
ワールドカップ 3位決定戦 クロアチアが接戦を制す
2022年12月18日 7時43分
サッカー、ワールドカップカタール大会の3位決定戦はクロアチアがモロッコに2対1で勝って3位となり、アフリカ勢として初めて準決勝まで勝ち進んだモロッコは4位で大会を終えました。
【詳しいデータはこちら】クロアチア2-1モロッコ
ワールドカップカタール大会の3位決定戦は、日本時間の18日午前0時からカタールの首都ドーハにあるハリファ国際スタジアムで行われ、前回大会準優勝で世界ランキング12位のクロアチアと、アフリカ勢として初めて準決勝まで勝ち進んだ世界22位のモロッコが対戦しました。
両チームは、1次リーグの初戦でも対戦し、この時は0対0の引き分けでした。
試合は前半7分、クロアチアがセットプレーからセンターバックの20歳、ヨシュコ・グバルディオル選手がヘディングシュートを決め先制しました。
その直後、モロッコはセットプレーから相手に当たったボールをディフェンダーのアシュラフ・ダリ選手が頭で押し込み同点に追いつきました。
前半42分、クロアチアはペナルティーエリアの中の左サイドでパスを受けたミスラブ・オルシッチ選手が右足で絶妙にコントロールしたシュートを決めて勝ち越しました。
後半、クロアチアはエースのルカ・モドリッチ選手を中心に追加点をねらいましたが得点は奪えず、終盤にかけてはモロッコのスピードや高さのある攻撃を堅い守りで防ぎきりました。
両チームが力を出し尽くした試合はクロアチアが2対1で逃げきり、前回大会の準優勝に続き、3位となりました。
敗れたモロッコはアフリカ勢として過去最高の4位と躍進しました。
グバルディオル選手「努力が実を結んだ」
先制のゴールを決めてこの試合の最優秀選手に選ばれたクロアチアの20歳、ヨシュコ・グバルディオル選手は「全員が最後まで助け合い決して楽ではなかったが、努力が実を結んだ。最もつらい時でも諦めず、最大限の力を出すチームであることを再び証明できたと思う。とてもうれしいし、国に帰るのを楽しみにしている」と話していました。
オルシッチ選手「キャリアの中でベストなゴール」
決勝ゴールを決めたクロアチアのミスラブ・オルシッチ選手は「私のキャリアの中でベストなゴールだった。相手のカウンターには気をつけるべきだとわかっていたし、カウンターからの失点を防ぐことができた。いい試合ができたと思うし、わくわくする試合だった」と試合を振り返りました。
そのうえで、「何を成し遂げたかはまだ実感できていないが、数日がたてば、あるいはクロアチアに帰ったら実感がわいてくるだろう」と話していました。
ダリッチ監督「メダルは銅だが金メダルのような輝き」
クロアチアのズラトコ・ダリッチ監督は「難しい試合で勝つことができた。メダルは銅だが、私たちにとっては金メダルのような輝きだ」と話しました。
そのうえで、前回大会で準優勝だったことを踏まえ、「2大会でメダル2個というのは本当にすごいことで選手たちを祝福したい。選手たちは努力もプレーも意欲もすべてを出してくれたし、結果重視のプレーができた。あらゆる意味ですばらしかった」と今大会を振り返っていました。
レグラギ監督「最後まで諦めないチーム」
モロッコのワリード・レグラギ監督は「私たちは最後まで諦めないチームというイメージを与えた。クロアチアは私たちよりも経験が豊富で3位に値すると思う。クロアチアを祝福したい」と3位決定戦を振り返りました。
そのうえでアフリカ勢で過去最高の4位となった今大会を振り返り、「私たちはガラスの天井を少し壊してベスト4に進んだ。それほど差はなかったが、フランスとの試合や3位決定戦の2試合で、まだやるべきことがあると学んだ。より高いレベルに到達するため努力を続けていくつもりだ」と決意を新たにしていました。
モロッコ アフリカ勢として過去最高の成績
カタール大会で次々と強豪チームを破り大きな注目を集めたモロッコはアフリカ勢として過去最高の成績で今大会を終えました。
世界ランキング22位のモロッコは、1次リーググループFの初戦で前回大会準優勝のクロアチアと0対0で引き分け、第2戦では世界2位のベルギーを2対0で破り、グループ首位で決勝トーナメントに進出しました。
堅い守りから相手のボールを奪い、ドリブルなどの個人技と巧みなパスを駆使して速攻につなげるサッカーで選手たちが躍動しました。
決勝トーナメント1回戦のスペイン戦では、相手に圧倒的にボールを持たれましたが、延長戦まで無失点で守りきり、ペナルティーキック戦の末、勝ち上がりました。
準々決勝のポルトガル戦も相手に攻め込まれる時間が長くなりましたが、前半終了間際にフォワードのユーセフ・エン ネシリ選手が決めたヘディングシュートの1点を、ゴールキーパーのヤシヌ・ブヌ選手を中心に粘り強く守りきりました。
準決勝のフランス戦では、けが人や連戦の影響もあって、自慢の守備を崩されて2点を奪われ決勝進出はなりませんでしたが、中東で初めて開かれた今大会で、開催地カタールと同じアラブ諸国のモロッコの躍進は大きなインパクトを残しました。
試合のたびにスタジアムはモロッコサポーターの赤と緑のカラーに染まり、大歓声と相手チームへのブーイングが選手たちを後押ししました。
1次リーグ初戦で対戦したクロアチアとの再戦となった3位決定戦でも1点を追って最後まで諦めないサッカーで会場を沸かせ、最後は及ばなかったもののアフリカ勢として過去最高となる4位で大会を終えました。
FIFA=国際サッカー連盟のインファンティーノ会長は16日の記者会見でモロッコの躍進に触れ「モロッコは大成功した。次のワールドカップでもアフリカチームの活躍を期待する」と称賛しました。
ホームのような大声援を受けて躍進したモロッコはアラブ諸国で初めて開かれたワールドカップで鮮烈な印象を残しました。
Posted at 2022/12/18 08:22:25 | |
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