました。
5回まで13者連続 計19の奪三振 記録ずくめの完全試合
佐々木投手は10日、千葉市のZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦に先発しました。
10日は、自己最速に並ぶ164キロをマークするなど160キロ台のストレートと落差のあるフォークボールがさえ、1回2アウトとしたあと、3番・吉田正尚選手から空振り三振を奪うと、5回の3アウトまで13者連続で三振を奪いました。
終盤も160キロ台をマークするなど球威が衰えなかった佐々木投手は9回2アウトまでランナーを1人も許さず、最後は代打の杉本裕太郎選手からこの試合、19個目となる三振を奪って完全試合を達成しました。
1人のランナーも出さない完全試合は、平成6年に巨人の槙原寛己投手が達成して以来、28年ぶり16人目です。
また、この試合で佐々木投手は13者連続の奪三振で64年ぶりにプロ野球記録を更新したほか、1試合19個の奪三振では27年ぶりにプロ野球記録に並び、記録ずくめの完全試合となりました。
これまでの連続奪三振のプロ野球記録は、昭和32年7月に当時阪急の梶本隆夫投手、また、昭和33年5月に当時東映の土橋正幸投手がマークした9連続奪三振でした。
佐々木朗希「キャッチャーの松川を信じて投げた」
佐々木朗希投手は、試合後のインタビューで記録ずくめのピッチングになったことについて「最高です」と満足そうな顔で話しました。
また、完全試合を意識していたかについて問われ「正直あまり意識していなく、打たれてもいいかなと思いながらキャッチャーの松川を信じて投げた」と話しました。
また、13者連続で三振を奪いプロ野球記録を更新したことについて「キャッチャーの松川がいいリードしてくれてその要求に応えて投げられた。ストライク先攻で早いカウントで勝負できたことがよかった」と振り返っていました。
そして「次回もいいピッチングができるように引き続き頑張ります」と笑顔で話しました。
また、試合後、取材に応じた佐々木投手は「多くの選手におめでとうと言ってもらえてうれしかったです。ことしのシーズン最初に登板した楽天戦があまりよくなかったので、その反省をここ2試合しっかり生かして脱力しながらストライク先行で投げ、しっかり心をコントロールしながら最後まで投げ切ることができた」と試合を振り返りました。
プロ野球記録に並ぶ19奪三振については「しっかり、キャッチャーの松川を信じて投げ切ることができました。ただ、特に三振はねらわず、バックを信じて投げることができたかなと思います」と冷静に話しました。
そのうえで、今後に向けて「まだシーズンは始まったばかりなので、1年間、ローテーションをまわれるようにきょうもしっかりとケアして、次の登板に向けて、調整したいと思います」と話していました。
“令和の怪物” じっくり育成され 初の開幕ローテーション入り
佐々木朗希投手は岩手県出身の20歳。
大船渡高校時代に163キロをマークし「令和の怪物」と呼ばれて注目を集め、おととしドラフト1位でロッテに入団しました。
1年目は実戦には登板させずにじっくりと育成し、去年は11試合に登板して3勝をマーク。
ことしはオープン戦から163キロをマークするなど順調に調整を続けて初の開幕ローテーション入りを果たしました。
今シーズン初先発となった先月27日の楽天戦は自己最速の164キロをマークし10個の三振を奪いましたが勝ち負けはつかず、今月3日に本拠地で行われた西武戦で13個の三振を奪って今シーズン初勝利を挙げました。
去年より体重が5キロ増えたという佐々木投手は今シーズン、1試合で何度も球速が160キロ台をマーク。
そのストレートと落差の大きいフォークボールで三振を奪うケースが多く見られます。
井口監督「いずれ完全試合をやるだろうなと思っていた」
ロッテの井口資仁監督は、完全試合を達成した佐々木朗希投手について「きょうの試合は朗希に尽きる。いずれ完全試合をやるだろうなと思っていたが、こんな早い段階でこういう試合をするとは思わなかった」と笑顔で話していました。
また、ピッチング内容について「きょうはファウルを取らせながらカウントを稼いで決め球でしとめる、佐々木らしいピッチングが1回から9回まで徹底できていた。キャッチャーの松川もいいリードをしてくれてた」と振り返っていました。
【詳細】佐々木投手 19奪三振
【1回】
3番・吉田正尚選手が3球目のフォークボールを空振り三振。
【2回】
先頭の4番・ラベロ選手が4球目のフォークボールを空振り三振。
続く5番・福田周平選手は5球目のフォークボールを空振り三振。
さらに、6番・西村凌選手も、4球目のフォークボールを空振り三振。
この回、追い込んでからすべてフォークボールで空振り三振を奪う。
【3回】
先頭の7番・紅林弘太郎選手は5球目のフォークボールを空振り三振。
8番・福永奨選手も4球目のフォークボールを空振り三振。
ここまで6者連続、フォークボールで空振り三振を奪う。
9番・宜保翔選手は4球目の自己最速に並ぶ164キロのストレートを空振り三振。
【4回】
2回り目となった先頭の1番・後藤駿太選手は6球目のフォークボールを空振り三振。
2番・バレラ選手は4球目の162キロのストレートを見逃し三振。
3番・吉田正尚選手は4球目のフォークボールを2打席連続となる空振り三振。
ここまでで10者連続で三振を奪い、プロ野球記録を64年ぶりに更新。
【5回】
先頭の4番・ラベロ選手は4球目のフォークボールを見逃し三振。
5番・福田選手は、5球目のフォークボールを空振り三振。
6番・西村選手は3球目の163キロのストレートを見逃し三振。
ここまで13者連続で三振を奪う。
【6回】
連続三振は途切れるものの9番・宜保選手が6球目のフォークボールを空振り三振。
【7回】
3番・吉田正尚選手が5球目の163キロのストレートを見逃し三振。
吉田選手は3打席連続三振。
【8回】
先頭の4番・ラベロ選手が4球目のフォークボールを空振り三振。
5番・福田選手は4球目のフォークボールを空振り三振。
6番の途中出場の渡部遼人選手は5球目のフォークボールを空振り三振。
この回、すべてフォークボールで空振り三振を奪う。
【9回】
2アウトから代打の杉本裕太郎選手が3球目のフォークボールを空振り三振。
1試合で奪った三振が19個でプロ野球記録に並ぶ。
三振の内訳
▽ストレート 空振り三振:1
▽ストレート 見逃し三振:3
▽フォークボール 空振り三振:14
▽フォークボール 見逃し三振:1