アマゾンで増える「送料ぼったくり」被害 “誰だって気づくはず”の手口のウラ側
10/22(土) 7:05配信
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ITmedia ビジネスオンライン
Amazonで“ぼったくり”な送料を設定する業者が増えている
「価格が安いと思って購入してみると、実は送料が相場よりも高かった」──Amazonで“ぼったくり”な送料を設定する業者から、意図せずに商品を購入してしまう被害が後を絶たない。
【画像】こんな出品には要注意!(他6枚)
程度の違いこそあれ、ネット通販サイトが広く使われるようになってから、オークションサイトなども含めて時折見かける商法だ。ところが最近、“程度の違い”とは言えないほどの送料、例えば数万円を上乗せしている例が数多くみられるようになっている。
「そんなバカな送料の設定で売れるはずがない」「プライム配送の製品しか検索しないから、僕は引っ掛からないよ」──と考える方が多いのではないだろうか。
おおむねその通りなのだが、それでもこの仕組みに気付かずに、注文してしまう例が少なくない。
なぜ、そんなあからさまなシカケに引っ掛かってしまうのだろうか?
問題の本質は……
実は、この法外な送料の設定は、必ずしも法外な価格を支払わせて利鞘を儲ける意図で行われているわけではない。多くの場合、かなり割高にはなっているものの、商品との合計金額は法外とは言い切れない価格になっていることが多い。
あまりに常識から外れた価格になることで問題が大きくなることを避けたい意図からだろう。実はそこは問題の本質ではない。高い送料は、業界用語でいう“カートを取る”ための工夫なのだ。
ゲーム感覚で“カートを取る”業者たち
“カートを取る”とはどういうことなのか。
ご存じの通り、Amazonの販売ページでは同じ商品を多数の流通業者が販売している。Amazon自身が販売しているものもあれば、Amazonの流通システムを利用したメーカーや代理店、あるいは既存販売店やブローカーのような業者も相乗りしており、消費者はその中から自由に販売者を選んで購入できる。
そうした競合関係の中で、顧客が自分たちを販売者として選んでカートに商品を入れることを“カートが取れる”と表現する。カートを取るために最も効果的なのが、相乗りの販売ページでリストのトップになり、そのページを表示した時に最初に選ばれる販売者になることだ。
複数の販売者が同じ商品ページに相乗りしている場合、以前は製品価格と送料の合計が優先順位を決めていたが、今年4月ごろからシステムの振る舞いが変化し、製品価格が最も安い販売者がリストの筆頭に来るようになった。
つまり、商品価格を安くすることでリストの筆頭になれる。そのため、送料を水増しすることで帳尻を合わせる業者が増えているのだろう。
「出品業者の掲示板では、“今日は結構カートが取れたよ”などと情報交換がされてるんですよ。われわれのような古参の出品業者は、Amazonマーケットプレイスの仕組みを使い、ゲーム感覚で売り上げを出そうという出品者の自慢話を苦々しく読んでます」
そう話してくれたのは、あるAmazonの古参出品者だ。彼は、安全基準を満たさない偽装モバイルバッテリーや偽物の相乗り販売など、登録業者がAmazonの仕組みを使って製品を販売できるAmazonマーケットプレイスを悪用する販売業者の情報を、数年前から定期的に提供してくれている。
なぜ「苦々しく」感じているのか。
それは、Amazonの販売システムの仕組み、特徴を使ってゲーム感覚でカートを取る出品者によって、真面目にAmazonを通じて商品を販売してきた業者にも不利益が生じているからだ。
Posted at 2022/10/22 17:28:41 | |
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