
航行不能のジェット船 出港からほぼ1日たち伊豆大島に入港
2024年7月25日 7時32分
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24日、千葉県の房総半島の沖合で航行できなくなり、一時、漂流した東京発のジェット船は、出港からほぼ1日がたった25日午前5時半すぎに伊豆大島の港に到着しました。乗客は船から降りて一時的な滞在施設にバスで移動し、運航会社が臨時便を手配するなど今後の対応を進めています。
東海汽船が運航するジェット船「セブンアイランド愛」は子どもを含む乗客116人と乗員5人を乗せ、24日午前7時45分に東京の竹芝桟橋から伊豆諸島の式根島に向けて出港しました。
しかし、千葉県の房総半島の南西およそ20キロの沖合で、自力で航行できなくなって一時、漂流し、その後、海上保安部の巡視船や民間のタグボートがロープを使って西側にある伊豆大島の岡田港に向かってえい航を続けていました。
潮流や風の影響で船が東側に流されて難航し、出港からほぼ1日がたちましたが、25日午前5時半すぎに岡田港に入りました。
10分ほどかけて船が港に接岸すると船体の側面に足場が取り付けられ、船員などに誘導されながら乗客が続々と船から降りてくる様子が確認できました。
船を降りたあと、乗客は待合所に向かって歩いて移動していました。
乗客は運航会社が手配したバスで複数の一時的な滞在施設に移動していて、食事をとるなどして過ごしているということです。
海上保安本部によりますと、これまでに船内で気分が悪くなった人が複数出ているものの病院に搬送する必要がある人はいないということです。
運航会社は25日の午前中に当初の目的地に移動する臨時便を準備していて、このあとも乗客の希望に添って対応したいとしています。
乗客「グワングワンと揺れすごかった」
旅行中だったという2人組の女性は「最初は『安全点検をします』とアナウンスがあって、1時間くらい止まっていました。グワングワンと揺れがすごく、気持ち悪くなってエチケット袋に吐いてしまっている人もいました。別の船が到着してからは水やパンなどが届きました。海の上にいる間は30分寝ては起きての繰り返しで、気持ち悪さが続きぐっすりは眠れませんでした。船がひっくり返るほどの揺れで生きて帰ることができるのかと不安だったので、無事到着できてよかったです。もともと新島に旅行で向かう予定でしたが、予定を変更してこのまま東京に帰ろうと思います」と話していました。
また、船から降りてきた女性は「船内では事故があり、一時的に止まっているとアナウンスがありました。その後、船内の乗客も静かで落ち着いていて、いすの上でぐっすり眠ることができました。寒さの対応やパンの提供などもしてくれましたし、船の中でしっかりとした説明もあり、不安に思うことはなかったです」と話していました。
旅行中だったという2人組は「波がしけていて揺れがひどく、救助が来るまでは3時間くらい止まった状態でした。エチケット袋に戻している人も多く、泣いている子どももいました。一度、えい航のひもが切れてしまったときは時間が延びると知って絶望しました。床に寝ていましたが揺れであまり寝られず休息はほとんど取れていません。あのまま海の上でいたら体力的にも辛かったので、到着できてよかったです」と話していました。
Posted at 2024/07/25 10:07:48 | |
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