JR東日本 地方路線の赤字約750億円 JR西日本は233億円余の赤字
2024年10月29日 19時10分
JR東日本は、利用客が少ない区間の昨年度の収支を公表し、36路線の72区間で総額およそ750億円の赤字となっています。
JR東日本
地方の鉄道路線で人口減少などを背景に路線の維持が課題となるなか、JR東日本は、1日1キロ当たりの利用客が平均で2000人未満の区間を対象に、昨年度の収支を公表しました。
収支を公表したのは、在来線の66路線190区間のうちの36路線72区間で、収支はいずれも赤字で赤字の総額は757億円となっています。
利用客の減少などで対象の区間は、2019年度の利用客数をもとに公表した前の年度の34路線62区間から、2路線10区間拡大し、赤字の総額は109億円拡大しました。
赤字額が最も多かったのは、羽越本線の新潟県の村上駅と山形県の鶴岡駅の区間で、49億6800万円の赤字でした。
また、最も採算性が悪かったのは、千葉県の久留里線の久留里駅と上総亀山駅の区間で、100円の運輸収入を得るためにかかった費用を示す「営業係数」が1万3580円となっています。
JR東日本は、千葉県の久留里線や、青森県の津軽線など4路線の一部区間については、地元自治体などとの間で路線の在り方について協議を行っています。
JR東日本は「コロナ禍から改善した区間は多くなっているものの、引き続き多額の赤字を計上しており、地元との間でさらに議論を進めていきたい」としています。
JR東日本が発表した利用が特に少ない区間の昨年度の収支はこちらから
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JR西日本
一方、
JR西日本は、利用者が少ない17路線30区間の収支を公表し、昨年度までの3年間の平均で、233億円余りの赤字となりました。
人口減少などを背景に地方路線の経営が厳しくなる中、JR西日本は、1キロ当たりの1日の利用客が平均で2000人未満の区間を対象に、昨年度までの3年間の平均の収支を公表しました。
それによりますと、対象となる17路線30区間の収支はすべて赤字で、赤字の総額は233億円余りとなりました。
2022年度までの3年間の平均と比べると、新型コロナの感染拡大が収束したことから、赤字額は4億円減少しています。
赤字額が最も大きいのは
▽山陰本線の島根県にある出雲市駅と益田駅の区間で30億円
▽次いで、紀勢本線の和歌山県の新宮駅と白浜駅の区間で29億円
▽関西本線の三重県にある亀山駅と京都府の加茂駅の区間で16億円
▽小浜線の福井県にある敦賀駅と京都府の東舞鶴駅の区間で15億円
▽芸備線の広島県の三次駅と下深川駅の区間で14億円の赤字などとなっています。
また、最も採算が悪かったのは、芸備線の広島県の東城駅と備後落合駅の区間で、100円の運輸収入を得るためにかかる費用を示す「営業係数」は、1万1766円に上りました。
芸備線をめぐっては、国やJR、沿線の自治体などが参加して路線の存続などを話し合う国の協議会が設置されています。
JR西日本ではほかの赤字路線についても、今後の在り方について幅広く議論を行いたいとしています。
JR西日本が発表した利用が特に少ない区間の昨年度の収支はこちらから
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Posted at 2024/10/30 00:18:38 | |
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