
自民総裁選 告示 5人が立候補 本格的な論戦始まる
2025年9月22日 10時40分
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自民党総裁選挙は、22日告示され、5人が立候補しました。野党との連携のあり方や物価高対策をはじめとする経済政策などをめぐり本格的な論戦が始まります。
自民党総裁選挙の立候補の受け付けは、午前10時から党本部の9階に設けられた会場で行われ、5人の候補者の代理人が20人の国会議員の推薦人名簿などを添えて届け出を済ませました。
そして抽せんの結果、届け出順は、▽小林元経済安全保障担当大臣、▽茂木前幹事長、▽林官房長官、▽高市前経済安全保障担当大臣、▽小泉農林水産大臣の順に決まりました。
5人はいずれも、総裁選挙では過去最多の9人で争われた去年に続く立候補となります。
5人は午後には党本部で行われる立会演説会に臨み、本格的な論戦がスタートします。
選挙戦では、◇衆参両院で少数与党となる中、野党との連携のあり方や、◇物価高対策をはじめとする経済政策、それに◇国政選挙の相次ぐ敗北や政治とカネの問題を受けた党の立て直しなどが争点となる見通しです。
今回は、投票権を持つ91万人余りの党員・党友による党員投票が行われ、「国会議員票」と「党員票」はいずれも295票の、あわせて590票で争われる見通しです。
国会議員の投票は来月4日に党本部で行われ、前日までに投票が締め切られる「党員票」とあわせてその場で開票され、新しい総裁が選出されます。
5人の立候補は過去2番目に多い
今回の総裁選挙には5人が立候補しました。これは、20人の推薦人が必要となった今の仕組みのもとでは、2008年と2012年の総裁選挙とならんで2番目に多い数です。
▽2008年の総裁選挙では、当時の麻生幹事長が与謝野馨氏や小池百合子氏らを破り、
▽2012年は、40年ぶりとなった上位2人の決選投票で安倍元総理大臣が石破総理大臣に勝利しました。
過去最多の候補者となったのは去年の総裁選挙で、今回も立候補した5人に加え、石破総理大臣、上川・前外務大臣、河野・前デジタル大臣、加藤財務大臣のあわせて9人が立候補しました。
その後、およそ1年間で自民党の国会議員は70人以上減り、20人の推薦人を確保するハードルは上がりましたが、去年の総裁選挙で支援を受けた議員を軸に党内で一定の支持基盤を持つ5人が立候補にこぎ着けた形です。
総裁選までの経緯
ことし7月の参議院選挙で石破総理大臣は、非改選の議席とあわせて与党で過半数の議席を確保することを「必達目標」に掲げましたが敗北し、自民・公明両党は衆参両院ともに少数与党となりました。
石破総理大臣は、国政に停滞を招いてはならないとして繰り返し、続投する意向を示しましたが、自民党内では去年の衆議院選挙に続く国政選挙の連敗に責任を問う声が相次ぎました。
そして、過去に例のない臨時の総裁選挙の実施を求める動きが強まったことを受けて、党の総裁選挙管理委員会はその是非を問うための手続きを開始しました。
総裁選挙の実施が必要か否かで対立が激しくなり、衆議院の解散も取り沙汰されるなど党内は混乱が続きました。
こうした中、石破総理大臣は、実施を求める国会議員による書面の提出を翌日に控えた今月7日、党が分断される事態は避けたいとして総理大臣を辞任する意向を表明。
これを受けて、全国の党員・党友による「党員投票」を実施するいわゆる「フルスペック型」の方式で、石破総理大臣の後任を選ぶための総裁選挙が行われることになりました。
今回も「派閥なき総裁選」
過去の自民党の総裁選挙では、候補者の擁立や国会議員の投票行動をめぐって派閥の意向が影響したケースが多くみられました。
当時の安倍総理大臣の退任に伴う2020年の総裁選挙では、派閥に所属しない菅元総理大臣を5つの派閥が支持して告示前に大勢が決しました。
また、前々回・2021年の総裁選挙では、決選投票で主要派閥がまとまった投票行動をとり岸田前総理大臣が選出されました。
一方、去年は、政治とカネの問題を受けて派閥の大半が解散を決めたことから、いわば「派閥なき総裁選挙」となりました。
ただ、有力議員から決選投票での投票先の指示があったと明かす議員もいるなど、派閥の影響力は一定程度、残っていたという見方もあります。
今回の総裁選挙は、麻生派以外は正式に解散した中で行われますが告示の前から旧派閥単位でまとまった行動をとろうとする動きも出ていて、投票行動にどう影響するかが焦点となります。
論戦の行方は 政治部記者が解説
野党から発言相次ぐ
自民党の総裁選挙で野党との連携のあり方が大きな論点となる中、野党からは発言が相次いでいます。
立憲民主党の野田代表は20日「少数与党の状況を踏まえて野党を意識した政策や発言になっている。かなりの化学反応が起きており政策実現のチャンスだ」と述べ立候補者の発言を注視していく考えを示しました。
国民民主党の玉木代表は21日「誰が総裁に選ばれたとしても、ガソリン税の暫定税率廃止と『年収103万円の壁』を178万円を目指して引き上げるとした去年の自民・公明・国民民主の3党間の約束をスピーディーに実現してもらいたい」と求めました。
一方で、野田氏は「政治とカネの問題解明は誰も積極的な発言をしていない。それでは解党的な出直しはできない」と述べたほか、玉木氏も「政治とカネの問題について信頼を回復しないと、誰が総裁になっても自民党の支持は戻らない」と指摘しました。
Posted at 2025/09/22 12:00:21 | |
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