ことしの賃上げ ベア実施企業が大幅に増加 100社アンケート
2023年1月23日 10時45分
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NHKがことしの賃上げについて国内の主な企業100社にアンケートを行ったところ、基本給を一律に引き上げる「ベースアップ」を行うと回答した企業は25社となり、1年前の調査と比べて大幅に増えたことが分かりました。ただ、賃上げの水準については、検討中と回答する企業が多くなっています。
NHKは先月23日から今月13日にかけて、国内の主な企業100社を対象にアンケート調査を行い、すべての企業から回答を得ました。
この中で賃金の引き上げを行うか尋ねたところ、「引き上げる」が14社、「引き上げる可能性が高い」が28社となり、合わせて42社が賃上げに前向きであることが分かりました。また「検討中」は29社となりました。
そして、賃上げの考え方を複数回答で尋ねたところ、基本給を一律に引き上げる「ベースアップ」を行うと回答した企業は25社となりました。
1年前に行った調査で「ベースアップ」を行うと回答した企業は5社でこれと比べると大幅に増えていて、賃上げへの機運が高まっていることがうかがえます。
このほか、「定期昇給」が37社、「賞与・一時金の引き上げ」が10社、「若手や子育て世帯など特定層に限り、基本給を引き上げる」が8社、手当の新設・増額などいわゆる「インフレ手当」が7社となっています。
そのうえで、どの程度の賃上げが望ましいと考えるか聞いたところ、「前年並みの水準」が8社、「物価上昇分を上回る水準」が7社、「物価上昇分を超えないが、前年を上回る水準」が3社となりました。
一方で、27社が「検討中」と回答しています。
このほか、ベースアップの実施や賞与・手当を増やすねらいについて尋ねたところ、「物価上昇への対応」や「社員のモチベーション向上」と回答する企業が多く、物価高の中、社員の生活を支えるとともにモチベーションを上げて働いてもらいたいと企業が賃上げを重視していることもうかがえます。
賃上げについては企業からさまざまな声が聞かれました。
「単なる物価高における実質賃金の確保という視点だけではなく、人への投資の観点からの検討が必要」(金融)
「賃金は会社業績や生産性向上に連動」(メーカー)
「日本経済がさらに成長する為には、付加価値の高い製品やサービスを生み出し、国際競争力を高めることが重要だ。業績を上げて、従業員にも還元することで、報酬水準を向上させたいと考えている。従業員には生産効率を向上してもらい、その成果に対してメリハリある報酬を実施していく」(商社)
賃上げについては、従業員の生産性向上やそれに伴う稼ぐ力の強化も重要だという企業の姿勢がうかがえます。
景気は「緩やかに拡大」が半数以上
国内の景気の現状についての認識を尋ねたところ、「緩やかに拡大」が56社で、「拡大」と回答した企業はありませんでした。
1年前の前回調査では、「拡大」は3社、「緩やかに拡大」は62社でした。
今回の調査で「緩やかに拡大」と回答した企業にその理由を複数回答で聞いたところ、「個人消費の回復」が47社、「経済活動の正常化」が34社、「設備投資の増加」が34社、「インバウンド消費の回復」が18社などとなっています。
国内の景気の現状に対する認識で「拡大」「緩やかに拡大」のほかの回答では、「横ばい」が34社、「緩やかに後退」が6社、「わからない」が2社、「無回答」が2社でした。
さらに、ことしの景気の見通しについて聞いたところ、「拡大」が2社、「緩やかに拡大」が54社となりました。
その理由については、「拡大」または「緩やかに拡大」と回答した企業の半数以上が、「個人消費の回復」や「インバウンド消費の回復」を挙げたほか、「賃金の上昇」や「半導体不足など供給制約の改善」とした企業もありました。
ことしの景気の見通しについて「拡大」「緩やかに拡大」のほかの回答では「横ばい」が32社、「緩やかに後退」が6社となりました。
「緩やかに後退」と回答した企業では、「エネルギーや原材料価格の高騰・高止まり」、「欧米経済の減速」などをその理由として挙げています。
(回答企業・五十音順)IHI、アイリスオーヤマ、旭化成、アサヒグループホールディングス、味の素、イオン、いすゞ自動車、出光興産、伊藤忠商事、インターネットイニシアティブ、AGC、ANAホールディングス、SGホールディングス、ENEOSホールディングス、王子ホールディングス、花王、鹿島、川崎重工業、キヤノン、京セラ、キリンホールディングス、KDDI、小松製作所、サイバーエージェント、サントリーホールディングス、JFEホールディングス、JTB、J.フロント□リテイリング、塩野義製薬、資生堂、清水建設、商船三井、すかいらーくホールディングス、スズキ、SUBARU、住友化学、住友金属鉱山、住友商事、住友電気工業、西武ホールディングス、Zホールディングス、セブン&アイ・ホールディングス、ゼンショーホールディングス、大和証券グループ本社、中部電力、ツルハ、ディー・エヌ・エー、デンソー、東海旅客鉄道、東京エレクトロン、東京海上ホールディングス、東京ガス、東京電力ホールディングス、東芝、東レ、凸版印刷、トヨタ自動車、日産自動車、日本製紙、日本製鉄、日本電気、日本電信電話、日本航空、日本生命保険、日本電産、任天堂、野村ホールディングス、博報堂、パナソニックホールディングス、東日本旅客鉄道、日立建機、日立製作所、ビックカメラ、BIPROGY、ファーストリテイリング、富士通、富士フイルムホールディングス、ブリヂストン、マツダ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産、三井不動産、三越伊勢丹ホールディングス、三菱ケミカルグループ、三菱自動車工業、三菱重工業、三菱商事、三菱電機、三菱UFJフィナンシャル・グループ、村田製作所、明治、メルカリ、モスフードサービス、ヤマトホールディングス、ヤマハ発動機、ユニ・チャーム、楽天グループ、リクルート、ローソン
Posted at 2023/01/23 12:38:31 | |
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