電機業界中心に中途採用大幅増の動き広がる 新卒上回る企業も
2025年9月29日 6時51分
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電機業界を中心に中途採用の社員を大幅に増やす動きが広がり、中には、新卒を上回る規模とする企業も出てきています。事業構造が変化し、AI=人工知能の普及など技術革新が急速に進む中、専門知識や経験のある人材を外部から採用し、競争力を高めるねらいです。
このうち、日立製作所は今年度、中途採用の人数を5年前の3倍以上にあたる930人に拡大する計画です。
一方、新卒は815人の採用を計画していて、会社として、初めて中途採用が新卒を上回る見通しになっています。
電機業界は、かつて家電など消費者向けのビジネスが代表的でしたが、現在では、インフラやエネルギー関連のビジネスを手がける企業が多く、事業構造が変化してきています。
さらに、AI=人工知能の普及など技術革新が急速に進む中、専門知識や経験のある人材を外部から採用し、競争力を高めるねらいがあります。
日立製作所人財統括本部の大久保健一郎部長代理は「変化のスピードがはやいので、中途採用でスキルや経験をもった人を早く獲得するメリットは大きい。新卒採用と組み合わせていくことが必要だ」と話していました。
電機業界では、三菱電機やNECも採用計画の半数を中途採用が占めているということで、長年慣習として続いてきた「新卒一括採用」は様変わりしています。
専門家 “人材ゆっくり育てる余裕なく即戦力を”
電機各社が中途採用を増やしている背景について、法政大学経営大学院の山田久教授は「AIをはじめ、デジタル技術は日進月歩で進展していて、企業の現場では、かつてのように人材をゆっくり育てる余裕がなくなっている。中途採用として基礎ができあがった人材を、いわば即戦力として採用していかないと、競争に負けてしまうということではないか」と指摘しています。
一方で、山田教授は「以前は大手企業のほうが立場が強く、人材を選んで採用してきたが、最近は転職機会が増えてきたので、経験があり、実力のある人は、転職することが以前に比べ簡単になっている。いきいきとした、働きやすい職場を追求していくことは、人材を引き止めるうえで大事ではないか」と話していました。
Posted at 2025/09/29 10:09:07 | |
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