
ワールドカップ アルゼンチン優勝 36年ぶり3回目 フランス破る
2022年12月19日 5時57分
サッカーワールドカップのカタール大会決勝はアルゼンチンとフランスが対戦し、3対3で延長戦でも決着がつかずペナルティーキック戦のすえ、アルゼンチンが36年ぶり3回目の優勝を果たしました。
MVP=最優秀選手は優勝したアルゼンチンのキャプテン、リオネル・メッシ選手が選ばれました。決勝で3得点、ハットトリックを達成したフランスのキリアン・エムバペ選手が8得点で得点王に輝きました。
(※試合の詳しい経過や談話などは記事後半に)
ワールドカップカタール大会の決勝は日本時間の19日、ドーハ近くにあるルサイルスタジアムで行われ、36年ぶりの優勝を目指す世界ランキング3位のアルゼンチンと、2連覇を目指す世界4位のフランスが対戦しました。
試合は序盤からアルゼンチンが主導権を握って相手ゴールに迫り、前半23分、アンヘル・ディ マリア選手が倒されて獲得したペナルティーキックをエースのリオネル・メッシ選手が決めてアルゼンチンが先制しました。
前半36分には、メッシ選手を起点としたカウンターから最後はベテランのディ マリア選手が左足で決めてリードを2点に広げました。
後半、アルゼンチンの堅い守備に苦しんだフランスは35分にペナルティーキックをエースの、キリアン・エムバペ選手が決めると、直後に再び抜け出したエムバペ選手がボレーシュートを決めて追いつき2対2のまま延長戦に入りました。
アルゼンチンは延長戦の後半開始早々、ゴール前のこぼれ球をメッシ選手が押し込んで勝ち越しました。
これに対し、フランスは13分にエムバペ選手がこの試合ハットトリックとなるペナルティーキックを決め、土壇場で再び追いつきました。
試合はこのまま決着がつかず、ペナルティーキック戦に入りフランスの2人目と3人目が失敗したのに対し、アルゼンチンは4人連続で成功させました。
ペナルティーキック戦を4対2で制したアルゼンチンが1978年の自国開催の大会と、マラドーナさんを擁した1986年のメキシコ大会に続き36年ぶり3回目の優勝を果たしました。優勝回数3回はブラジルの5回、ドイツとイタリアの4回に次ぐ回数となります。
フランスは驚異の粘りで前回王者の意地を見せましたが、あと一歩、及びませんでした。
MVPはアルゼンチン メッシ 2回目の受賞は史上初
今大会のMVP=最優秀選手は優勝したアルゼンチンのキャプテン、リオネル・メッシ選手が選ばれました。
35歳のメッシ選手は、フランスのサッカー専門誌が選ぶ最優秀選手賞、「バロンドール」に7回輝くスーパースターで、今大会を最後のワールドカップと位置づけ自身初の優勝を目指しました。今大会の7試合すべてに先発フル出場し決勝での2得点を含む7得点をあげたほか、アシストも3つマークしアルゼンチンの優勝に大きく貢献しました。また、5大会連続のワールドカップ出場で通算出場試合数を26として単独最多記録もマークしました。
メッシ選手がワールドカップのMVPに選ばれるのは、アルゼンチンが準優勝した2014年のブラジル大会以来、2回目で、同じ選手がMVPを複数回受賞するのは史上初めてです。
メッシ「これ以上、願うことはない」
メッシ選手は「やっと優勝トロフィーが手に入った。これ以上、願うことはない。私自身もチームもアルゼンチン全体も、切に願っていた優勝をすることができて神に感謝している。私たちはワールドチャンピオンだ」と喜びを示しました。また、今回が最後のワールドカップになるのかという質問に対しては「私たちとしては、またこの舞台に立って楽しむために貪欲に進みたい」と述べるにとどまり、今後については明言しませんでした。
得点王はフランス エムバペ 決勝で史上2人目のハットトリック
フランスのエース、キリアン・エムバペ選手が8得点をマークして得点王に輝きました。エムバペ選手は1次リーグで3得点を挙げ、決勝トーナメントの1回戦で2得点、決勝ではハットトリックを達成しました。
2位は決勝で2得点を挙げたアルゼンチンのリオネル・メッシ選手で7得点、3位はアルゼンチンのフリアン・アルバレス選手と、フランスのオリビエ・ジルー選手が4得点で並びました。
得点王に輝いたフランスのエムバペ選手は決勝でハットトリックを達成しました。FIFA=国際サッカー連盟によりますと、ワールドカップの決勝でハットトリックを達成したのは、1966年イングランド大会でイングランドのジェフ・ハースト選手が記録して以来、史上2人目だということです。また、エムバペ選手は前回大会の決勝でも1得点を挙げていて、決勝での通算得点の4点は歴代最多になったということです。
最優秀GK アルゼンチン マルティネス
最優秀ゴールキーパーには、決勝のペナルティーキック戦でも好セーブを見せたアルゼンチンのエミリアーノ・マルティネス選手が選ばれました。
マルティネス選手は「私たちが勝っていたが同点に追いつかれ、苦しい試合だった。だがそのあと、夢にまでみた光景があった。こんなワールドカップになるとは思わず、言葉がない」と話していました。そして、好セーブを見せた決勝のペナルティーキック戦については「落ち着いていた。あの瞬間は私が仲間のために頑張る時だった」と話していました。
ヤングプレーヤー賞 アルゼンチン フェルナンデス
大会で最も活躍した21歳以下の若手選手に贈られるヤングプレーヤー賞は、アルゼンチンのエンソ・フェルナンデス選手がでした。フェアプレー賞にはイングランド代表が選ばれました。
アルゼンチン スカローニ監督「すばらしい瞬間」
試合後、優勝したアルゼンチンのリオネル・スカローニ監督は「まだ実感が湧かないが、今、この瞬間を楽しんでいる。私たちは良いことも悪いことも乗り越えてきた。きょうの試合でも選手はしっかりと対応してくれた。とてつもなくすばらしい瞬間だ」と話しました。そして誰に感謝を伝えたいかを問われ「決して諦めることなく、常に前に進むことを教えてくれた父と母に感謝をしたい」と涙を浮かべながら話していました。
アルゼンチン“集大成”の盟友2人が悲願達成
アルゼンチンが36年ぶりの優勝を決めた決勝は、長年チームの中心だった2人のベテランの活躍がありました。
35歳のリオネル・メッシ選手と34歳のアンヘル・ディ マリア選手はともにアルゼンチンのロサリオ出身の同学年で盟友といわれる存在です。2人は今大会を「最後のワールドカップ」と位置づけ、自身初の優勝を目指した決勝ではその強い思いをピッチで表現しました。
今大会、出場機会が減っていたディ マリア選手は、決勝トーナメントに入って初めての先発出場となり、序盤から左サイドで何度もチャンスを演出します。前半23分にはドリブルでペナルティーエリアに持ち込むと相手に倒されてペナルティーキックを獲得し、これをメッシ選手が決めてアルゼンチンが主導権を握りました。
36分にはメッシ選手が起点となったカウンターから最後はフリーになったディ マリア選手が冷静に決めてリードを2点に広げる活躍をみせました。ディ マリア選手はゴールを決めた後、涙を浮かべる場面もあり、その様子がSNSなどで大きな話題にもなりました。後半ベンチに下がったディ マリア選手はペナルティーキック戦までもつれた試合をベンチから見守っていました。
ペナルティーキック戦でも最初のキッカーとしてシュートを決めたメッシ選手。今大会を集大成とする2人のベテランの活躍でアルゼンチンは36年ぶりの優勝という悲願を達成しました。
アルゼンチン 国中が歓喜
36年ぶりの優勝を決めた南米・アルゼンチンでは、ペナルティーキック戦の末の劇的な勝利に、国じゅうが喜びに沸いています。
このうち、メッシ選手が幼少期を過ごしたアルゼンチン第3の都市ロサリオでは、市内各地に設けられた大型スクリーンで決勝戦が放送され、大勢の市民が試合の行方を見守りました。メッシ選手や、同じロサリオ出身のディ マリア選手がゴールを決めるたびに大歓声が上がり、ペナルティーキック戦の末に劇的な勝利を決めると、集まった市民が一斉に飛び上がり、抱き合ったり涙を流したりして喜びを表していました。また、ロサリオ市内の通りは、優勝を祝って国旗を掲げたり、クラクションを鳴らしたりしながら走る車が至るところで見られました。
大型スクリーンで観戦した男性のひとりは「ことし父を亡くしましたが、チャンピオンになって今は世界一うれしい。メッシ選手はマラドーナ選手を超えたと思います」と話していました。また、女性のひとりは「私たちアルゼンチン人は長年、苦しみながら優勝を待っていました。この感動は言葉にできません」と話していました。
Posted at 2022/12/19 06:21:12 | |
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