米FRB 0.25%利下げ決定 年内あと2回の利下げ想定
2025年9月18日 7時46分
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アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は、17日まで開いた金融政策を決める会合で、雇用の下振れリスクが高まったなどとして、政策金利を0.25%引き下げることを決めました。トランプ大統領が繰り返し利下げを求める中、去年12月以来6会合ぶりに、いまのトランプ政権の下では初めてとなる利下げに踏み切りました。
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FRBは、17日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、政策金利を0.25%引き下げることを決めました。
利下げは2024年12月以来、6会合ぶりで、いまのトランプ政権の下では初めてです。
これによって政策金利は4%から4.25%の幅となります。
パウエル議長は会合のあとの記者会見で、利下げの理由について「雇用の下振れリスクが高まっている」と述べました。
今回の決定には、12人のメンバーのうちトランプ大統領に近いミラン理事が反対し、0.5%の引き下げを支持しましたが、パウエル議長は会見で「広い支持はなかった」と述べました。
また、会合の参加者19人による政策金利の見通しでは、年内にあと2回の利下げが行われるとの想定が示され、年内の利下げ回数は前回の想定より1回増えました。
ただ、7人が、年内にさらなる利下げは必要ないとの見通しを示すなど、FRBの中でも見方は分かれています。
また、パウエル議長は会見で、「関税措置によるインフレへの影響はまだ不透明だ。インフレへの影響がより持続的なものになる可能性もあり、そのリスクは評価して管理する必要がある」と述べ、トランプ大統領が繰り返し利下げを求める中でも、経済データなどに基づいて関税措置の影響を見極めながら金融政策を決定していく姿勢を示しました。
FRB 政策金利の見通しをあわせて発表
FRB=連邦準備制度理事会は、今回の会合で政策金利の見通しをあわせて発表しました。
この見通しは、参加者がそれぞれ適切だと考える金利を点=ドットで示していることから「ドット・チャート」と呼ばれ、市場では、その中央値がFRBが目指す金利水準だと受け止められています。
今回の見通しでは、ことしの年末時点の中央値は3.6%で、前回・ことし6月の時点から0.3ポイント引き下げられました。
年内には10月と12月に会合が予定されていますが、1回の利下げ幅を通常の0.25%とした場合、年内の利下げをあと2回、見込んでいることになります。
19人の参加者がそれぞれ示した見通しをみると、9人が年内にあと2回の利下げを見込む一方、7人はさらなる利下げは必要ないとしています。
また、1人はあと5回の利下げを見込んでいて、大幅な利下げを求めるトランプ大統領に近いスティーブン・ミラン氏とみられます。
FRBは政策金利とともに、経済成長率などの見通しも示しました。
このうち、来月から12月のアメリカのGDP=国内総生産については、去年の同じ時期と比べた実質の伸び率で1.6%と、前回の想定から0.2ポイント引き上げられています。
失業率については同じ時期の平均で4.5%と、前回から変わりませんでした。
インフレの状況を見極めるための指標としてFRBが重視する、PCE=個人消費支出の物価指数については、来月から12月にかけての上昇率の見通しは3.0%と前回から変わっていませんが、来年の同じ時期については2.6%と、前回から0.2ポイント引き上げられています。
トランプ政権の関税措置が物価を上昇させるという見方が、参加者の間に根強く残っていることを示しているものとみられます。
Posted at 2025/09/18 12:07:22 | |
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