「白いロマンスカー」あす引退…乗務員ら「手のかかる子どものよう」「制服うれしかった」
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2023年12月9日 18時26分 読売新聞オンライン
VSEの車掌として長く奮闘してきた高橋さん
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お疲れさま――。
小田急線の新宿―箱根湯本などを結ぶ特急で「白いロマンスカー」として18年間にわたって親しまれたVSE(50000形)が、10日のラストランで引退する。乗務員らは、それぞれの思いで別れを告げる。
小田急電鉄によると、VSEはバブル崩壊後、箱根の観光客が減少する中、グループが再起を目指して開発し、2005年にデビューした。オレンジ色が主流で歴代10車種あるロマンスカーの中でも唯一の白色。先頭車両には展望席が設けられ、天井はドーム型で、内装に大理石や木材を使うなど高級感も演出。バリアフリーにも考慮し、車いす優先席も整備した。
車両の設計を担当した社員の細野光司さん(56)は当時最新技術だった車両を揺らさないシステムを徹夜で修理する日もあったが、車内でうれしそうに駅弁や缶ビールを開ける乗客の姿にも励まされ、「手のかかる子どものようだったが、技術や知識を学ばせてもらった」と振り返る。
1989年に入社した高橋建一さん(52)は、車掌人生の半分をVSEと過ごした。スマートフォンが普及していない頃は、乗客にお勧めスポットを相談されることも多く「話すのが好きでサービスには自信があった。VSEの車掌となれたのは誇り」と語る。若手にもVSEは憧れで、運転士の磯野奏さん(35)は「特別な白い制服が着られた時はうれしかった。非日常の旅を届けるための特別な存在だった」と惜しむ。
VSEのラストランは計3回。〈1〉午前8時10分頃に相模大野発、片瀬江ノ島を経由して11時35分頃に唐木田着〈2〉午後0時半頃唐木田発、新宿を経由して午後3時50分頃に秦野着。〈3〉午後4時10分頃秦野発、箱根湯本を経由して午後8時頃に成城学園前着。
Posted at 2023/12/10 10:53:00 | |
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