北陸新幹線 金沢-敦賀 来年3月16日開業へ
2023年8月30日 19時39分
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北陸新幹線の金沢・敦賀間について、JR西日本と東日本は来年3月16日に開業すると発表しました。福井・東京間の所要時間は最短で2時間51分と、これまでより30分余り短縮されることになります。
JR西日本と東日本は30日、福井市で記者会見を開き、整備の最終段階に入った北陸新幹線、金沢・敦賀間の運行計画の概要を発表しました。
それによりますと、開業日は来年3月16日の土曜日で、東京駅と福井県の敦賀駅の間を▽停車駅が少ない「かがやき」が1日9往復、▽停車駅が多い「はくたか」が5往復するということです。
福井駅と東京駅の間は最短2時間51分に
福井駅と東京駅の間は最短2時間51分で結ばれ、金沢駅で北陸新幹線に乗り継ぐ場合ではこれまでより36分短縮されるということです。
北陸新幹線の金沢・敦賀間をめぐっては、当初、ことし春の開業を予定していましたが、建設工事の遅れなどから計画よりも1年遅れての運行開始となります。
会見でJR西日本の長谷川一明社長は「北陸新幹線の延伸で文化・経済の交流がより加速していく。地域の輝きがさらに増すように、開業の準備に取り組みたい」と述べました。
そのうえで、具体的なダイヤと運賃については年内の確定を目指し、調整を進める方針を示しました。
また、開業に向けて鉄道・運輸機構は、9月23日から新幹線の車両などを使った試験走行を始めることにしています。
特急「サンダーバード」など 敦賀駅止まりに変更へ
北陸新幹線の金沢・敦賀間が開業するのに伴い、JR西日本は大阪と福井・金沢を結んでいる特急の「サンダーバード」などについて敦賀駅止まりに変更することを明らかにしました。
これによって、大阪などから福井や金沢に向かう場合は乗り換えが必要になりますが、JRはスムーズに乗り換えられるようダイヤなどを見直すとしています。
JR西日本は30日、北陸新幹線の金沢・敦賀間を来年3月16日に開業すると発表しました。
これに合わせJR西日本は、北陸本線に乗り入れている▽大阪・京都と金沢などを結ぶ特急「サンダーバード」と、▽JR東海と共同で運行している名古屋と金沢などを結ぶ特急「しらさぎ」について、敦賀駅止まりに変更することを明らかにしました。
これによって、例えば大阪や京都から福井・金沢方面に向かう場合、敦賀駅で北陸新幹線に乗り換えることになりますが、JRは8分程度で乗り換えられるようダイヤを見直すということです。
こうした対応によって▽大阪・福井間の所要時間は今よりも3分、▽大阪・金沢間は22分、それぞれ短縮されるということです。
記者会見でJR西日本の長谷川一明社長は「敦賀駅での乗り換えがスムーズになるよう、乗り換え改札口などの設計を進めていて、乗客の抵抗感を少なくしていきたい」と述べました。
一方、北陸新幹線の敦賀・新大阪間については、環境アセスメントが大幅に遅れている影響などから着工が遅れています。
県内初の新幹線 福井県では
杉本知事「半世紀にわたる悲願 とても喜ばしい」
福井県の杉本知事は「半世紀にわたって福井県の悲願であった新幹線の開業の日が明らかになったことをとても喜ばしく思っている。開業日に向けて観光地の磨き上げや2次交通の充実などを図り、多くの観光客を受け入れたい」と述べました。
一方、新幹線の開業で関西や中京方面からの特急列車が敦賀止まりとなることについて「始発駅であると同時に終着駅にもなる敦賀で一度降りてもらうことで嶺南地域への観光振興につなげるとともに、乗り換え時間が短くなるようJRにお願いをして不便にならないようにしたい」と述べました。
めどが立たない状態が続く敦賀・新大阪間の整備については「先日の概算要求で、敦賀以西については来年度も整備費が計上されなかったことは大変遺憾だ。一日も早い大阪までの全線開通を実現させたい」と述べました。
恐竜博物館 首都圏中心に観光客増加に期待
福井県勝山市の福井県立恐竜博物館では、首都圏を中心に観光客がこれまで以上に訪れるきっかけになると期待を寄せています。
福井県立恐竜博物館では、新幹線の福井県内開業を見すえて半年余りをかけて大規模な改装工事を進め、7月、リニューアルオープンし、多い日には1万2千人を超える人が訪れています。
関東方面からの入館者は全体の2割余りだということで、博物館では新幹線の県内開業をはずみに、首都圏を中心とした観光客がこれまで以上に訪れるきっかけにしたいと期待を寄せています。
福井県立恐竜博物館の谷川由美子館長は「恐竜博物館には行きたいけど『ちょっと遠い』と思っていた人たちの背中を押してくれるきっかけになればと思います。北陸新幹線が一日も早く開業して、私たちのところにお客様を運んでいただけるのを期待しています」と話していました。
県内が全線開業へ 石川県では
馳知事「本格的にPR活動 官民挙げて取り組む」
北陸新幹線の敦賀延伸で開業日や運行計画が発表されたことについて、石川県の馳知事は「3月16日は県内が全線開業する待ちに待った日であり、開業日が明らかになったので本格的にPR活動を進めることができる。官民を挙げて取り組む」と述べました。
一方、開業することで敦賀で新幹線と特急の乗り換えが必要になることや、小松駅や加賀温泉駅に停車する列車が少ないことを挙げ「乗り換えの利便性の向上や、年末年始や夏休みなど利用者が増える期間には特別なダイヤで県内の駅に停車する列車を増やすなどの対応をJRに求めていきたい」と述べました。
加賀市長「感慨深い 関西方面は乗り換え必要で心配な部分も」
石川県加賀市の宮元市長は「新幹線が加賀市にいよいよやって来るということは非常に感慨深い。地元でも開業への機運が徐々に高まってきているので、プレイベントなど取り組みに磨きをかけながら、このチャンスを何とか誘客に生かしていきたい」と期待を述べました。
一方で、加賀温泉駅では、東京駅との直通列車が「かがやき」と「はくたか」で合わせて1日7往復設定されたことについて「金沢開業に比べると非常に少ない本数で、ある意味、青天のへきれきで驚いている。関西方面には乗り換えも必要になるので、関西からの誘客も含めてこれまでの状況を維持しつつ、さらに上回ることができるのか非常に心配な部分もある。相当な努力が必要だ」と不安も述べました。
北陸新幹線の停車駅に 小松駅や加賀温泉駅では
北陸新幹線の敦賀延伸で小松駅や加賀温泉駅にも「かがやき」や「はくたか」が停車することが発表されたことについて、小松駅前の街の人に意見を聞きました。
小松市の高校2年の男子生徒は「停車数が思ったより多いのは意外でした。東京に行く際は車窓の風景を楽しみたいので、飛行機より新幹線を利用したい」と話していました。
また、子ども連れの30代の女性も「実家が小松駅に近いので新幹線を利用したい」と話していました。
一方、60代の男性は「通勤では新幹線を利用したいですが、家が空港に近いので、急いでいないときやスーツケースがある時は飛行機を利用したい」と話していました。
加賀市の加賀温泉駅は、東京駅との直通列車が1日7往復設定されました。
高校1年生の男子生徒は「延伸に向けた工事もずっと見ていたのでうれしいです。7往復という本数も多いと感じ、関東から観光客がたくさん来て加賀市がにぎわうことを期待しています」と話していました。
また、60代の女性は「実際に加賀市に新幹線がやってきたら孫と利用したいと思っています。午前中の早い時間帯など、使いやすい時間帯に列車があるとうれしい」と話していました。
一方で40代の女性は「東京との直通が1日7往復という本数では利便性があるのか疑問です。これまでサンダーバード1本で行けていた関西方面に乗り換えが必要になることにも不安が大きいです」と話していました。
北陸新幹線 金沢-敦賀 来年3月16日開業へ
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