福島県内の5件を文化審答申 国登録文化財
2023年11月25日 08時40分
写真上=旧二階堂家住宅の長屋門(福島市提供)写真中央=栗花家住宅の店蔵(桑折町教委提供)写真下=無能寺の山門(桑折町教委提供)
国の文化審議会は24日、福島市の旧二階堂家住宅の「主屋(おもや)」と「長屋門」、桑折町の栗花家(くりはなけ)住宅の「店蔵」と「主屋」、無能寺(むのうじ)の「山門(さんもん)」の県内5件を登録有形文化財(建造物)とするよう盛山正仁文部科学相に答申した。登録されれば県内の国登録有形文化財は271件となる。
旧二階堂家住宅は福島市上鳥渡の農村集落にある名主の屋敷で、主屋は式台玄関など格式を備えた江戸後期の大規模民家。敷地内には江戸末期にさかのぼる大規模な長屋門が残り、旧家の風格を示している。
栗花家住宅は桑折宿の中心部にある旧蚕物商(さんぶつしょう)で、奥州街道に面する店蔵は前土間のミセに摺上戸(すりあげど)を残す。2階は1室で、繭の保管場とした。平屋の主屋とともに、奥州街道沿いの歴史的な景観を形成している。
無能寺は桑折宿にある浄土宗寺院。1864年に建築された山門は薬医門で、ケヤキの良材を使い、地域での布教拠点にふさわしい雄大な構えをしている。
答申を受け、栗花家住宅を管理する栗花信介さん(59)は「生まれた時から住んでいる家で、店蔵は子どもの頃の遊び場だったので思い入れが深い。3度の地震で大きな被害を受けたが、何とか修繕できた。活用して地域に貢献していきたい」と喜んだ。
無能寺の住職佐藤伴美(ともみ)さん(69)は「度重なる地震で被災したが、無事に修復を終え、地域や町の応援があって答申までたどり着いた。今後も親しみやすい寺を目指し、交流サイト(SNS)での発信に力を入れたい」と意気込んだ。
福島市の木幡浩市長は「大変うれしく、誇りに思う。後世に残すべき地域の文化財として、保存と活用されることを期待する」、桑折町の高橋宣博町長は「地域の経済・文化の中心的役割を果たした歴史的な建物を文化財として守ることで、町の魅力を多くの人に知ってもらい、まちづくりにつなげていく」とコメントした。
Posted at 2023/11/26 10:12:37 | |
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